なんだそれは、と言われそうですが、今回は我らの皇室について述べたいと思います。
皇室の先進性は男系の継承という点です。
これだけだと、「女子も継承できないと皇位が不安では?」という戯言が出てきてしまいます。
皇室の凄い所はここから始まります。
すなわち、
もし直径の男子がいない場合は、
先祖に遡って男系の男子を捜す。
ここに諸外国にない先進性、そして安定性があります。
男にだけ継承を限る、という事で一見継承が断絶する危険性があるように思えてしまいますが、我らの日本の皇室はその危険性が全くありません。
断言するのもどうかと思いますが、少なくとも諸外国よりはるかに安定しています。
諸外国が国王などの実子、もしくは国王の兄弟くらいにしか継承権を認めてないというのはたいていの方がご存じかと思います。
そのため、常に継承者の有無に不安を抱えてしまいます。
だからこそ女子にも継承権を与える、という事になってしまうのです。
ここに血筋の継承というものの不完全さがでてきてしまいます。
比べてみれば日本の皇室はその危機がかなり薄いものになってます。
何となれば、
何十代も遡って男系統で続いている家を探せばいいのですから。
これにより、男系のそれも男子にのみ継承を許していながら、断絶の危機を回避しているのです。
逆に言えば、
男子にのみ限定しているがゆえに安定しているともいえます。
この事については私も女系問題が出てきた頃まで知らなかったので大きな事は言えません。
ですが、日本の過去を遡れば、こうやって継承問題を回避した例は幾つもあります。
言い方を変えれば、
現在女系天皇を推進している連中にとって、皇室はとっくの昔に断絶していた事になります。
連中の言動をそのままもちいれば。
女系を認めた途端に、連中はそう言い始めるでしょう。
たぶん。
そうやって皇室をひっくり返すために女系を口やかましく騒ぎ立ててるのかもしれませんが。
そう考えなければ、連中の言ってる事が理解できません。
もう一度繰り返しますが、日本の皇室は男系にこだわる事で諸外国に真似できないほど強固な継承方法を確立しました。
これと似たような事は徳川将軍家でも行われています。
徳川家康直系の血筋による将軍は確か数代で終わっています。
しかし、御三家という家康の血を引く家があった事で十五代も続く事になりました。
しかも全員がたどれば家康に行き着くと言うことで、これらの将軍の正統性になんら問題はありません。
いわんや皇室です。
遡れば神武天皇にまでいきつく方々のみが天皇陛下の地位に就く権利があります。
それをなんで女系というものに切り替えて別の血筋のものを取り入れなければならないのでしょうか?
私にはその理由がさっぱり分かりません。
その理由として持ち出してくる諸外国の王室やら何やらですが。
そこらの企業の社長と同じで、血筋に関係無く継承できるような所と何で我らの皇室を同列に扱わねばならんのでしょうか?
そんな遅れたところの制度を、後進国の制度を取り入れてどうするのでしょうか?
王族と結婚すれば継承権が発生するような継承制度というのは、それだけ血なまぐさい事件を発生させやすくなるでしょう。
野心のある者が王族と結婚し、陰謀・暗殺を駆使して他の王族を排除・殺害していく。
そういった事も起こりえます。
歴史を遡って藤原氏を考えてみましょう。
あれだけ好き勝手やったにも関わらず、天皇の地位だけはついに守らねばなりませんでした。
権力の源泉が天皇の地位にあり、それが万世一系と呼ばれる血筋のよってのみ保たれるとなれば、力尽くで排除するわけにもいかなかったのでしょう。
もし排除したら、あちこちの有力者が、
「ふーん、天皇の血筋を排除したんだ。
じゃあ、誰が天皇を名乗ってもいいんだな」
という事にもなったでしょう。
血筋を否定するというのはそういう事です。
そうなったら、あとは武力を背景にした強い奴が覇権を握る事になります。
当たり前でしょう。強い奴が支配する。それが人類史の教訓です。
しかし力で押さえつけてると言う事は、より強い奴が権力者にとってかわる事もできるという事です。
日本の皇室のありがたさは、武力による背景を必要としない事にあります。
なんとなれば天皇の地位は武力ではなく、血筋のよってのみ保証されるものだからです。
その血筋によって保証される天皇陛下が任命した権力者が、日本の政治を取り仕切る。
極端な話、武力をもたなくても陛下が一言「お前に任せた」と言えばそれで日本の政治が取り仕切れるのです。
こんなありがたい制度(というのはおかしいですよね。だって、誰かが作り上げたものではないのですから。自然発生的なものを制度とは言えないでしょう)を自ら壊そうというのが女系天皇論者です。
血筋のよってのみ保証された天皇の地位。
その根幹とも言える血筋を否定すれば、あとは力を持つ者が天皇を名乗る時代がやってくるでしょう。
何せ「後世の人間が好き勝手にいじってよい」のが皇位なのですから。
そうなったら、今以上に「力こそ正義」という世界がやってきます。
女系論者はそういう事を全く理解してないか、理解していてあえてそうしようとがんばってるのでしょう。
女系論者を日本崩壊の手先と言いたくなるのは、こういう理由もあると私は思っています。
なんでか分からないけど日本人皆がありがたがってる皇室と天皇陛下。
……失礼、少し言葉を間違えました。
なんでか分からないけど、女系論者やサヨク以外のたいていの日本人がありがたく思っている皇室と天皇陛下。
その地位の条件である「血筋」
それを否定したら、誰もが天皇を名乗ることを許されます。
そして天皇の地位を保証するものが「血筋」から「武力」になるでしょう。
そうなれば後は天皇位を巡っての内戦・内乱状態に陥るでしょう。
皇室と天皇陛下の条件は血筋です。
後付の制度ではありません。
制度は全て、「血筋を正しく伝えるため」という場合にのみ正当性を持ちます。
そうでない制度は全て無効、と考えた方が正しいでしょう。
もし女系天皇をたてたらどうなるか?
男系の男子である旧皇族をたてて立ち上がる者達が出現し、日本は四分五裂するだけです。
そして、日本の歴史から見れば、旧皇族の男子をたてる方にこそ正義があるのです。
その時日本は数百年ぶりに戦国時代に突入し、日本人は地獄の苦しみを味わうでしょう。
それが皇室を否定した報いとなるでしょう。
とある本にて「伝統の復讐」という言葉がありました。
皇室の否定は伝統の否定。
そして伝統の復讐・報復は、とてつもなく大きく、また避けられないものなのです。

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