おひょう「この葉っぱを引っぱったら、食われるんか、こええなー。」
サチコさんも、花を見に来ました。
サチコ「どれどれ、変わった花ねーもしかしたら、このつぼみ、不思議な花かもしれないわ、早く咲かんかしら。きっときれいな花よ。」
サチコさんの、「きれいな花よ」と言う言葉を聞いて、うれしかったのか、小さな豆くらいなつぼみは、その言葉に合わせてグッと、大きくなりました。
サチコ「もしかして?・・この葉っぱ、個性的で、いいわねえ。」
この言葉でつぼみは、ゴルフボールくらいに大きくなりました。
サチコ「やっぱり、今までに見たこともないぐらい美しいわ。」
この言葉でソフトボールからバレーボールほどになり、先がちょっぴり開きました。
ひろ子「まあ。いい香り。」
すると、バレーボールからバスケットボールくらいになり花が開き始めました。
ますます、いい香りが強くなりました。
サチコ「世界で一番美しく!世界で一番いい香り!」
花は、すっかり開いて、ドンドン大きくなりました。
薄いピンク色や濃いピンクいろが、幾重にも次々と開いていきました。
それはまるで、ほめ言葉に気をよくしているように見えました。
ひろ子「どんどん、大きくなるわ。」
おひょう「大丈夫かい?」
サチコ「これでいいのよ、どんどんほめて。」と、小さな声で言いました。
カムカム「よっ!日本一、いい花だねー。」
おひょう「ビューティフルじゃなー。」
カムカム「ほれぼれするわ!」
おひょう「世界一!宇宙一!いいなー。」
黒猫「絵の中でも、こんな美しい花は、見たことありませんわ!」
黒獅子「美術品も、この花には、かなわんわあー。」
ひろ子「美しゅうございます。」
この言葉で、不思議な花は部屋いっぱいに広がりました。金色のおしべとめしべが高級なじゅうたんのようでした。花というよりは、美術品の丸いじゅうたんといった感じです。
サチコ「さあ、この花に乗って乗って!」

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