2007/7/26

「Domino Dancing」はHomoeroticか  Pet Shop Boys

たいていの音楽評(特にゲイ視点)では、「Domino Dancing」(‘88)のPVはHomoeroticと書かれている。

プエルトリコを舞台に、ボーイフレンドのいる若い女性が他の男子にちょっかいを出し、取り合いになるストーリー仕立てのPVだ。PSBの中では最初の、そして唯一とも言える女性主人公をフィーチャーしたPVが、なぜにHomoeroticとして歴史に名を残すのか。

歌詞の内容も、ビーチであまりに目を引くセクシーな彼女に、男たちがバタバタとドミノのように倒れていく様子を嫉妬する男の、極めてノンケな内容である。ちなみにこの曲が作られた経緯はとういと、バカンスでサンタ・ルチア島を訪れていたPSB&Pさん(PSBのアシスタントで、クリスの恋人・・・当時は付き合う前かも)、クリスとPさんは毎日ドミノ・ゲームに興じていて、必ずクリスは負けていたようだ。その時にPさんが踊っていた勝利のダンスをクリスが「Domino Dancing」と名づけたらしい。
アメリカのべあ〜さんこと、ゲイのファン代表ウェインさんの解釈では、「バタバタ倒れる男たち」は「エイズ・クライシス」のメタファーだと解釈している。これはまあ、後付けだと思うが。

今でこそPVなど表現の自由も解禁され、マリリン・マンソンなぞ最新PVで現在の恋人と裸でイチャイチャするPVを作っていたりする。1988年頃は確かにMTV全盛時代でだれもがPVを作っていたけど、あまりにもセクシーなものは規制があっただろうし、意味のありすぎるものは多分プロモーションにはマイナス効果で、水着のおねえちゃんが意味なく出てくる程度のゆる系が主流だった。だから政治や社会、プライベート、セクシャリティに及ぶものは希少で話題になった。

「Domino Dancing」も話題になった。ちょうどPSBがゲイではないかといわれていた頃だ。そんな噂を否定するかのようにノンケのPVを作ったら、見事、Homoeroticと話題になった。でも、いったいどこがHomoerotic?ラスト、2人の男が喧嘩して取っ組み合う場面だけでしょ、しかも女を取り合ってんのよ?それだけこの時代、ゲイの人たちはTVで男同士の“抱き合う”映像が流れることに飢えていたのかしら。

ただ、残念なことに、このPVがHomoeroticだとされたことで、ホモフォビアの人が多いアメリカでのPSBの人気が急に冷めてしまったのも事実だ。「PSBってゲイだったの?ヤダヤダ」ってか?

ニールは前にこう言っていた。「このPVを見て、ノンケの男は美女の胸の大きさのことばかり言う。ゲイの男はラストシーンのことばかり言う」と。もしかしたらリトマス試験紙になるかも?

ちなみに私自身はあまりこのPVが好きじゃない。主演の美女はただのずるいオンナで、多分同性から嫌われるタイプだ。曲も、”初めてのラテン系“だったけど、ワタシは英国っぽい冷たい曲が好きなので・・・。

Homoeroticかどうかは、PVを見て確かめてください。胸か、ラストシーンか。
夏にぴったりの、裸度の高い映像です(まあ、N&Cはきっちり着ていますよ)。


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