2018年9月12日
愛媛県知事 中村時広 様
原子力行政を問い直す宗教者の会
2018松山全国集会 参加者一同
代表世話人
長田浩昭(真宗大谷派)
岡山 巧(真宗大谷派)
大河内秀人(浄 土 宗)
内藤新吾(日本福音ルーテル教会)
申 入 書
私たちは会の設立以来25年間に渡り、全国の異なる宗教者や市民と共に、「いのち」を愛し尊ぶ共通の思いを基軸に、それに逆行するこの国の原子力推進行政の動向を憂慮し、そこからの脱却を久しく訴えてきました。力及ばず、2011年の福島第一原子力発電所の過酷事故を防ぐことはできませんでした。が、今なお拡大継続中の同事故の被曝の実態を知るにつけ、この国の事実上の終焉を意味するであろう、さらなる原発過酷事故を許してはいけない、その誓いを込めて、今般松山をメイン会場に2018松山全国集会を開催しました。
そこで、伊方原発です。同原発は、その立地段階から事業者の住民への金や分断工作を経て、海を奪い、強引に建設が進められました。ところがこの佐田岬半島沿いには、超巨大な中央構造線はじめ幾多の活断層が存在し、南海トラフ巨大地震の不安にも苛まれています。2016年の熊本大地震は、その主因となる活断層や過去の阿蘇山の噴火活動からも、同原発の過酷事故をリアルに思い起こさせるものになりました。また、その立地環境からも、住民避難計画がほとんど機能しないであろうことも容易に想像されます。
かかる強い懸念から、住民は最も早い段階で設置取り消し訴訟に臨み、1992年の最高裁棄却判決まで、歴史に足跡を刻みました。そして今、福島事故後の情況を憂慮する周辺住民によって、複数の差し止め訴訟が提起されてました。昨年12月には広島高裁によって、本年9月末日までの期限付きとはいえ、3号機の差し止めを認める仮処分決定が出されました。これを含め、周辺各地で差し止め仮処分を求める闘いが続けられています。1・2号機が廃炉になった今、四国の原発ゼロが視野に入ってきました。これは一地方の問題に止まらず、この国の国策の過ちを糾しつつ、未来の「いのち」を救っていく道筋だと確信するものと考量します。
伊方原発ゲート前では、福島事故の毎月11日に座り込みが続けられています。私たちは昨日現場を訪れ、地元住民と交流する機会を得ました。そこで、福島の今と今後を見据えながら、「いのち」を守る行動の必要を新たに確認することになりました。
そもそも貴職は、県民の不安を除き、未来に渡って「いのち」を守る立場のはずです。それらをまずは踏まえ、伊方原発を取り巻く状況を賢察され、勇気ある決定をされることを願い、以下の申入れを行います。
1.巨大な活断層である可能性が高い中央構造線の上に位置し、近い将来必ず起きるとされる南海トラフ地震の影響を受ける原発として、さらに、避難計画が成り立たない現実を直視し、四国電力に対し、伊方原子力発電所3号機の廃炉を即刻求めて下さい。
2.その上で、使用済み核燃料の責任ある管理を要求してください。
以上
●連絡先 事務局 兵庫県篠山市中野155 法伝寺内
sewanin@mukakumuhei.net

0