一昨日、区内の図書館の司書さんたちが訪ねて来た。ニュースレターに区内のスポットとして、市民立発電所のある寿光院を紹介するためのインタビューという名目だったが、さすが司書さんたちで、田中優さんの本や講演なども触れ、問題意識も深く真面目に考えており、足温ネットを中心とした私たちの取り組みと、これからのエネルギーについていろいろ尋ねられた。
原発やダムの問題点、メディアリテラシーと政策、経済や社会の観点も含めたポリシーとビジョン、そして地域から取り組む自然エネルギーの可能性を、2時間近くかけて一通り説明したころ、リーダー格のひとりが目に涙をためて「図書館は知る権利を保障しなくてはいけないのだけど・・・」と声を詰まらせた。
私たちも、地域でささやかな実践を通して、人々が信じている原発の安全と必要の神話を一つずつ切り崩そうとしてはいるが、大多数の人々にはなかなか伝わっていかない。意識や関心を持っている人は、全国どこから(時には海外から)でも「足温ネット」の活動に注目し、ビジョンと希望を共有して前向きな議論ができる。12年前に太陽光の発電所を設立し、以来、グリーン電力証書の発行や省エネとの組み合わせをはじめ、様々な試行錯誤の上で確信を得てきた。しかし、日本よりも条件の悪い欧州の国々でもどんどん進められている自然エネルギーへの転換が、この国では「戯言」扱いにされるのは、まさに「知る権利」を阻害されているからだろう。
良心ある人々が「知り」「気づき」はじめ、あきらめに勝る希望が湧いてくるよう、粘り強く取り組んでいくしかない。

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