エンジェルスが全国大会を控えているとき、O.B達が練習の手伝いに来てくれました。
高校3年生、自分たちの高校野球生活が「敗戦」という形で終わってしまったその時に、後輩達のために練習の手伝いに来てくれるんですから、良い奴らばかりです。
その中に、水戸商業で小林浩平(エンジェルス出身)と一緒に頑張った仲間の何人かが、エンジェルスのO.Bではないのに、一緒に手伝いに来てくれました。
本当に良い奴らです。
水戸商業のキャプテンだった小島君、エースの水毛君、そして磯君。
実は、彼らには、もっともっと頭が下がる話があったんです。
今年の春、一人のエンジェルスO.Bが水戸商業に入学しました。もちろん野球部で頑張っていました。A君としておきましょう。
ところが、そのA君、6月のある日、常総学院との練習試合の時、投手として投げていて右腕の靱帯を切ってしまったのです。
落ち込むA君。それでも、練習では左手で出来ることを黙々とこなしていました。自分の練習もままならない時に、チームのために一生懸命尽くしていました。
そのようなA君を見た彼ら、練習が終わったあとA君をラーメン屋に誘ったそうです。せめてA君を励まそうと・・・。
3年生の先輩が、1年生の後輩を誘ってラーメン屋へ・・・そして、後輩のために一人百円ちょっとずつ出し合って、後輩にラーメンをごちそうしたというのです。
聞けば、キャプテンの小島君もケガに悩まされて、思うように活躍できなかったという。後輩の気持ちが痛いほど解ったのでしょう。
水戸商業の前監督・橋本先生の時から、水戸商業野球部は「一貫して人間教育」を重点において指導していました。今の野沢監督になっても同じことです。
野球が強いとか弱いとか、部外者が何かとうるさい水戸商野球部ですが、人間作りの精神は、ちっとも変わっていないのです。
私が、O.B達に進学の相談を受けたとき、真っ先に「水戸商業」と薦めるのには、そのような訳があるのです。
ここ数年、甲子園から遠ざかっている水戸商業ですが、すばらしい人間をいっぱい輩出していることは、間違いありません。

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