今日は、車を借りて都内を回る機会があった。もう車をやめて数年になるが、山手線内の駅(目黒)から徒歩二分の場所に住んでいるので必要は感じないで暮らしてはいる。が、しかしいざとなると20数年の運転歴があるので、運転に不自由はしない。
頼まれた荷物を運び終わると、せっかく借りたレンタカーなので二人で都内をドライブ(死語?)してみた。目黒から白金、三田を通り、赤羽橋から東京タワーを右に見て、神谷町、虎ノ門、霞ヶ関と首都主要部を通過しながら、皇居へ向かう。井伊直弼が水戸藩士に暗殺された桜田門を右に折れ、皇居の二重橋へ。〜ああ、ここが二重橋、記念写真を撮りましょう〜島倉千代子か?(笑)
大手町、気象庁前を過ぎても桜の開花は観察できない。だってあの辺は松林ばかり。九段に出でると、靖国神社は近い。ああ、多くの英霊の犠牲によって今の日本の繁栄はあるのだけれども、あまりにも暗いニュースが多すぎる。せめて一人一人が、責任を持って心に平安と思いやりを持って生きていたい。
千鳥ヶ淵を左に見て三番町のあたりへ抜ける道は桜が満開だ。車を止めて見たかったけれども、そういう輩を見張る警察官もちゃんと配備されて居るので断念。桜でも微妙に違う色合いの色々な種類の桜が咲いているのが見て取れた。次回は時間を作って歩きに来ることにしよう。
帰りにある輸入家具屋に立ち寄ったときのこと。イタリア製の素晴らしいソファー、テーブル、椅子、絵画、置物、彫刻、等の家具にうっとりしながら店内を見て回っていると、不思議な絵の一群に出会った。
ダビンチのモナリザ?でも微妙に表情が違う!まるで17歳の少女のような初々しい少女のモナリザだ。不思議に思って見回すと、ラファエル、ミケランジェロ、クリムトなどの有名な絵の模写なのだが、下手な美大生のような物もあれば、なかなかと思わせる物もある。
一番の傑作はキリストと12使徒だった。あの敬虔な雰囲気は全くなく、キリストも、12使徒もジャズを聴いているようなファンキーな表情をしているではないか?中国の模造品だという。偽物と分かって楽しめばいいのだ。
ふと思ったのは、日本のジャズ、そしてクラシックも、本場の人から見たら、巧妙な(または下手な)贋作に見えるのでは?ということ。霊感でほとばしるように創作されたオリジナルと、それに近づこう近づこうとして努力した亜流、贋作のエネルギーの違い。西洋人が西洋の土壌で創作した物を東洋の土壌に移植?肉食人種と草食人種の感性の違いか?
だけど、作曲や演奏って、他のアートもそうだけど、95%の伝承、模倣と 5%の創作(オリジナリティ)と言われている。実際はもっと少ないかも知れない。最近さらっているJ.S.バッハのパルティータはフルート用の独奏曲だが、枯れ葉やフライミーのコード進行と同一の物が入っているから、たぶんこれらの曲は贋作ではないが、バッハにインスピレーションを得ている、またはバッハが源流とは言えるだろう。
バッハは知れば知るほど大好きな作家だが、頭脳構造はジャズミュージシャンのように感じる。いや、ジャズミュージシャンはバッハのような頭脳的なタイプが多い?実際ジャズ屋にはバッハ好きは多い。
拙作「My spanish key」のサビ(ブリッジ)も似ているし、パルティータ=枯れ葉=フライミー=All the things you are=「My spanish key」サビという図式が成り立つ。
日本のジャズ、そしてクラシックも本当にオリジナリティを持った人は少ないけど存在する。僕も、アメリカ人と演奏すると、KOSE は誰にも似ていないプレイをする・・と良く言われる.
いままで何十年もいろいろなグレートな人達を真似してきたけど、誰それそっくりになりたいと思ったことはない。色々な影響を独自ににブレンドして、武光徹さんおように、日本発の、世界の人達が真似をしたくなるような曲、演奏を創作したいものだ。
写真は千鳥ヶ淵の桜と、ダビンチの最後の晩餐である。

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