
昨日は、六本木スイートベイジルで、原久美子メモリアル・インナーギャラクシーライブに参加。10日金曜日に新幹線で名古屋入りしてレッスン、翌11−12は大阪で朝から晩まで、目一杯レッスン、少しだけ息子夫婦宅を訪問すると、昨日は、帰京して、自宅に帰らずに、六本木へ。
原久美子は、素晴らしい歌手だった。そして素晴らしい女性だったと思う。彼女を追悼するこのような集いに参加できて幸いだ。彼女のこと、そして昨日の素晴らしいコンサートを思い出すと、涙が止まらない。
このバンドに参加すると言うことは、日本のジャズの歴史、自分の音楽の歴史を振り返ることに他ならない。
バークリーから帰ってきて、高橋達也と東京ユニオン(当時随一のビッグバンドのひとつだった)でサックスを吹いていた三木敏悟氏はその作編曲の才能を生かすべく、インナーギャラクシーオーケストラを結成した。当時のジャズ界、スタジオ、クラシック界の錚々たるメンバーに、25才の僕は、我が師匠松本英彦(ts)の推薦で、極度の緊張の中に、オーディションを受けたのだった。その顛末は、今回のアルバム「My Spanish key」の推薦文に、敏悟さんがかいてくれてているので、ぜひ読んで欲しい。
http://kose-sax-flute.jp/tape_notes.htm
思い出しても、リズムには、ピアノの今田勝さんや市川秀男さん、菊池ひみこさん、ベースの古野さん他、トランペットの吉田憲司、中沢健二さんなど、日本のジャズ界スタジオ系の主立ったほとんどのプレーヤーと顔見知りになることが出来たのもこのオーケストラのお陰だ。(感謝)
更に、三木さんのジャズ理論講座に3年間通って学んだことは現在の自分の音楽の屋台骨の核であり、彼無しに本をこれだけ書くことはできなかっただろう。(感謝)
フルートの西沢さん(現在フェリス音楽大学教授)も、僕のフルートの先生であり、彼無しに今の僕のフルートプレイはあり得ない。(感謝)
昨日隣で吹かせてもらった、長老高橋達也さん(ts)は、最初師匠松本英彦に紹介してもらったが、その紹介で加入した、ドラムの海老沢和博さん(drs)(現在ジャズ歌手の伊藤君子さんの夫君)のベイブリッジというバンドに紹介してもらったことがメジャーな仕事への足がかりとなっているので、考えてみると、大恩人ばかりのなかで演奏させていただいて、光栄でもあり幸せだった。
で、なんと言っても村上秀一さん(drs)、まさに天才だ。この生き生きしたリズムを叩ける人は、他に見たことがない。84年の拙処女作「Eternal Lover」では共演させてもらっているが、その素晴らしいグルーブは今聞いても全く古くないし、矢沢さんのツァーで数ヶ月ご一緒させてもらったことは、一生の財産だと思っている。大将に頼まれて無理矢理叩いたコンガは、「コーセー、おまえ本当に打楽器のセンス無いね?」と言われてショックだったが・・・
最後の、When a man loves woman では、この素晴らしいリズムセクションと楽しく演奏できた。250人の客席は満杯だった。市原悦子さんの素晴らしい詩の朗読も聞き物だった、昨日来た人はラッキーだった。
譜面が確かに難しいのだけど、その譜面が書き上げられたときから演奏しているので、実家に戻ってきたような快適さで、何の問題もなく演奏出来たのだった。素晴らしいリユニオンコンサートに参加できたことを感謝して、天国の原久美子さんの冥福を祈りたい。
聞きに来てくれた野田ユカさんの日記にもレポートがあります。
http://note2.nifty.com/cgi-bin/note.cgi?u=BXJ01217&n=6601

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