無事戻ってきました。秋田ショートツァーは楽しかった。まず、19日に青森空港から
大館ホテル泊、翌20は、北秋田市(旧鷹巣町)の我が母校、鷹巣中学校を訪れ、西直樹(p)、Rinda ☆(perc)と共に3人で演奏。曲は、いつもの、オリジナル曲に、ショーロ、スタンダードの数々。
興味津々の300名の、生徒達は、都会にいるような擦れた感じではなく、純真な目と耳で我々の演奏に集中する。この子達の親たちだって私より年下だろうという子供達の前で演奏するのは楽しい。こみ上げる涙が溢れて困るという事はなかったので(笑)、一安心。
鍋っこ遠足(鍋と食材を持参して、自然の中で食事を作って食べる)の日でもあり、きりたんぽ鍋を職員室で頂く。夕方、鷹中吹奏楽部を訪問。例によって、8割は女性だ。どうして吹奏楽は女性のクラブになったのだろう?俺たちの頃は男が8割だったのに・・
コウモリ序曲を鑑賞した後、Rinda ☆の楽器(パンデーロ)紹介レクチャー、西直樹の一口ジャズピアノ講座に続き、黒いオルフェをフルートで3人で演奏、ステラを私のサックスと西直樹のピアノで演奏。西、音がでかすぎる、俺を消すつもりか?(笑)などと楽しく演奏(笑)。
ジャズなど生演奏で聞いたこともない子達はどう思ったことだろうか?たぶん衝撃となっているはずだ。
翌日10/21は今回の主目的、北秋田市文化会館自主公演事業、「菊地康正サックス、フルートコンサート」である。600人の中規模ホールが、埋まる埋まる。実数で400名の集客だった。ステージから見るとほとんど埋まっているように見える。
この日の集客には私の実弟菊地秀旺(ひでお)の功績も大きい。彼一人で230枚のチケットを販売したのは凄い。実際はその内の半分くらいしか来ていないという事だったので、一般のお客も多かったと言うことだ。彼は、このコンサート自体の発案者であり。現市長に企画を持っていって、承諾させたのも彼の功績である。
この日は、オリジナル曲を多く演奏、お客の乗りもだんだん盛り上がり、喜んでもらえたようだ。母や、母の姉妹、親戚、学校時代の恩師、昔の同級生、同窓生も多かったが、一般のお客様も多かった。自分も含めて、今までのベストの演奏が出来た気がしている。
旅で、逆に時間があり、フルートのウォームアップにも充分時間がかけられたのと、最近工夫して削って今までの最高のコンディションを生み出している、テナーサックス用のリードの調子(バンドレンV16)の調子がいいのも原因の一つ。また相性のいい、気心の知れたメンバーと演奏できているのも楽しく良い演奏が出来る要因だろう。
この場を借りて、市の文化事業として我々を招聘してくださった北秋田市長、岸部さん、中学校の佐藤校長、他たくさんの方々のご厚意に感謝します。有り難うございました。もちろん来て下さったお客様、バンドメンバーもお疲れさまでした。以下当日のプログラムから曲目解説。
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第一部
1. I hear Rhapsody
スタンダードナンバー。ライブはいつもこの曲から始める、挨拶曲。単純なコー
ド進行から無限にアィデアが湧き上がってくる。
2.A felicidade
フェリシダージ、ブラジルのボサノバ創始者のアントニオ・カルロス・ジョビン
の名曲。悲しみは果てることはなく、幸せは消えてしまうもの・・・貧しい人達
が、カーニバルの一夜のために、一年中働き、海賊や、コックの衣装を買い、三
日三晩踊り、そしてまた次のカーニバルのために働くという姿を描いた曲。フェ
リシダージとは幸せの意味。
3.Airgine
エアジンは、アフリカの国、ナイジェリアを逆に読んだ音楽家独特の言葉の遊
び。アップテンポの、ジャズの即興演奏のスリルを楽しんで下さい。
4.Manhattan illusions
マンハッタン幻想・・。16年前に滞在していたニューヨークの夜景のイメー
ジ。菊地の才能の凄いところは、なんとニューヨークに行く前にこの曲を作曲し
ているところだろう。
5.Eternal Lover
エターナルラバーは現在でも演奏し続けている、20代の時の作品。さすがに、
青い青春という若者の香りのする曲。フルートでお楽しみ下さい。
6.Minha Flauta de plata
私の銀の笛も、ブラジルの古典音楽ショーロの作品、激しいサンバのリズムで。
7.I'm afool to want you
貴方を忘れられない馬鹿な私・・・切ない、男泣きの世界をどうぞ・・。
8.Tales of the country
望郷。都会にいて思うのは、いつも懐かしい父母と故郷のこと。望郷の思いを曲
にしてみました。
第2部
1.Spring wind (春の風)
菊地オリジナル曲。旧作「サックス・マシーンズ」より、爽やかなボサノバナン
バー、なんと30分で作曲した曲。過去の切ないロマンスの記憶と、湧き上がる
未来に向けての希望を表現。
2.My Spanish Key(スパニッシュキー)
菊地オリジナル曲。アンダルシアの大地、スペインの情熱と、カリビアンなダン
ス、お祭りの雰囲気を表現、暖めていたアフロ、スパニッシュなモチーフに、ダ
ンサブルなブリッジを足して完成した曲。
3.Everything(エブリシング)
ご存じ、J-pop の女王「Misia」の大ヒット曲。歌も良いが、サックスで切々と
歌うこの曲は、アルバムでも一番の人気曲。恋の気分にひたって下さい。
4.Spain(スペイン)
世界的なピアニスト、チック・コリアの代表作品。いかにもスペインの感じが出
ている。菊地はフルートに持ち替える。
5.Nella Fantasia(ネッラファンタジア)
イタリア映画音楽の巨匠、エンヒオ・モリコーネの作品。地中海のコルシカ島の
暑い日差しを感じて下さい。
6.Iara(水の精)
ブラジルの、古い作品。ショーロと呼ばれるブラジルの古典音楽には、古さを感
じさせないモダンな楽曲が多いがこの曲も、60年以上前の作品とは思えない美
しい佳曲。
7.Water is wide(広い川を渡って・・)
アメリカのフォークソング。大意は、「ミズーリ川は、広くて深い。そこを通
る、蒸気船の船底には、多くの荷物が積まれている。私は、一艘のボートが欲し
い。そして、愛する人と、一緒にボートをこぐの。愛する人と一緒なら、どんな
に広い深い川でも、渡りきってみせる。この川よりも私たちの愛は深いのだか
ら・・・」菊地の愛奏曲の一つ。
8.サンバ東京横浜
菊地オリジナル曲。この曲も1時間で作曲された。軽快な中にも、楽しさと悲し
みが込められている。いつもフィナーレはこの曲。
アンコール
Danny Boy
ダニーボーイ。戦争に行って死んでしまった息子に父が切々と歌う追悼の歌。テ
ナーサックスとはこれだと言う演奏を味わって下さい。

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