セミリンガルの恐怖6  1) セミリンガルの恐怖

セミリンガルの育て方 TB030

長男が2歳半になった頃、当時イギリスに住んでいた私は「子供をバイリンガルに育てたい」という私の理想に反し、長男の言葉が思うように発達していない事に悩んでいました。長男を英語と日本語の両方で育てて来た結果、長男は言葉が混ざってしまい、どちらの言葉も発達が未熟で、年齢相応の母国語を持たない「セミリンガル」になってしまっていたのです。

子供が言語を習得する時には、何度も言葉を聞き続ける中で、子供なりにその「言語パターン」を見出し、ルールを把握する事によって言語を習得して行くものです。その過程において、まったくルールの異なる2つの言語を同時進行させようとすれば、子供はその言語パターンを把握する事ができず、頭の中が支離滅裂となってしまいます。

とは言え、まだ母国語が確立していない幼児に2つの言葉を覚えさせる事は、まったく不可能であるか、、と言えば、実際には、そうとは限らないものです。母親は日本語だけで話して父親は英語だけで話すとか、家庭内では日本語だけで話して外では英語で話すなど、環境に応じて言葉をきちんと使い分ければ、子供の方でも「人によって、話す言葉が違う事」に気づき、「2つの違う言語が存在するのだ」という事を理解しやすいので、2つの言葉も比較的スムーズに導入できるのだという事です。

それなら何故、うちの長男は言葉が混ざってしまったのかと言えば、それは「私が2つの言葉を混ぜて話しかけていたから」に他なりません。

私は長男を産んだ後、身体を壊してしまって家事や育児をこなすだけの体力がなくなってしまったので、夫の両親がしばらく手伝いに来てくれた後は、ドイツ人のオーペアー(若い住み込みのお手伝いさん)を雇っていました。お陰で我が家の主流言語は完全に英語となり、また、当時は周りに日本人の友人もまったくいない環境だった事も重なって、私以外のすべての人が英語を話す環境の中で、私が「子供に日本語だけを話しかけ通す」だけの勇気は、当時の私には持てませんでした。

だから私はその時の状況に応じて、時には日本語で、時には英語で、時にはその両方でと、子供に話しかける言葉を臨機応変に変えていたのです。そして、無知だった私はそんな自分の事を「子供に両方の言葉を教えるいいお母さん」だと思っていました。

海外で初めての出産、育児をし、身体も壊してしまったと同時に自信も失っていた私は、近くに親しい日本人の友人もなく、バイリンガルの育て方に対する正しい知識も正しいアドバイスを与えてくれる人もいない環境の中で、「子供に良かれ」と思って、ただ闇雲に子供に2つの言語を与えていました。

今、考れえばどうしてあんな事をしていたのか、自分でも理解に苦しいのですが、当時の私は「これが子供のためにしてやれる最善の方法」と信じて、「子供をセミリンガルにするための努力」を一生懸命にしていたのでした。


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