「ショウタ!今日は保育園よ」
そういうと、慌てたようにショウタは自分を指差し、
今度はその指を立て、こちらに何かを伝えようとする。
「ぼく、ひとりでいく」
という表現だ。
3月の中頃からか、ショウタは一人で登園すると言い出した。
重い荷物を持って、リュックを背負い・・・。
心配だから着いていこうとすると
「帰れ」
とゼスチャー。
わかったわかったと言い、帰ったふりしてコッソリ着いていく。
前から車が来ても、サッとよけようとはしないショウタ。
でも、親としては、この後ショウタがどう反応するか見届けたい。
当然、運転手さんにはご迷惑をおかけすることになるけど。
車がよけてくれたり、止まってくれたり・・・(苦笑)
反応が良い時は、サッと道の隅によけるのだけど、そうでないときの方が多いかも。
そのくせ、心配してこちらが顔を出し、
「ショウタ、車!」
と言ってやっても、
「帰れ」
と返してくるだけで、車のことは気にしていない・・・(汗)
もう30年以上前のこと。
私は妹と登園していた。
ある日のこと、私はなぜか一人で行きたくなり、
家を出てまだそれほど行ってないところで、妹に「ついてくるな」と言いだし、
一緒に行きたがる妹をそこに放って、一人で行こうとしたことがある。
それを思い出した。
幸い、その時は知り合いのおじさんが通りかかり、事を収めてくれた(親に連絡してくれた)。
ショウタも同じだ。
犬の散歩をしている近所の人が、一人で歩くショウタを見つけ、私が後ろからコソコソ着いてきていることに気付きながらも知らぬ顔して、ショウタの登園コースを一緒に歩いてくれたり、また別の人は、ショウタの姿が見えなくなるまで、ジッと見送ってくれたり・・・。
本当に皆にやさしく見守られながら、ここまで来れたんですね。
ショウタの保育所の門を入ると桜の木がある。
何日も前から、ショウタが卒園する頃には花も咲くかな・・・
なんて思いながらみていた。
ショウタと最後にその木の横を通る時、
残念ながら、つぼみはいっぱいに膨らんではいるが、
一輪の花も咲いてはなかった。
花は新しい入園児を待っているんだろうな・・・。
そんなことを思いながら、保育所を後にした。
子育て日記
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