セミリンガルの恐怖11  1) セミリンガルの恐怖

混ざらないフランス語と英語 TB035

英国で生活していた頃、日本人家庭のお子さん達は皆、現地校に通い初めてしばらくすると、兄弟同士では英語で話をするようになって行ったものでした。これは子供達の英語力が発達するにつれ、英語で話す方がラクになるので、英語の通じる兄弟同士では「自分にとってラクな言語」が出て来るからです。

うちの子供達はフランスに暮らすようになって6年以上経つのですが、私に聞かれたくない秘密の話を兄弟同士でする時以外は、我が家では兄弟喧嘩もすべて英語です。


子供達に「どちらの言葉の方がラクなのか」を聞いてみると、「自分達にとっては、どちらもそうは変わりないが、英語の方が構造が単純なので、英語を使うのはラクだ」という事でした。

フランス語には男性名詞だの女性名詞だのがあり、動詞の活用変換も複雑でいちいち変形し、それらを全部覚えていかなければなりません。もちろん英語にも基本形以外の活用法を取る動詞もありますが、全体としてはやはり基本的構造が単純ですし、多少間違えても通じる「いい加減さ」が、英語を国際語にした所以であると思います。

だから私としては「英語とフランス語の場合は英語の方が優勢になるのだ」と、単純に思っていました。ところが先日、たまたま電車で隣りに乗り合わせた親子の様子を見ていて、私の考えも少し変わりました。

それは12歳位の女の子と10才位の男の子を連れたイギリス人の母親で、私達と同じように元々イギリスに住んでいたけれど、何年か前にフランスに移住して来たらしかったようでした。

子供達は電車の中で学校の宿題をやらされている様子でした。最初、二人は姉弟同士で英語で話していたのですが、それがいつの間かフランス語になり、しばらくするとまた英語に戻りという感じで、フランス語と英語を行ったり来たりして会話をしていました。

すると母親も同じように、子供達に英語で話していたかと思うといつの間にフランス語になりと、同じように行ったり来たり。この家庭では二つの言葉を完全に混ぜて使っているようでした。

私はフランス語がまったくできないし、夫も相当下手なので、我が家の子供達は私達と話す時は絶対にフランス語を混ぜたりはしなません。だから私にとってこの親子の光景はちょっと驚きでした。

しかもこの母親はフランス語が相当できるだけあって大変教育熱心な様子で、子供達に両方の言葉を習得させるため、彼女はわざとそうしている様子でした。

この時、私は黙っていたのですが、心の中では「我が家では親達がフランス語ができるようにならなかったお陰で、うちの子供達は二つの言語を混ぜないで発達する事ができたのだという事に、今、初めて気付いたわ」と思っていました。

この二人の子供達はこれから先、どんな風に成長して行く事になるのでしょうか。私にはそれを知るすべもありません。


Trackback35
---------------------------------------------------------
フランクフルトでの滞在はフーフルの短期アパート
1週間、1ヶ月単位で滞在できるので、大変便利で経済的!
3



トラックバックURL

トラックバック一覧とは、この記事にリンクしている関連ページの一覧です。あなたの記事をここに掲載したいときは、「記事を投稿してこのページにお知らせする」ボタンを押して記事を投稿するか(AutoPageを持っている方のみ)、記事の投稿のときに上のトラックバックURLを送信して投稿してください。
→トラックバックのより詳しい説明へ



teacup.ブログ “AutoPage”
AutoPage最新お知らせ