セミリンガルの恐怖9  1) セミリンガルの恐怖

イギリスの教育レベル TB033

寄宿舎育ちの夫の話では「イギリスの公立学校の教育レベルは低い」という事だったので、長男の事は3歳から私立の学校に入れる事にしました。

ところが「子供一人の教育費で、一軒づつ家が建つ」と言われる程、学費は高いくせに、レベルは大した事がない私立校に嫌気が刺した私達は、私が3人目を妊娠したのをきっかけに、長男を公立校に転校させる事にしました。

幸い、私達の住んでいた地域は良い環境でしたし、長男の学校は新設校で、先生達も父兄達も教育熱心で、学校は活気に満ち溢れており、教育委員会の視察団からも高い評価を受けたとかで、私は本当に運が良かったと喜んでいました。


私が私立校から公立校へ変えた事による絶対的な落差を感じたのは、送り迎えの時に学校周辺の道路にずらっと駐車された車の違いを見た時だけでした。

私立校の時は家にスイミングプールもあるような大邸宅の子供とも同級生だった長男も、今度は生活保護を受けたりしている家庭の子供とも交わるようになったのですが、公立校育ちの私は、「それも良い経験だ」と思っていました。

ところが長男が公立校に通うようになってしばらく経つと、夫が長男の発音を頻繁に直すようになって行ったのです。そして家では「使ってはいけない」と教えているトイレットやデザートなどの言葉も長男は口にするようになって行きました。

そしてある時、学芸会を見に行って学校の様子を見た夫は「一刻も早く学校を変えなければ」と青くなってしまいました。「このままでは長男にアクセントが身に付いてしまう」と言うのです。

その人の英語の発音を聞けば、教育レベルも家庭環境も殆どわかってしまうと言われる程、イギリスの階級社会は歴然としています。でも外国人である私の英語力のレベルでは、そんな事まではわからなかったのです。

幾ら夫が必死で発音を直しても、学校にいる時間の方が長い子供の発音は、どんどん変化して行きました。でも私には、夫が「そうじゃなくてこうだ」と言って子供に直させているどちらの発音も殆ど同じに聞こえるので、何の役にも立つ事ができません。

思案の末、夫が自宅勤務のビジネスに転職したのをきっかけに、私達は「公立校のレベルが高い」と言われているフランスに移住する事にしました。

正直、私はやっと住み慣れたイギリスを離れて言葉のできない国で生活するのは嫌でしたし、言葉の苦手な長男のフランス語への適応能力の事も心配でした。それに長男は当時既に8歳近くなっていて勉強も難しくなり始めており、母国語を変えさせるには遅すぎる年齢かも知れない事が懸念されました。

しかし、学校でフランス語を習得し、家では夫から正しい発音の英語を習得する方が、こうしてアクセントが身についてしまうよりは、ずっと子供達の将来のためになると主張する夫の意見に、外国人の私は従うしかありませんでした。


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