空の黒い雲は、一つにまとまりながら、下へ追いかけて来ています。
今橋の竜を、負かした黒雲は、竜巻になりそうな様子です。
竜巻になる前に何とかしないと、もう、どうにもなりそうにありません。
おひょう「ど、ど、どうしたらええんじゃ・・そうじゃ!朝のダイヤモンドじゃ!役に立つはずじゃ!」
ひろ子「え?ダイヤ。爪に付けてくれたやつね。ついとる、ついとる・・」
おひょう「あれ、あれなあ!グラビトン虹子から、預かったもんなんじゃ!」
サチコ「早う 言わんか!それじゃ、それ!」
ひろ子さんは、すっかり忘れていた薬指のガーゼをとりました。ダイヤモンドは、相変わらず、キラキラ輝いています。
そのキラキラがポンと、一つ飛んで、キャンドルに火がつきました。
すると一気に炎が大きくなりキャンドルから虹が噴出しました。
虹は地面から空へ向ってグングン伸びていきました。出来かけの竜巻も、どんよりと垂れ込めた雲も虹にふれると、ぱあっと飛び散ってしまいます。
雷雲も無くなり、雨が上がり、青空に丸く虹が広がりました。
そして、ついに、小さな黒い点になった、こまこさんが、両手を広げて鼻をフンフン鳴らしながら下りてきました。
こまこ「相変わらず怪しい術を使うやつらじゃなー・・フン」
おひょう「お前の方が、よっぽど怪しいわい!さっさと、こまこさんの体から出て行けよ!」
こまこさんは、おひょうの前に着地しました。
こまこ「なまいきなやつじゃなー・・フンフン」

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