日本の老人は、平均2000万円以上(少し前までは3000万)貯金をため込んでいる。経済循環のためにそれを吐き出させろ。なんて言われていますね。一方、日本の貯蓄率が高いのは、福祉が整っていないからだとも言われてきました。
「自己責任」というのが好きな人々がそういう社会を仕切ってきたという面もあります。そういう人たちがつくっている社会システムが、富を集中させ、労働の格差を拡大し、切り捨てられた人々に「自己責任」というあきらめを押し付け、黙らせています。
お金がなければ誰も助けてくれない社会の中で、貯蓄などという余裕もなく、あったとしても金融資産がいつの間にか消滅し、支えてくれる若い人も貧困にあえぎ、人間として尊厳をもって生きることすら難しい不安の中で生きる老人はたくさんいます。
私も日本の熟年・老人の一人として、資本主義という金権バトルの社会を変えることができず、有形無形の社会資本を築くことができないばかりか、倫理や理性(今の政権や文科省が言う道徳ではありません)を後退させ、日本社会を構造的に弱者を痛めつける暴力装置にしてしまった責任を痛切に感じているところです。

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