セミリンガルの恐怖15  1) セミリンガルの恐怖

「言語と性格」 TB056

ウィット(Wit)
先日、長男があまりに酷い成績を取って来たのでプッツン切れた私は「こんなんで、あんたの将来は一体どうなるの!」と長男を怒鳴りつけました。

すると長男はニッコリと微笑み、「でもね、お母さん。アインシュタインも学校の成績は悪かったそうだから、そんなに悲観する事もないよ」と言って私を慰めてくれました。

それを聞いて大笑いしてしまった私は、もうそれ以上、お説教を続ける事ができなくなってしまいました。

こうした「とんちの利いた切り返し」の事を英語ではウィットと言います。イギリスではこのウィットができる事が大変重要で、私の個人的な考えでは、外国人が英国社会に溶け込むためには「完璧な発音」を習得する事よりも、むしろ「ウィットができる事」の方がもっと重要な事であると思います。

「使用言語」と「性格」
長男は子供ながらこのウィットが大変上手で、思いがけない事を言い出していつも笑わせてくれます。「お兄ちゃんは学校でも皆から面白いって言われるでしょ?」と長男に聞いたところ、「フランス語を話している時の僕はもっとシャイ(恥ずかしがり)だよ。」と言いました。

特にフランス語で話す場合は友人同士の会話が殆どで大人と話す機会も少ないし、フラン人のユーモアのセンスはイギリス人とは違うので、彼らの事をどうやって笑わせたら良いのか、わからないのだとか。

逆に、英語を話す場合は夫や私など、相手が大人である場合が殆どなので、ウイットを使い易いという事です。

因みに、長男の日本語での口癖は「だいじょぶ、だいじょぶ。あれっ!・・・・・まあ、いっか〜!」

どうやら長男の性格はフランス語では「消極的」、英語では「ユーモア溢れて哲学的」、日本語では「楽天的」と、それぞれ話す言語や状況に応じて変化しているようです。

「言語の自信度」と「性格」
この違いは長男にとっての「その言語に対する自信度」と関連があるように思います。8歳直前にフランスに来た長男にとって「最も自信の持てる言葉」はやはり英語であり、どこかに一抹の不安が残る」のがフランス語であり、「どうせできないので開き直っている」のが日本語なのです。

「その言語に対する自信度がその言語を話す時の性格にも反映される」という事は、「自信のない状況に長いこと置かれれば、自信のない子供にさせてしまう可能性もある」とも言え、母国語を変えさせる事の危険性を改めて考えさせられる思いがしました。


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セミリンガルの恐怖16  1) セミリンガルの恐怖

人種差別 TB057

シントク、シントク
最近は次男も長男と同じ中学に通うようになり、次男もやはり長男の時と同じように「シントク、シントク」と、からかわれるのだと言いました。

長男はこれは既に経験済みの事なので、「あいつらは馬鹿だから、ほっとけばいい。そのうち飽きるから」と、次男にアドバイスをしていました。

長男に「学校では人種差別を受けているのか」と聞いたところ、「僕は今までの人生の中で、人種差別を受けたと感じた事は一度もない」と答えました。

「シントク」とは仏語で「アホな中国人」という意味なので、明らかに人種差別であると思うのですが、長男の理解では、何かしら「からかう材料」としてこれを使っているだけであって、「人種差別」ではないのだそうです。

「意地悪」か「人種差別」か
そう言えば私も、海外生活18年程になりますが、「人種差別を受けた」と感じた経験は殆どありません。

もちろん私も意地悪をされたり嫌な目に合った事は沢山ありますが、それを「人種差別だ」と思った事がないので、「差別を受けた事はない」と思っているだけで、本当は差別をされたのに、私が気がつかなかっただけだったのかも知れません。

確かに、他の人が差別を受けた話を聞いて初めて「じゃあ、あれも差別だったのか」と後から気が付いた、という事は何度かありました。

また人種差別!
私はよく夜行列車を利用するのですが、ある時、私はアラブ人系の人達と相室になりました。彼らは車掌にパスポートを取られた事を「人種差別を受けて不当に怪しまれたのだろう」と憶測していました。私が「何度もこの列車に乗っているが、身分証明書は必ず全員が取られる」と言ったら、やっと安心したようです。

つまり彼らは何事に対しても、まずは「人種差別か?」と疑う事が習慣となっているようでした。

またある時、列車の中で綺麗な黒人の女性が私の前の席に坐っていました。警察が来て彼女に「パスポートを見せろ」と言ってチェックすると、他の人達には見向きもせず去って行きました。

彼女が黒人だったからなのか、たまたま「ある黒人女性」を探していただけだったのかは知る由もありませんが、彼女は「人種差別をされた」と思ったであろう事が推察できました。

「人種差別」と取るか「単なる意地悪や偶然」と取るかは「受け取る側の取り方次第」であるとも言えます。少なくともうちの子供達は私と同様、人種差別をされても気がつかない「呑気タイプ」であるようです。


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セミリンガルの恐怖17  1) セミリンガルの恐怖

「日本への適応」 TB058

帰国子女の受け入れ体制
海外での駐在生活を終えて帰国した子供達にとって、日本の学校生活に適応して行く事は重要な課題です。今月は「帰国特集」に因み、教育関係の方々から色々とアドバイスを頂きました。

特に帰国先が「保守的な地方」である場合は、帰国子女の前例も少ないため、学校側の受け入れ体制が経験不足で不充分であったり、周囲の子供達の反応が強い場合も予測されるという事です。

「いずれは帰国する駐在」の場合は、「帰国後の適応」の事も予め考慮して、学校を選択する事も大切なようです。海外の学校に慣れるために散々苦労し、やっと慣れた頃に帰国して、また同じ苦労をさせられる子供達の事を第一に考えた選択が必要だと言えるでしょう。

「損得勘定」に走る親の選択
「帰国子女」の枠に入れば、受験の際に有利になる等の理由から何年海外に滞在するか等を選択する人も多いかと思います。

もちろんこれは子供のためを思って、「できるだけ子供に有利になるように考慮してやりたい」という親心でそうするわけですが、子供によってそれが有効に働く場合と、意外にもかえってそれが子供には負担となって悪い結果を生む場合もあるのだそうです。

もちろん親も子供の意見を聞いた上で、本人も「そうしたい」と言っている場合でも、子供が親に気を使ってそう言っていただけで、必ずしも子供が本心を言っていない場合もあるので、その点への考慮も必要であるようです。

親が子供を守る
親も含めて無意識のうちに「外人」になっている場合もあるので、日本の生活に慣れるまでは、変な事をしないように気をつけて生活する事になります。

が、何をやっても「海外から帰って来た事をひけらかしている」と取られてしまうなど、色々と悪い条件が重なってしまって子供が「イジメ」を受ける事になった時、学校や先生の対応も大切ですが、一番大事なのは「親が子供を守る事」なのではないかと思います。

子供の世界は残酷なもので、イジメの対象は必ずと言っていい程、「弱い子」です。何か自分に自信が持てる事を伸ばしてやるのも一案ですし、護身術を兼ねて武道などを習わせるのも良いかも知れません。

うちの子供も学校で殴りかかられる事があったので、殴られたら殴り返すように教え、実際に殴られた時どう殴り返すかを夫が実演して家で練習させました。そんな強硬手段も時には有効に働くものです。


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