2009/1/6

★ニール的5曲  ランキング/リスト

何を持って“ニール的”とするかは問題だよね。だって、ほとんどの歌詞はニールが書いているんだから、ほとんどニールっぽい。逆にニールっぽくない5曲を選んだほうが楽なくらい…でも、なんとか選んでみました。自伝的だったり、ニールの趣味が前面に出たものを…でも、ニールファンからお叱りを受けそうな気がする…叱らないでね。

「In the night」(’86)

戦争批判と、恋愛。これって、まさしくニール的テーマだよね。
第2次世界大戦、ドイツ占領下のパリに実在した反戦の若者たち、「ザズー」のことを歌っている。戦争下でもジャズやファッションや恋愛を優先するザズーたちに、ニールはシンパシーを感じているけど、表向き反戦歌なのに、どうも「ザズーってステキッ」的な、ミーハー的なところが、私たち一般人のシンパシーだったりするのよね。良い意味で、そのキャーキャーがないと、PSBらしくないというか・・・つまらないでしょ。まさに私たちの目線まで「降りて」いるんだよね。80年代イタリアの若者カルチャーを扱った「Paninaro」も同じ要素かも。

Arthur Bakerによるリミックス・バージョン。



「Jack the lad」(’86)

概してB面は、ニールっぽいものが多いのだけど、このサティから引用された美メロ曲もそのひとつ。ニールの興味のありそうな歴史上の人物が出て来る。アラビアのロレンス、オスカー・ワイルド、そしてソ連のスパイのキム・フィルビー・・・3人とも、秘密がある。ロレンスとワイルドはゲイであることを隠し、フィルビーはスパイであることを英国政府に隠している。ニールはスパイじゃないけど世界を飛び回っているし、少なくともこの曲を作った頃はゲイであることを隠していたので、一種のシンパシーだと思われる。タイトルの”若者ジャック”は、“ちゃらんぽらんな男性”の意味だけど、クリスはこの単語にグッと来るらしい。

動かない映像ですが・・・「Alternative」のジャケット。フェンシングのマスク・・・だよね。



「Left To My Own Devices」(’89)

ニール曰く、少年時代の自伝ソング。同じにこの曲はPSBの代表曲のひとつでもあります。ニールの囁くような低テンション・ラップ+ポップなディスコ・リズム+ゴージャスなオーケストラ、というPSBの王道です。歌詞にあるチェ・ゲバラ(革命家)とドビュッシー(印象派の作曲家)が、まさしくニールから見たPSBの理想の姿であり、さらにそれは実現しています。でも、ニールの頭(夢)のなかでは、世界一男らしいゲバラがドラーグ・クィーンになっているそうで、ああ、そういうトコもPSBらしいのね。去年ニールは運転免許をとったので、この歌詞がまた一つ、現実になりました。

2004年、トレヴァー・ホーンの活動25周年を祝うライブPrince's Trustでの映像。実際、15年前レコードにコーラスを入れたオペラ歌手が参加している。日本で発売されているDVDからの映像なので、MCに日本語字幕入り。



「Don Juan」(’89)

クリスには「げー。」とか言われているけど、ニールはロシア周辺の歴史が大好き。よくその方面の本を読んでいるらしく、歌詞のテーマにもよく拾われている。ここでは1930年代の激動のバルカン半島をテーマにしている。ただし、タイトルの“ドン・ファン”は17世紀のスペインのプレイボーイ。なぜこの2つの時代と場所が結びつくのかは不明だけど、ニールは歴史上の性豪(ドン・ファン、カサノヴァ、カリギュラ)などをテーマにすることがたまにある。「うらやましいからじゃないよ。」とはいいつつ、絶対うらやましいんだと思う。いいよ、伝説作っておくんなさいまし、You’re Sex God!

スライド・ショー。



「This must be the place I wanted year to leave」(’90)

これも自伝的。ニールが厳しいカトリック男子高校に通っていたのは良く知られているけど、この曲が最もその“閉塞感”の時代を反映した曲。同じくカトリックの厳しい”責め苦”をテーマにした「It’s a sin」の兄弟歌みたいなもの。
メガネをかけてヒョロヒョロだったニールはいじめられっ子だったそうですけど、その反動で「有名になってやる」というハングリー精神が生まれたそう。ちなみに先生からも「ソフト(ナヨナヨしている)」と言われていたそうだけど、今は同級生の誰よりもセクシーでイケてる50代に違いありません!

この曲は91年のPerformanceツアーの1曲目だった。ニール&クリスは「寄宿学校の生徒」という設定なので、緑の帽子に半パンの萌制服姿!


0

2008/12/28

★クリス的5曲  ランキング/リスト

難しいよ、5曲なんて。全部「クリスが歌っている歌」になり兼ねないよ。歌っている・歌っていないにかかわらず、クリスっぽい5曲を選んでみました。ちなみにPVでクリスがフィーチャーされているのは、選外の「What have I done to deserved this?」です。クリスのアップで始まり、トロンボーンは弾くはクルクルまわるは、“カジュアル男のツンデレ・タキシード姿”で大活躍しています。

「Suburbia」(’86)

印象的過ぎて、一度聞いたら軽く10年くらいは頭から消えない間奏のリフは、クリスっぽい、っつーか世界中でクリスしかできないと思う。ヨーロッパでは”テクノポップ”はすごく一般的で、実際にPSBをリスペクト(あるいは真似)するテクノ/ダンス・ミュージシャンも多いけど、この音は真似出来ない。まさにクリスの脳だけが作り出せる奇跡の音。
歌の内容の方は、貧富の差から起きたブリクストンの暴動から構想を得ていて、PSBの曲のなかでは珍しく攻撃的・荒っぽい曲。ウォーキングやランニングに最適。

ビデオは1991年Performanceツアーのライブ。ニールが拷問されたり、クリスがパンツ姿だったり、ここだけ見たらいったい何があったのかと思うね。いや、そういうやりたい放題の時代だったんだよ。



「It’s alright」(’90)

元曲はスターリン・ボイドのアシッド・ハウスだが、”平和な世界を望んでいる/音楽は何千年も滅びない”という音楽そのものに対する賛歌は、おそらく音楽を愛して止まない音楽ヲタ・クリスの言いたいことを的確に言い表しているんだと思う。クリスの行動は全て、音楽を愛しているから。苦手なこと・・・マスコミに取材されたり、プライベートで噂を立てられたり、ファンに囲まれたり、ファンからエロい手紙が送られてきたり(あ、これはいいのか)・・・も、ガマンできるのは、全て音楽に携わることができる代償なんだね。

このPVでのクリスが「一番カッコイイ」という評価もある。若い頃のユアン・マクレガーっぽくない?赤ちゃんを抱っこする眼差しとかが、オンナ心(と一部、オトコ心)をくすぐるのよねぇ。抱っこしているユージン君はもう18〜9歳くらいですが、お願いだからもう一度抱っこしたいなんて言わないで。



「Paninaro’95」(’95)

歌ってます。1996年の「Paninaro」と違う所は、クリスのライブでの即興ラップが入っているところ。クリスはあまり言葉では表現しないから、これで完全にクリス的になった。それにしても、なんとも意味深なセリフ。はからずしもこのセリフがクリスの知られざるプライベートでの「恋人を亡くした」“噂”を“真実”と裏付ける結果になったけど、いいんだよ、人間って弱いものだから。それに、ファンはそういう所に共感したいんだよ。ちょっとだけクリスが外の世界に心を開いた希少な歌です。

DiscoVeryでのライブが「Paninaro」を新たに「Paninaro’95」としてレコーディングするきっかけになった。それにしても裸のオトコがアクセサリーとしてこんなに合っちゃうヒトも、まれじゃない?



「Before」(‘96)

2008年度の最新調査でクリスが「PSBの曲で最も気に入っている1曲」にあげたこの曲。自分的にも出来の評価は満点らしい。ニールによる歌詞は、たまたまなのか狙ったのか、愛を亡くしたばかりの男の物語、というところでクリスとカブる。たとえ歌詞の全てをニールに任せても、共感・納得しなければ、クリスはダメ出しをするから、歌詞も曲も全て2人に共通する考えだと言っていいんだと思う。
この曲で言いたいことは、「(今は辛いけど)未来なら愛はある」。素晴らしい。



「Music for boys」(’91)

「だって、ボクはオトコにモテるから」という真意不明なコメントがついていたこの曲、そうね、クリスには「Boy」がしっくりくるよね。間違っても水着美女をはべらせている絵は浮かんでこないね。そんなワケで、全世界の男の子たちに送るクリスからのプレゼントみたいなアゲ曲。歌詞は“Oh Yeah”だけで、ボコーダーを通しているからニールなのかクリスなのかわからないけど、どっちかと言われたらニール。まったく別のヒトかも。
0

2008/12/19

★PSB社会的5曲  ランキング/リスト

PSBの2人が社会や政治にとても興味があるのはよく知られた事実。英国のインテリ層として新聞やインターネットをしっかりチェックし、いま置かれている社会の現実を歌にするのも彼らのお仕事といえましょう。そりゃ、ベッタベタなラブソングの方が萌えますけど、この緩急のつけ具合が、彼らをただの”ディスコでかかっている曲を作っているライトな人たち”ではないコトを知らしめています。実際、ワタシも、彼らが取り上げることでそういうことを知ったりします。まさにPSBは「社会への扉」なのです。

「King’s Cross」(‘87)

80年代のイギリスは、鉄の女ことマーガレット・サッチャーの政権下で、大不況だった。社会格差を生み、大量の失業者を出した。恐らく親の代から熱心な労働党支持者のニールにとって、保守党の政権自体が不満だったと思うが、その保守党政権がイギリス経済をどん底にまで落としたのなら、一言いわずにはおられなかったのだと思う。
キングス・クロス駅は、東京で言えば上野駅、北からの上京者が辿り着くロンドンの駅。少しは整備されてきているけど、いまだに治安の悪い場所のひとつ。偶然、この曲の入ったアルバムACTUALLYが出てすぐの1987年11月18日に火事が起こり多数の死者を出した。

シングルにはなっていないが、ツアーに使用するためにデレク・ジャーマンが撮ったプロモーション・ビデオのようなものがある。クリスがキングス・クロス駅を…男娼を横目に…歩きまわる映像。この映像の一部は「Rent」にも使われている。すごく寂しげな曲。



「The boy who couldn’t keep his clothes on」(‘96)

「服を着ていられなかった少年」とは。幼児虐待に遭っている(あるいは過去に遭ってトラウマになっている)少年をモチーフにしている。モデルはクラブですぐ服を脱ぐニールの友人らしいが(だからか、ダンス・トラックに聞こえる)。
ニールもクリスも幸せな家庭に育っているので、家庭での虐待経験は自己体験だとは到底考えられないけど、幼児虐待に遭った子供が社会の被害者としてはもちろん、あるいは時として加害者にもなる負のスパイラルになっている社会的事実を曲にしている。あまり家庭については曲にしないPSBにしては珍しいテーマ。

「Birthday boy」(‘02)

1993年にロンドンで人種差別で殺されたジャマイカ系少年スティーヴン・ローレンスと、1998年にアメリカで、ゲイゆえに殺された大学生マシュー・シェパードからヒントを得ている。つまりはヘイト・クライム、“自分と違う/他人と違う”ことへの無寛容ゆえから来る犯罪への嘆きである。歌の主人公の少年は、クリスマスという最も愛が必要な日に殺されている。ちなみにスティーヴン・ローレンスをモデルにした絵を描いたクリス・オフィリは、1998年にターナー・プライズを受賞しているが、その年の5人の審査員のうちの一人がニールだった。

このビデオ、前半は「Here」、後半が「Birthday boy」です。



「Integral」(‘06)

2006年、イギリスで導入が決定された国民番号制度(IDカード)への反対歌。日本でも同じような制度があるが、あまり国民が表立って反対した様子がないのでピンとこないけど、これはプライバシー侵害への警告である。この曲の高揚感、与える側と受け側(運がよければ「ステージと観客席」)との一体感は凄まじい。普段から私は「PSBの良さのひとつは、聞き手との間に馴れ合いを持たないノー・メッセージ性にある」と思っているけど、この曲に関しては、多分最も聞き手に「問う」、そして「一体になる」曲だと思う。

この曲はアルバムFUNDAMENTAL収録だが、シングル(デジタル配信のみ)としてはアルバムDISCO4に収録のリミックス・バージョンが使われている。出演している一般人は公式HPで公募されたが、「1週間後、ロンドンに来れる人、100人募集」みたいなアバウトなものだった。以下のビデオはCUBISM(アルバム・バージョン)より。めちゃくちゃカッコイイ!



「I get along」(‘02)

一見ラブソング。でもこの主人公「僕」は当時のブレア首相。「君」は、ブレアの参謀だったピーター・マンデルソン。ブレアがマンデルソンを賄賂疑惑からクビにした政治的決断という背景がある。ニールとクリスはこのとき、アメリカに荷担して戦争参加したブレアを見限っていたし、どちらかといえばマンデルソン(しかもオープンリー・ゲイである)の味方だったに違いない。その後、マンデルソンの賄賂疑惑は晴れている。つまりはブレアに対しての嫌がらせだ(彼ら、嫌がらせするとみんなゲイにしちゃうのね)。
ちなみにマンデルソンはその後欧州委員を務め、2008年11月に、ブレアの後を継いだブラウン首相により閣僚復帰している。

PVは内容とはまったく関係ない、ニューヨークでのアート・スクール学生とのワークショップ。監督はブルース・ウェバー。最初にジョセフ・コンラッドの詞が入っているのがウェバーらしい。ニールとクリスが若い学生(当然、ほぼ男子:女の子はカルバン・クラインのモデル、ナタリア・ヴォディアノヴァ)とイチャイチャ、デレデレしていますが。


0

2008/12/11

★PSBザ・恋愛体質5曲  ランキング/リスト

シニカルで、鬼のように冷たいとか言われていた時代もあるのですが、実際PSBの曲を振り分けてみたら、多分70%以上はラブ・ソングという事実がはっきりするのです。多分、憶測ですが、こんなにたくさんの恋愛ドラマを体験上知っているニール&クリスは、クールに見えて実は、ド恋愛体質に違いない・・・恋愛至上主義20代OLに匹敵するくらい。そして、2009年新曲予定のタイトルが「Love etc.」であるのを鑑みれば、たぶん今でも愛こそ全て。そんな恋愛体質ソングを集めてみました。
聞けばわかるように、ほとんどの曲はノンケ・ゲイは関係ありません。恋する気持ちにセクシャリティは関係ないのよ。むしろノンケ男の方が乙女チックってのはよくある傾向です。

「Love comes quickly」(‘86)

この曲の主題「すぐ恋に落ちちゃう」については、ニールとクリスでは意見が異なるようです。つまりニールは恋に落ちやすい(&冷めやすい?) けど、クリスはじっくり育んで行くタイプらしい。クリスはニールに、皮肉めかして「恋多きオトコ」と評するように、ニールのジェットコースター並みにアガったりサガったりの恋愛模様が想像できます。まさしくエンジェルに弓矢でハートを射られて”落ちる”タイプでしょ、もうっ。

1989年のファースト・ツアーでのライブ。この曲を歌うニール、濃い目のメイクに肩パット大きめスーツで、ニュー・ロマンティックのシンガーみたい。スパンダー・バレエとかの。



「I want to wake up」(‘86)

報われない恋についての歌。ボクは君が好き、君は誰かを好き、誰かはボクを好き。神経がギリギリまで追い詰められてそうな歌。いや、実際の恋愛って、ほとんどこうじゃないかなぁ。人間関係ってたいがい複数通行だし。自分の恋愛のあまりの報われなさっぷりに、ついついキッチンで落涙してしまうなんて、乙女っつーより不倫主婦っぽいじゃないですかぁっ。もしかしたら自ら報われない方向に行ってしまっていそうなところがすごくニールっぽい。でもクリスは報われない恋愛にグッと来ちゃうらしい(でもこの発言は、シアワセな恋愛をしている人が言いそう)。

YouTubeにはなかったけど、ジョニー・マー兄貴のリミックスがポップ&ダンサブルでとても良かったです。ところでこの画像のレゴは誰かの自作だよね?市販品じゃないよね。ニールが似てないから〜。



「Jealousy」(‘91)

作ったのはデビュー前、ごく初期の1981年頃。クリスがチャイコとチャネリングして作ったピアノ曲に、ニールが詞をつけた。ニールがクリスを見つめすぎるので、ニールの友人(って絶対彼氏だと思うけど)がジェラシー焼いた、という、「それ、公言してもよかったですか?エピソード」から成立。きわめて平凡な感情を見事なくらいドラマチックに料理。村上春樹の短編小説にも登場する名曲。ライブでやらないのは、クリスが生ピアノを弾きたくないせいかもしれないけど、特別な曲だからね。でもラジオ・ライブではロビー・ウィリアムズに歌わせてたけどさ。

PVでは唯一、クリスのヤマハのグランドピアノ演奏姿が見れる。本来スタッフであるデントンやクリスの彼氏ピートも登場してクリスを脇で応援、やっぱりなんか特別な曲っぽい。



「I wouldn't normally do this kind of things」(‘93)

ドロドロせず、楽しい恋愛体質の歌。控えめなイギリス人男性は恋に落ちるとハジけておかしくなるそうな。いつもクールで控えめな分、周りからもクレームつくくらいに異常行動に走るようです。やっぱこれもニールそのものだよなぁ。たまに、例えば、デビッド・ウォリアムズみたいなガタイのいいハンサムと出くわすと、いつものクールでシュッとしたカッコいいニールはどこに行っちゃったのよぅ、エーン、と思くらい、にやけまくりのデレデレな姿を見た時と同じと言っても良いでしょうか。・・・いや、いいんだよ、恋をするのは必要だよ。

PVはコスプレです。すごくかわいくて“いつものボクじゃないから!”を最大限生かすつくりです。だいたい、いつも踊らないニールが踊りまくるって・・・それだけでお宝映像。



「Miracles」(‘03)

恋愛至上主義、イコール“君”至上主義。君がいるだけで嵐が去って太陽が輝いてしまう、そんな恋する男の恋人賛歌。純度100%恋人を褒めまくっております。この頃ニールが付き合っていたのはDJのトム・スティーヴンじゃなかった?こんな歌を捧げられちゃったら、どんな気分なのかしら。
とはいうものの、この詞はニールがメインではなく多分、共作のAdam Fがメインで書いた可能性もあるけど(なんとなく詞の並べ方がニールとは違う気がする)、こんな曲を堂々と歌ってしまうのだから、すごい。でも綺麗な曲です。

映像は、2003年のトップ・オブ・ザ・ポップスのライブ。でもクチパク。クリスがブロンドロンゲで帽子なし。なんで伸ばしたのかなー(今さら)。


0

2008/11/29

★PSB皮肉屋さん5曲  ランキング/リスト

ニールとクリスが英国人である限り、PSBが皮肉っぽくなるのは、そりゃ当然です。英国人は、いくら「いいね」と思っても、「悪くないね」なんて言い回しをする人種ですから。いいものを「いいね」とダイレクトにしか表現できないアメリカ人とは、そこが違います、コメディでも英国産はほとんど皮肉で笑わせるもんね。
よって、PSBの曲には皮肉やイヂワルが多いです。特に素人時代に作ったと思われる初期の頃の曲は、お金にまつわる皮肉が多いですね。まあ英国は大不況時代だったし、ニール&クリスもお金がなかったんです。さすがに今ではお金にまつわる恨みはほとんど影を潜め、対・気に入らない人に皮肉を言いまくる傾向になって来ています。でもね、気をつけてね、あまり毒舌だと、どんどんキャムプになっていくから。たいていのオネエは毒舌だから。英国人がゲイっぽいのは皮肉屋のせいかも。

「Opportunities (Let’s make lots of money)」(’86)

デビュー2曲目にして、「俺は頭が良い、お前はルックスが良い、おカネをいっぱい儲けよう!」って。ポップ・ソングはある種、キレイ事(愛だの夢だの希望だの)を歌うことが常識だったため、なんて下品ことを言うんだって、かなり叩かれた。結果、ファースト・バージョンでの売り上げは惨憺たるもの(シングルチャート100位圏外)。結果的には「West Eng girls」の世界的ヒット後に出したセカンド・バージョンは売れたものの、人々の拒否反応は正直だった。
実際、ニールは頭が良く、クリスはルックスが良く、お金もいっぱい儲けられたから、この曲はまるで自伝のように語り継がれているが、ニールによれば、これは間抜けなバディ(相棒)が金儲けできないストーリーで、やっぱり皮肉なんですよ。
ところでこの曲の長いバージョンだけに、“愛”についての歌詞が入っている。このバディたちは愛で結ばれていたようで・・・って、やっぱり自伝??

1986年のOld Grey Whistle Test でのライブ。ファースト・バージョン。デペッシュ・モードっぽかった。2人ともロッカーっぽいし。



「Shopping」(’87)

「世界的不景気」をポップ・ソングに置き換えたらどんな曲が出来るか?答えはこれ。
80年代後半のイギリスは、サッチャー首相のせい(ニール曰く)で、英国は大不況だった。その政府の民間企業買収の失策を皮肉たっぷりに、「ショッピング♪」という楽しげなタイトルとノリノリな音楽で歌った。これは当時のイギリス人にとっては相当な皮肉だったと思う。
シングルにはなっていなくて、アルバム「Actually」のなかの曲だけど、シングル化されても良いほどポップで楽しくてブラックな曲。

2006年のFundamentalライブ「Cubism」。1989年にライブでやって以来、2006年のライブでこの選曲とはちょっとびっくりしたけど、PSBのスタイルが20年前と変わっていないことを実感。



「The night I fell in love」(’02)

この曲は「切ない曲」に入れてもよかったくらい、切ないグレードが高い曲。でも皮肉。
ラップでゲイをこき下ろしたエミネムを、どうやったら参ったと言わすことができるか・・・、そこから発しているにもかかわらず、心に染みてしまう切ないラブ・バラードが完成。内容は、某ラッパーに声をかけられた少年が、ホテルで熱く甘い一夜を過ごすというゲイ・レイティング・ソングなんだけど、某ラッパーは誰がどう見てもエミ君。エミ君は隠れゲイでしたって設定。しかも彼を腐すのではなく、少年目線で褒める、褒めまくる。ステキだと何度も言う。このあたりにニール&クリスの底知れない静かな怒りが垣間見えるよね。怖いね。みんな、何があってもPSBだけは怒らせちゃいかんよ。
ちなみにその後、エミ君は自分の曲の中でPSBを車で轢き殺しちゃったけど、あまりのストレートな仕返しっぷりに、かえってPSBの皮肉たっぷりなこの曲の怖さが引き立っちゃったね。
これもシングルにして欲しかったなぁ。世界初(多分)、ゲイ・ラブストーリーのPVが見たかった。

「Shameless」(’93)

「Go west」のB面ゆえ、曲調こそ思わず口ずさみたくなるようなアゲアゲですが、内容はドズ黒い。名声のためなら何でもやる人たちを、もちろんその人たちになりきって、嬉々として、欲望を正当化し開き直ったそのポリシーを歌い切ります。つまりはいまに始まったことではないゴシップ・セレブたちへの痛烈な皮肉です。90年代は、アイドルであるボーイズグループ、ガールズグループがあっちこっちで結成されていたころ。でも、所詮グループが“ソロじゃデビューさせてもらえない寄せ集め”であることを、一番よく知っているのはその当人、同じようなルックスのメンバーたちのなかで少しでも目立とうと思えば、スキャンダルを起こすしかないのです、彼ら、彼女らは。ニールは、自分自身はマスコミ嫌いだけど、他人のゴシップは、実は大好きだと思えます。でなきゃ「The Sun」なんて購読しないでしょ。

NIGHTLIFEライブより。



「Flamboyant」(’03)

「Shameless」と同じく、大したこともしていないのに悪目立ちしまくるゴシップ・セレブについての曲。「Flamboyant」は「光り輝く、目立つ」と言った良い意味もあるけど、ここでのニュアンスは「ケバい、ウザい」と言うような、あまりいい意味ではなさそう。どうやらモデルになっているのはデヴッド&ヴィッキー・ベッカム夫妻のようだけど、元々PSBって、スパイス・ガールズをすごく嫌いだよね、見下しているというか。歌詞の中に、イッセー・ミヤケのファッションが出て来るけど、クリスはイッセー・ファンだったじゃん・・・80年代に来日した時、買いまくったじゃん。こういうところに、ただの見下しではない、なにかこう屈折した愛情すら感じる。実際は、けっこう楽しそうとか、カッコイイ〜とか、うらやましいと思う部分があったりしません?

「欽ちゃんの仮装大賞」にかけるサラリーマンを追ったPV。ホントに仮装大会優勝者だそうです。舞台は大崎(すいません、最初五反田って書いちゃいました。ご指摘ありがとうございます)だそうです。クリスがロンゲ金髪でニコニコしているので、別人だと思います。


0

2008/11/26

★PSBセルフ・ゲイな5曲  ランキング/リスト

「ゲイの視点から書いている」とニールが明言する通り、やんわりと、しかし確実にゲイゲイしいのもPSBテイスト。まあ、基本“日本料理における醤油”のように、全ての味付けの基本として入っていることは入っていますから。英国音楽界オープンリー・ゲイの次女(長女はエルトン姐)であるニールはもちろん、自らの性志向を明かにしないクリスですら「曲を聴けばわかるでしょっ、鈍感!」(意訳)と言ったくらいですから、そこはもう、意を汲んであげましょうとも。「セルフ・ゲイ」とは、自分たちをモデルにしているだろうと思えるという意味で。

ちなみにニール自身が選ぶもっともゲイっぽい曲は「Later tonight」。男の子をナンパする曲(実際、ニールたちがデビュー前にスマッシュ・ヒッツの事務所から、下を通るかわいい男の子を見てあーだこーだ言っていたことに発想の発端があるようだ)だけど、歌詞はその気のない人には全くわからないように書かれている。実際、カミング・アウト前の曲の方が、ゲイにしかピンと来ないようなゲイっぽさが隠されているような気がする。

「So hard」(‘91)

シングルでヒットもしたので、比較的知られた歌。でも、内容はお互いに浮気をやめられないゲイ・カップル(実在のモデルがいるらしい)の破局寸前の話。ゲイ雑誌の”交際相手募集欄”で恋人募集したり、同棲しているのに浮気相手を家に入れると言った、末期カップルのゴタゴタが描写されている。
ところで「2人ともタバコは吸わないのに、ベッドサイドにマッチが落ちて・・・」のくだり。ニールとクリスもタバコを吸わないんだよね、しかも、タバコ嫌いのクリスが、知り合って初期の頃、ニールに喫煙をやめることを迫ったらしい・・・彼氏でもないのに?これも合わせると、「自分たちの破局のエピじゃ!?」なんて思わせるのは、うまうまの作戦ですかね?だって、女の子って、男の子たちが仲良くするのを見るのがすごく好きなんだよ、腐女子じゃなくても。

史上最もゲイゲイしいパフォーマンスのひとつだと断言したい、1994年DiscoVeryの男性ストリップ。ニールとクリスはそばに裸の男がいて、よく平気でいられるな〜(楽屋裏でたっぷり見たんだね)。



「Young offender」(’93)

オヤジが若くてやんちゃな男の子を口説く歌。インテリちっくなエロスが漂います。ゲイは30代になると急にナンパ成功率が低くなるようですが、オヤジゲイまたはこれからオヤジ予備軍ゲイの、老後の理想のお手本のようなアグレッシヴっぷりをニールは実践されておられるようです。
歌詞の中の、「読みかけの本を置いてでも君と恋に落ちてみようか?」と誘いをかけるくだり。ワタシはこの”本”というキーワードにすっごくゲイメンのイコンを感じてしまうの。つまり、”本”(多分難しい文学とか哲学書とか)は、ニールっぽいし、ゲイっぽい。だから本来男女デュエットである「What Have I Done to Deserve This?」でも、「君の本を必死で読んだ」という歌詞が出て来るけど、これもゲイ・カップルに思えてしまうのよ。
“Young offender(若き反抗者)“は本を読まない若者で、実際、ニールはクリスにしょっちゅう”読むべき本”を選んであげているらしい。そのほか、モーターバイクやキーボードという単語が、クリスを想像させるのよね。だからこれもクリスをちょっとモデルにしていると思うなぁ。あ、でもクリスは” Young offender “という響きが「たまらんセクシー」って言っているけど・・・。

1999年Nightlifeツアーより。男の子がウェントワース・ミラーにちょい似。ゲイにモテる訳だね。



「lt must be obvious」(‘91)

「僕たちがゲイの恋人同士だって、バレバレみたいッス!」という、ある意味PSBセルフ・ソングか?と疑いたくなる1曲。「We are the Pet Shop Boys」(2003年)もたいがいにせぇよ、な2人がラブラブだったとバラすような歌だったけど(でも作ったのはある意味それを望むファンで、PSBは面白いから採用しちゃった・・・で、ライブのオープニングで手を握って見つめあってこの曲で始まる・・・これは完全にギャグだよ)、まだこれが発表された時は「PSBってゲイ臭いよね」って言われている真っ最中だった。勇気あるよな。まあ、わかるようなそのままな歌詞は出てこないけど、推測することは簡単だよね。そう、想像や妄想が、全てを明らかにしないPSBに残されたお遊び。全て明らかになったら面白くない。そうやって、”2人が付き合ってた“説は都市伝説と化するのです。ちなみにご本人たちは”元彼同士デュオ説“は断固否定するスタンスを貫いております。

美しい曲です。



「Can you forgive her?」(‘93)

体裁としては歌い手であるニールが、ゲイであることを隠して女性と付き合おうとする男をたしなめる歌。でも、これって明らかに、昔の自分へのツッコミだと思う。同じようなテーマは「The ghost of myself」でも扱っている。これを思えば、セクシャリティは選べるものじゃないってわかる。ニールは、選べるのならノンケになりたかったんだと思う。だから頑張って女性と付き合ったんだと思う。マジョリティの方がずっと恋愛がラクだし。ニールがゲイとして堂々として生きている反面、30%くらいは自分が嫌いで自信を失っているように思えるの。ニールがふっ切れたと思われるのは、音楽を目指した時=クリスに出会った時。2人が出会っていなかったら、PSBが存在しないのはもちろん、ニールはマイホーム・パパを演じながら心の中で違和感を抱き続ける隠れゲイリーマンだったと思うよ。ありがとう、運命。そういう意味では、クリスはニールに「あんたは間違いなくゲイ」と、引導をつきつけた、ニール史における最重要人物なんだよ、多分。

PVはドギモでした。だって全身タイツ(タイツじゃないか・・・)だもん!クールな兄貴たちがコスプレするとは思わなかった!!



「The truck driver and his mate」(‘96)

どんなタイプに魅かれるかは人それぞれですが、世間一般のゲイのベタな方の趣味趣向のが、マッチョなトラックの運ちゃんタイプ。果たしてニールとクリスが“とりあえずカラダ”派なのかどうかはわかりませんが、トラックの運ちゃんとその助手という麗しいパートナーシップっぷりにグッと来ちゃったのは確かなようです。しかし、ここまであからさまに、車の中でダンス(もちろんセックスのメタファー)する情景を美しく描いて、俳句を読むように歌っても、よろしいのでしょうか。よろしいのです。シングルではないのですが、デモ盤の幻のジャケは2本のおティンティンの写真でした・・・日本じゃ発禁処分行き。
セルフ、と感じるのはもう一つ、わざわざ歌詞にニールの出身地である“ニューカッスル”を入れていること。ニューカッスルは炭鉱で栄えた町なので、精神的にも肉体的にもマッチョが多勢生息する場所。そんな中で乙女っぽい男は生きにくいんですが、ニールもそういう男たちのいる環境の中で育ったんです。たぶんマッチョたちは心のトラウマ/お宝映像となっていることでしょう。

1996年のSomewhereライブ。観客と近くていいなぁ。



0

2008/11/24

★PSBオネエな5曲  ランキング/リスト

「オネエ」は「ゲイ」とも「乙女」とも違ますから。つまりはキャムプの配合が多いのです。実際この“キャムプ”という単語も曖昧で分かりにくい。なんだろうなあ、「ゲイゲイしい」「クラシカル/ババァ」「端っこ」「ゴージャス」「ベタ」「クドい/しつこい/死なない」・・・ワタシの語学力では表現し切れないけど、映画「プリシラ」(’94)の世界ですよ、つまり。ちなみにアウト・ドアの“キャンプ”と綴りは同じですが、分けるために“キャムプ”と表示されることが多いようです。

ニールとクリスご本人たち個人にキャムプな要素はほとんど見られないにもかかわらず、2人が揃ったPSBとしてはキャムプな要素が化学反応でしばしば生成されるようです。以下の歌は、明らかに“ニール姐さん”がオネエ言葉で歌っています。まあ、基本”ババァ”です。

「Electricity」(’96)

「プリシラ」やはるな愛の“エアあやや”を引用するまでもなく、クチパク・ショーは、ドラアグ・クィーンにとっての得意技。そんなドサ周りのクチパク・ドラアグ・クィーンの一人称で語られるこの歌が、オネエ言葉でないはずがない、一人称は”アタシ”に決まっている(アルバムの日本版のライナー訳では「僕」って、しっかり男っぽいけど)。どっちにしろ、世界で一番女らしい職業(趣味もありか)は間違いなくドラアグ・クィーン。これ以上女らしい種族はありません、戸籍が男だ女だなんて関係なし、自分のことは自分で決めりゃいいんですよ。
70年代のゲイ・ディスコDisco Tex and Sex-O-Lettesを引用しているから、どう見てもババアなんですけどね。あ、ごめんなさい、ニールのことババァ扱いしちゃって・・・ワタシもババァだから。

↓映像は「DiscoVery」と「Nightlife」のライブのマッシュ。



「Friendly fire」(’02)

ミュージカル「Closer to heaven」の曲。ニール・バージョンは「I get along」のB面(ボートラ)に収録。ミュージカルでは狂言回し役で、ビリー・トリックスという落ちぶれたババァのロック・スターが出て来て、これは彼女の持ち歌。キャムプな彼女はどう見てもドラアグ・クィーンの役割。だからこの歌も、極力キャムプにドラアグ・クィーンっぽく歌って欲しい。ドラアグ・クィーンって悲劇のヒロイン的独白が好きっぽいしね。

↓ニール・バージョン。だれかのお手製。



「Numb」(’06)

PSBが22年のキャリアにして、初めて他人に書き下ろしてもらった、いまのところ唯一の曲。書いたのはラブ・ソングの大御所(ババァ)、ダイアン・ウォーレン。嘆いて嘆いて嘆きまくるこの曲、出来た経緯は、ダイアン自身の母親が亡くなった経験に基づいているらしいけど、やたら嘆くのも、キャムプだなぁ。ドラマチックに、悲劇的に。大袈裟と言われても、アタシ、かまわないの!そして、いまはこんなに嘆きの天使だけど、そのうち泣き疲れたら、立ち直るしかなくなるの。そしたらさらに強くなるのよ、オホホホホ。こうやってババァは怖いものがなくなって行くの。

↓2006年のツアーより。シングルのPVもライブでの演出もロシアっぽい。



「In private」(’06)

元々はPSBが1991年にダスティ・スプリングフィールドに書いた曲だが、それから15年後、ニールとエルトン・ジョンのゲイ・デュエットとして「Fundamentarism」に収録。歌の内容は、妻アリの男と不倫恋愛する女性が主人公だけど、この場合「Try it (I’m love with a married man)」の続きみたいなもんだろう。いや、ニールとエルトンじゃそれも違うか。だって、ニールとエルトンは両方とも乙女系だもんなぁ(2人の恋愛は考えられないよ)。
ともかく、ニールが妻アリのエルトンを「それじゃイヤッ」って責めています。面白いよな〜〜ライブでやって欲しいな。

↓ビデオは「ブロークバック・マウンテン」の名シーンを合わせています。状況にぴったりですね。

http://jp.youtube.com/watch?v=TWFnFUF7PlM

「To speak is a sin」(’93)

PSBの事実上のカミング・アウト・アルバムと言われている「VERY」収録。この曲については、はっきりとゲイバーの歌、と言及されているが、男っぽいゲイバーというより、オネエ系を髣髴とさせるものがある。それはなぜかと考えると、ニールによれば、こんなアナクロなゲイバーなんてもう存在しない、と言わしめたからかも。つまり、古い。つまり、キャムプ。滅び行く美、思いを馳せるノスタルジー。う〜ん、イギリスなのに場末の昭和の香りがするわ〜。店主はマスターじゃなくてママ(見た目は男性)でしょ。キャムプとは、廃れつつある人類遺産にも向けられるものなのです。
0

2008/11/18

★PSB乙女な5曲  ランキング/リスト

男性自認の男性なのに女(乙女)ゴコロがわかるのって、まさしく両性具有の全知全能の神じゃないスか。ここではそんな神様レベルにまで達したPSBの曲を紹介。

PSBって、あきらかに精神的マッチョとは正反対のニュートラル・セックスのリリックが特色だよね。歌なんて虚構なんだからたまにはマッチョ(100%ノンケ)があってもおかしくないんだけど、90%以上はグレー・ゾーンから乙女にかかっているよね。そうれはまあ、詞を書いているのがゲイ(っつーか本人曰く“ホモセクシャル”とカテゴライズ)だから仕方がないと言えばそうだけど、決してキャムプに転んでいないんだよ。実際、女性はもちろん、ノンケ男のなかにも存在するロマンチックな乙女心を呼び起こしてくすぐっているんだと思う。

男ってみんな心に乙女が住んでいるんだよね、いや、マジで。選曲がここ最近のものになってしまったけど、男とゲイは年をとればとるほど乙女になるからね・・・女は逆だけど。

「Try it (I’m love with a married man)」(‘03)

もともと女子が歌っていた曲のカバーだから女子っぽいのは当然かもしれないけど、作ったのはボビー”O”、男。PSBはなぜこの曲をチョイス・・・論争になるのが分かっていながらの英断。自らの乙女性に抗えなかったのか、マジでそんな気分だったのか。ワタシはこの曲の邦題は「召し上がれ!ノンケの男に恋してる」でいいと思います。ニールが今までもこれからもノンケ男にマジでムダに恋していくという宣言みたいなものでしょう・・・ニールの場合は作品のこやしになるからいいですけど。

「DISCO3」収録。元歌が古いので、アレンジをちょっと新しくしていますが。



「I made my excuse and left」(’06)

彼氏の浮気、見ちゃった・・・で、さめざめと泣く。女ならこの後どんなヒドい復讐をしてやろうかと考えますが、乙女はそこからなかなか立ち去ることが出来ないのです。過去を振り返り、自分の非を思い巡らす。恋人にも浮気相手にも、文句が言えない。自分を責めるくらいしか、乙女には出来ないのです。
元ネタはジョン・レノンと2人の女(シンシアとヨーコ)というノンケ恋愛ですが、こんなこと、パンピーでも世界で30億人くらいは体験してますから。浮気、ダメ!

↓これは誰かが作ったビデオですが、公式HPでも「よく出来てるね」って紹介されてたことがある。



「Sexy Northerner」(‘03)

まあ、普通に「北部出身の男ってセクシーよね!」って、パブあたりでたむろってキャーキャー言ってるだけのような気もしますが、言っているだけで手を出してないから乙女にカテゴライズ。ちなみにニール自身も北部出身の男なんですが、どうやらこの「北部出身の男」のモデルは、PSBのアート・ワークを長年手がけている友人のデザイナー、マーク・ファロウらしいです。って、長年の友人に欲情しているって、知られてもかまわないものなんでしょうか。今後の仕事に影響ないんでしょうか。乙女ってけっこう回りが見えずに大胆になる時があります。

2003年のリリース・ツアーでのライブ映像。



「Between two islands」(‘02)

夏のバカンス先での短い恋は終わったのに、ついつい思い出してしまうアヴァンチュール。ちょっと切ないです。切ない曲に入れてもよかったくらいです。相手の男は、多分、ヨットも持っているくらいだからお金持ちの遊び人、自分のことなどすっかり忘れているはず、なのに、自分は今でも彼を忘れられなくて、もう一度どこかで会いたいと思っている。遊んだつもりが、本気になっていた。乙女よのぉ。
でも、ヨットの上ではあんなにカッコ良かった男も、陸で会えば多分、普通です、いわゆるスキー場では5割増理論です。あきらめて前に進みましょう。



「Love is a catastrophe」(’02)

ひとつの恋が終わっただけで、そこまで言う?恋に裏切られて、世界が終わったかのような七転八倒の苦しみを味わってしまう。何度恋をしても、まるで初めて恋に破れたかのような絶望感を味わうのも、心はピュアな乙女だから。全ての恋に手を抜かず全力投球、それが恋愛至上主義の乙女、なのです。すでに実在の女性たちがクールで現実的になり、彼女たちから失われた“真の乙女性”はゲイと男にしか存在しないようです。

↓TVライブ。


0

2008/11/14

★PSB切ない5曲  ランキング/リスト

★PSB切ない5曲

PSBの特徴は、たとえアゲ曲であっても、ただの無機質ピコピコ・ディスコではなく、必ず切ない感情が入っていること。まさしく「切なポップス」このジャンル、世界中でもPSBしか当てはまらないかも。なんでこんな切ないのかはわからない!これができるのはニールとクリスだけ。これまで彼らに似た風の音楽はいろんなミュージシャンによって山のように生み出されたけど、決定的にちがうのは、「切ない」が入っているかどうかなの。

PSBには「切ない」曲が多いため、このジャンルはもしかすると日替わりです。聴くたびに変わります。今の気分はこんな感じってことで。さらに度を越した「泣ける」はまた後日。

「Rent」(’87)

切ない!いや、実際この曲には切なさ以外にも、いろいろなもの・・・皮肉、愛とお金と現実、絶望など・・・が入り過ぎていて、最初の予定通りもうちょっとスローな曲だったら完璧に「泣き」だったと思うけど、奇跡的に微妙なバランスの曲になっている。ただ単に愛とお金を秤にかけているだけの歌なら、こんなに切なくする必要はないよね。そこには確実に現実的な愛が存在するんだよね。そして「歌によって何も行動を起こさない」PSBスタイルも健在。とにかく名曲。でもニールって、何で“愛人女性”の気持ちがわかるの?(マーガレットのフェバリットPSBソングの5曲に入ります、この曲は。)

映像は2006年のLive in Mexico。アレンジがいままでのなかで一番いいと思う・・・アコースティック・バージョンも捨て縣いのだけど。ニールも歌い方を20年前とはちょっと変えているらしい。



「E-mail」(’02)

ラブラブ中の切なさ。恋人同士だからって、そこ、ゴールじゃないんだよね。恋してそれが成就しても、「君がいない」ことで寂しい気分が増してしまう切なさったら。「愛してるって、メールくれないかな」というすごくシンプルでダイレクトなメッセージだけど、恋する人間は意外にシンプルなもの。「Home and dry」に通じる癒やし系ソング。ちなみにイントロは「West End girls」の印象的なコードを“切なく”アレンジして使用。

ビデオは「I get along」に付属している、ブルース・ウェバーが撮ったもの。911テロ後のニューヨークを背景にしている。冒頭でゼルダの切ない詩を引用しています。



「Luna park」(’06)

この曲は、ノスタルジックな切なさ。閉まってしまう田舎の遊園地。子供のころ、冬の夕暮れに取り残されて、沈む夕日を追いかけながら家に帰る、あの感覚を呼び起こされる。実際にはこの曲の歌詞は夜の遊園地なのだけど、ヨーロッパの移動遊園地とかサーカスって、なんだかすごく切ないの。楽しいからこそ、その後に来る虚脱感みたいなものかな。アルバムの中の目立たない曲だけど、すごく切ない。

映像は出品者の作ったものですが、曲と合っています。彼はこの曲からなにを感じて映像を撮ったんでしょうかね。



「Saturday night forever」(’96)

土曜の夜って、切ないよね。カレンダー通りでない今の生活でさえ、土曜の夜は特別な時間のような気がする。これもやっぱり、どこかに出かけて行って、楽しくみんなで踊ったり騒いだりして、その後。この楽しい時間が終わってしまう切なさなのかも。この切なさってどうやったら表現できるのかと思っていたけど、まさにこの曲。なぜこのクラビングのテーマを切ない曲にしたのかはわからないけど、2人がクラビングに切なさ(刹那さ?)を感じているのなら、同じ感覚でうれしい。

「Liberation」(’93)

いま横に恋人がいて、手を握ってくれている。そんな幸せの絶頂の中にいるのに、ふと、この愛がいつか壊れてしまうことを考えてしまう。恋した人間の臆病さと、愛の束縛と解放を歌った名曲だけど、これはゴールのないマイノリティな恋愛をし続けている切なさだと思う。法律や周りや社会なんて自分たちには関係ない、と言ってはみても、やっぱりちょっと不安で切ない。その切なさが伝わってきて、切なさよりも一歩進んで、涙が出る寸前かも。ああ、いかん、泣ける。

映像は1994年のDiscoVeryツアーのもの。この白い衣装の時、彼らはPSBじゃなくて“Absolutely Fabulous(アブ・ファブ)”です。このツアーの演出はエロいんですけど、ここはさわやか。


0

2008/11/8

★PSBアゲ5曲  ランキング/リスト

マーガレット・セレクションその2

★PSBアゲ5曲

PSBの特筆すべきアイコニックな点は、「アゲ」。気分を高楊させ、ダンスなんか踊れないハズのシャイでオクテなギーク(ヲタ)やブレイン(ガリ勉)たちでさえも、ダンスフロアの華にしてしまうパワーがある。
踊り、それは人間がまだサルに近かった頃から持っている原始的欲求!ダンス、それは限りなくセックスに近いエクスタシー!たまには何もかも忘れて、ダンスに身を委ねるというのはいかがでしょう。土曜の夜だしね。ちなみにアゲ担当はクリス色が強いです。あえて最大のアゲ曲「Go west」と、王道の皇帝時代を外してみました。

「さあ踊りなはれや、民衆たち!(僕たちは踊らないけどね)」

「New York City Boy」('99)

もしかしたら本国イギリスよりも、舞台となっているアメリカよりも、ここ日本のダンスフロアを席巻しまくったかもしれない。少なくともシングル・チャート上は日本の成績がすこぶるよかった。久々のこのアゲ曲で、21世紀もPSBがダンスを牽引する、と確信させる鮮烈過ぎる登場だった。PVもニューヨークの伝説ディスコ「54」を再現し、老いも若きも、涙と汗とドーパミン大放出。

「New York City Boy」PV。スタジオ54のシーンでは、2人もちょこっと踊っています。



「Paninaro’95」(’95)

この曲がライブでかかれば、あちこちから悲鳴に近い歓声が上がってみんなが正常でなくなってしまう「Paninaro」(’86)のアゲ更新バージョンがよりダンスフロアにふさわしくバージョン・アップ。クリスがメイン・ボーカルを取り、熱いビートとクールな声が見事にコラボレート。ただし、新に加えられたラップ歌詞の悲劇的な内容に気がついて号泣。もういいから泣きながら踊っとけ。

「Paninaro’95」 Discovery Live in Rio 1994 クリスwithマッチョダンサーズ



「Euroboy」(‘93)

「Yesterday, when I was mad」のB面で、アルバム未収録。すごくすごくクリス的、男っぽい、っつーかゲイ・ディスコっぽい。タイトルはゲイ雑誌のタイトルだし。ニールが「君はおニューの恋人が欲しい」と歌えば、クリスが「君は僕の彼氏だった」と返す、ある意味ゲイ・デュエット。これにアゲアゲなサウンドがつくわけですから、ゲイ・ディスコで流行らない訳がな〜い!断言っ。

「Euroboy」「Before」と「Paninaro’95」のPVの素材を使用、かなりカッコイイ

http://jp.youtube.com/watch?v=gktlekaopcU

「Break 4 love」(Fribum & Urik tribal mix)(’02)

“The Pet Shop Boys + Peter Rauhofer = The Collaboration”名義でシングル化された1981年のRAZEのカバー。癒やしの時代2002年に発表された切ないアゲ曲。PSBにとって、久々にアメリカのダンス・チャートでナンバー1になった。というのも、アメリカの名作ゲイ・ドラマ「Queer as folk」のいいトコロで使われて、一夜にして全米ゲイの知られるところになったから。このバージョンは「Queer as folk」のサントラ「Club Babylon」に収録。

「Break 4 love」(Fribum & Urik tribal mix)



「Minimal」(’06)

PSBのアートの基本である”ミニマリズム”に則って、歌詞にほとんど意味をもたない、まさにダンスのためだけにあるような曲。さまざまなDJからシロウトまで100曲を越すリミックス・バージョンがある。やや実験的ではあるけれども、ニールのボーカルを丸ごと廃した、クリスによるセルフ・ミックス「Chris Lowe summer mix」なんてそれの最たるもの。

「Minimal」MV RadioMix



0



teacup.ブログ “AutoPage”
AutoPage最新お知らせ