心理学者、ウィニコットによると
理想の母親は「good mother」ではなく
「good enough mother」なんですって。
理想の母親は「良い」母親じゃなくて
「必要十分程度に良い」母親だなんて、
どういうこと?と思ったけれど。
ウィニコットが言うには、
理想の母親というのは、
子どもを決して怒ったり
たたいたりしない母親ではなくて、
時々ヒステリーを起こしたり、
同じことを言っても、日によって
褒めたり、叱ったりするような
ちょっといい加減な母親だとか。
と言うのも、子どもを決して怒ったり
叩いたりしない母親というのは
一見「理想的」に思えるけど
人間は完全ではありえないので、
どこかで歪みが出るものなのだとか。
また、そもそも世の中というのは
理不尽で、不公平なものだから
good enoughな母親を持つ子の方が
goodな母親に育てられた子よりも
適応力や寛容性を育むのだとも。
なんか面白いけど、説得力ある。
これは母親像だけの問題じゃなくて
理想の妻、夫、娘、息子など
人間関係の基本には当てはまりそう。
「良い○○」になれないで苦しんでいる人は
「good enoughでいい」と思うだけで
ずいぶん楽になるのは間違いない。
常にベストを追求するプロと違って
人間関係や人生においては
この寛容さは大切なことだし、
それを「理想的」と認めるような
ふところの大きさを持つことが
幸せのコツなのかもしれません。

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