クリスマスウィークエンドの3日間、
年末恒例の第九のコンサートに行ったり
温泉につかって日ごろの冷えを一掃したり
レストランでご馳走を食べて更に体重を増やしたり
家にいる暇がないほど遊び歩いていた中でも
私の中で大ヒットだったのが、「レ・ミゼラブル」。
ゆづのFPの「ノートルダム・ド・パリ」とは
原作者のヴィクトル・ユーゴーつながりってことで。
寒かったからほんの思いつきで観た映画だったけれど
こんなに素晴らしい作品だったとは。
子どもの頃に文学全集で読んだうろ覚えの物語で
ミュージカル映画だとも知らずに観たくらいだけど
感動のあまり泣きすぎてメイクも流れ落ちてしまった。
ミュージカル好きのわたしがどうして今まで
こんな名作を知らずにいたのかと悔やむほどに。
正義vs.愛、罪vs.赦しなど、テーマは重く、
社会のどん底で虐げられている人々の現実は辛いけれど
それらを昇華させるだけの、ゆるぎない人間賛歌が
この作品の根底を力強く貫いている気がして。
「レ・ミゼラブル」(哀れな人々)はジャン・バルジャンや
6月蜂起で死んで行った多くの若者たちなど
「法」の下で弾圧された貧しい庶民と思っていたけれど
でも本当に「レ・ミゼラブル」だったのはむしろ
「愛」のない「正義」に生きたジャベールたちなのかも。
一人の人間が成しうることの大きさ、偉大さを
地の底から響く力強いバリトンで歌い上げるような、
クリスマスにふさわしい、深い人間愛の物語です。

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