
ルーツを巡る旅といっても最近話題の、遺伝子の話で、日本人はどこから来たか、モンゴロイドとコーカソイドの別れたのは何時で、ミトコンドリアのDNAをたどって、全人類が7人の女性の子孫であることを突き止めたとか言う話・・ではない。
音楽のルーツの旅である。それもごく個人的な・・・。
渋谷のサックス専門店、池辺楽器=ウインドブロスは、こんな楽譜本があったらいいなと思う僕の気持ちをいつも解ってくれるかのように、望みの本が置いてある店である。
つい最近またそのような本、まさに僕のために作ってくれたんだね?という本を遂に見つけた。その本の名前は「クラシック名旋律全集」(ドレミ出版)。
自分は、ジャズの勉強を長年してきたので、この楽譜のように、クラシック作品に、全てコードが記してあるのは非常に有り難い。
美しいメロディは、どのようにして生まれるのか、どうしてあのようにシンプルで、単純なコードから、人類の永遠の宝であり、これからも未来永劫財産であるようなメロディはどこから生まれるのか?まったくもって神秘ではある。
この本は、タイムマシンでもある。この本のほとんどの曲500曲が、知っているばかりか、コード進行を含め、ほとんど記憶している音楽であることに気が付いた。
そうか、あまりに昔のことで忘れかけていたけど、僕のルーツはクラシック音楽であったなぁ・・と。
アルビノーニのアダージオ・・・ロドリーゴのアルハンブラと並ぶ悲劇的メロディ、最近では、サラブライトマンの歌が気に入っていた。
アンダーソンは解りやすい子供向けの作曲家に思われているが、古き良きアメリカを思わせるタイプライターや、ソリ滑り、楽しいトランペット吹きの休日はいい。タンギングが忙しく、休日とはとても思えない所がよい。(笑)
ヴィバルディの四季のテーマは、良く覚えている。昔はバロックが大好きで、NHKの朝の時間の「バロック音楽の楽しみ」は良く聞いていた。
ウエーバーのオベロン序曲や、スーザの行進曲の数々、旧友、星条旗よ永遠なれ、士官候補生・・等は、中学生、高校生だった自分が一瞬にして甦る。
野球の応援や、コンクールで演奏した、リムスキーコルサコフのシェヘラザード組曲など、今でも情景が一瞬で思い出せる。秋田高校は、吹奏楽コンクールで県大会で優勝し、東北大会まで駒を進めたのだった。
エルガーの愛の挨拶は、現在フルートで愛奏曲だが、行進曲威風堂々も独特の威厳と哀感があって好きだ。
ガーシュインは、ジャズのスタンダード曲もたくさん書いた天才だが、ラプソディインブルー、やはりアメリカのよき時代、そして日本の30年代、高度成長時代も連想させる。
クライスラーのバイオリン曲はフルートで良く練習した。グリークのペールギュントは、面白いメロディが多い。オーゼの死は悲しい。アニトラの踊りのエキゾチックな事よ。ピアノ協奏曲のAマイナー、ミ〜ファソファミ、ミファファソミ〜は特徴があり、一度聞いたら忘れられない。
グローフェは、ガーシュインのラプソディインブルーのオーケストレーションを請け負い、1週間で完成させた男。
サティ、サンサーンス、そしてワルツ王ヨハンシュトラウス父子である。ピツィカートポルカ、美しき青きドナウ、皇帝円舞曲、などなど、譜面をなぞると、全部知っているメロディとコードなのにはびっくりだ。
シュ−ベルト、ショパン、チャイコフスキーなども美しいメロディが多く、書ききれないが、このような素晴らしいメロディとコード進行は人類の遺産として何時までも人々に心の栄養と創作をするものにとっては霊感を与え続けることだろう。
神の深みを持つ音楽バッハや、情景描写に天才を発揮したビゼーの音楽など、マーラーのシンフォニー、イタリアオペラの事もまたの機会に・・存分に語りたいものだ。
それにしてもコード付きクラシックの楽譜というアィデアが素晴らしいとおもう。我々ジャズ屋には、見ただけでサウンドが浮かぶのが有り難い。
--------------------------------------------
さて、月曜には、大阪のライブでお世話になっているジャズオントップのママ、清水ひろみさんの東京ライブがあり顔を出してみた。場所は代々木NARU。お茶の水NARUは行ったことがあるが、ここは初めて、コンパクトで良い店だ。
バイオリンの名手里見紀子さんと、ピアノの井上ゆかりさん、なかなか良い音楽だ。ひろみさんの歌伴で2曲遊ばせて貰った。感謝。
写真は、左から井上ゆかりさん、清水ひろみさん、里見紀子さんと私、55歳には見えない?!

1