今日はちょっと専門的な話。サックス吹き以外の方は、そんなもんかいなぁ・・とお読み下さい。(笑)
楽器のメンテナンスは、いつも大事。今日は懸案だった、右手のサムフックの調整と楽器全体のバランス調整を依頼している、長津田のブレーザーシュトラッセ(管楽器修理)へ。
楽器本来の親指の位置だと、どうしても手が疲労するのと、僕は親指の横幅が大きいので、その分のスペースを取らないとどうしても快適とは言えない。関西ツァーの間も音は気に入りつつ悩んでいた。
結局愛器カイルベルスSX90ブラックニッケルRのサムフックの位置は写真の様になった次第。ラッカーのかかっていないところが白く残っているので、上に1センチ、左に5mmほど移動させた。そしてフックはわずかに、右に傾けて有るのが解るだろう。
これで、左右とも親指は、グラナディラの木の素材で揃えた。このサムフックの素晴らしさは、吹いた人でないと解らない。クラリネットのように木管のサックスというのは、想像するしかないのだが、金属製の楽器ながら、かなり木管の響きに近づくのだ。音の質感、きめの細かさに、木管の柔らかい響きが加味されて、楽器を吹くのがいっそう楽しくなる気がする。ちなみに、制作は、渋谷ウインドブロスの渥美氏である。
http://www.rakuten.co.jp/windbros/609314/609480/

参考までに私のアルトのサムフックの写真をご覧頂きたい。これも純正ではなく、ピーターポンゾールのメタルのサムフックだが、矢印が本来の穴の位置を示している。と言うことは1センチ以上、上にまた5ミリほど左に、持ってきていると言うこと。この台座は半田付けなので、比較的自由に場所が移動できる。決まった場所で動かせないと思っているサックス吹きの皆さん。やってみる価値はありますよ。自分が快適になれば、それだけ楽器に気を取られずに音楽に集中できるというものです。
さらに参考までにグラナディラは非常に堅い木材であり、又成長が遅いことでも知られている。何と使えるようになるのに100年はかかるというのである。いま材料不足に悩むセルマー社が、植林しているらしいが、それを使うのは我々の孫の孫の世代かも。高価なのもうなずける。


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