本日発売、世界文化社「GOLD」に掲載中です。
クリストフ・ウィドマンはドイツの銀器メーカーです。
アンティーク風の、造形の美しいカトラリーを製造してます。
ウィドマンの中でも特に人気のシリーズが、美しい薔薇がモチーフとなった「ヒルデスハイム」です。
9世紀、ルードヴィッヒ王が薔薇によって命を救われたという伝説のモチーフ。
ヒルデスハイムの町の教会にはこの花を思わせるような千年薔薇という樹があるそうです。
石膏の中に埋めたワックスの型を熱で溶かし、
その後にできた空洞に銀を流し込んで成型するロストワックスという手法で作られます。
この方法ですと薔薇の花びらや葉などの細部の模様までもが銀に刻むことが可能で、
手作りの美しい工芸作品ができあがります。
ただしとても繊細な仕上がりのため、取扱いに若干注意が必要となります。
ヒルデスハイムローズシリーズひとつとっても、
以前は非常にたくさんのアイテムが製作されていました。
しかしヨーロッパの小さな工房ですので経営が難しく、
幾度か工場閉鎖の危機にあいました。
ここ数年、銀の高騰による影響も大きいです。
現在、工房で製造されるアイテムは少なくなってしまいましたが、
他の銀器にはないとても魅力的なデザインです。
なんとか頑張って作り続けてほしいブランドです。

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