
年末はパーティの季節である。キュリアンでコンサートで活躍した某歌手氏などは、地元の名士でもあり、年末までほぼ毎日パーティが入っていて、アルコールの海を漂っているらしいが、先日は、倫理法人会という団体のクリスマスパーティで演奏してくれと言うことで、目黒雅叙園へ。
ここは、20数年前に自分が結婚式を挙げた場所でもあり、ウィキによると、最近だけでも経営者が数回代わっている。パーティでは120名以上の参加者には、国会議員の小泉チルドレンとしても有名な佐藤ゆかり氏や、目黒区の青木区長、雅叙園社長などの顔も見えていた。
演奏は、愛川聡(gt)、Rinda ☆(perc)による、KOSEラテントリオの面々。お客様は名刺交換や会話に忙しく、聞いている人と、会話に夢中な人でごった返し、ざわついていたが、サンバ東京横浜やサンバデオルフェなどで盛り上げると、拍手の反応は凄く、CDも売れて、みな良く聞いてくれていたことが解る。年末はもう数回パーティでの演奏が予定されているので楽しみである。
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昨日は、高校時代の1級後輩で、アマチュアトランペット奏者I氏が参加する、吉祥寺フィルハーモニーオーケストラ創立15周年記念演奏会のために武蔵野文化会館へ。
吉祥寺は昔住んでいた町でもあり、懐かしさを覚えながら五日市街道を走るバスに乗る。会館の大ホールは1000人以上入る素晴らしい場所だ。こう言うところでコンサートやりたいなぁ・・・。
さて演目は、メンデルスゾーンの3番シンフォニー{スコットランド」2部は、ヨハンシュトラウスの喜歌劇「こうもり」である。いつも思うのは、この膨大な楽曲の複雑さと長さである。これを30代までに5曲も書いて没したメンデルスゾーンだけではなく偉大な作曲家たちの頭の構造はどうなっているのだろうか?音楽と数学の類縁関係はいつも指摘されることだが、作曲家はまさに建築家であると思う。緻密な力学計算は、和音や対位法、モチーフの展開の技術であり、優れたデザイナーとしての面、アーティストでもあるというところが似ているのだ。どんな地震にも倒れない、機能的でありしかも芸術的であることを求められる、音の建築家だ。
そして実際の演奏は、楽譜を読み取る職人である楽士とそれを束ねる指揮者は、土木建築作業員と現場監督と言ったところか?(笑)この日の土木建築作業員の皆様はアマチュアながら楽しんで音楽を構築されていて、とても楽しめました。
更に楽しかったのが喜歌劇(オペレッタ)の方である。西洋のパーティを日本人がやると、ドレスといい、シルクハットや燕尾服といい、鹿鳴館のようで、日本人オペラ歌手たちの登場も何か違和感を最初は感じたが、物語が進むにつれ、その世界にはまると楽しくなってきた。
モーツァルトのフィガロもドンジョバンニもそうだが、旦那様の浮気がばれた話や、多くの女性をものにしては捨てていく話などなど、下世話なものが多い。こうもりも、主人公の裕福な銀行家のアイゼンシュタインは、金時計をちらつかせながら、いろいろな女性を口説いて浮気を楽しんでいるのだが、仮面舞踏会で、自分の妻と気がつかず、口説いたあげくに、金時計を取られて、あとで浮気の証拠にされるが、奥様の方も、元彼を家に連れ込んで・・・とまあ、ご苦労様なお話なのだ。(笑)
歌有りお芝居有り、演奏も楽しく、テレビもラジオもゴシップ週間雑誌もない、この時代のエンターテインメントだったのだなぁ(笑)と存分に楽しみました。
台本・ナビゲーターの黒瀬史織さんの日本語解説も楽しく、こうやってオペラを日本に紹介してくれるのはとても良いことだと思いました。アイゼンシュタイン役の前田進一郎さん始め歌手の皆さんの歌唱演技も素晴らしいものでした。ワルツの王様シュトラウスの音楽も通俗的と言えばそうだけど、とてもすばらしく、I氏に挨拶と俺を述べて、良い気持ちで会館を後にした事でした。

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