福島原発事故の3カ月後に脱原発への政策転換を決めたドイツと、過酷事故の当事者でありながら推進、さらには輸出をめざす日本。「なぜドイツにできて、日本にできないのか」という疑問を胸にドイツに渡った坂田雅子監督によるドキュメンタリー映画『モルゲン、明日』を、ある環境ネットワークが主催する上映会で観た。
軍国主義、全体主義に突き進んだ過去を徹底的に反省し、60年代以降の学生運動、市民運動を通して、自ら考え行動し、社会を変えていく手応えを得て、良い社会をつくり、未来に手渡す責任として民主主義を実践しているかどうか、その答えを明確に伝える人々の声に、大いに鼓舞された。
しかし、自然エネルギー事業者と環境活動家による上映後のトークでは、その本質が語られることなく、どうすればみんなが楽しく受け入れやすい環境活動ができるかという話が展開し、まさしく両国の違いを見せつけられる空間を体験した。

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