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2021/9/12  8:10

だらだらの秋  そらごと

秋ですね。何時にも増してごはんがおいしすぎて、ひたすら後悔の日々です。何だろう、揚げ物の誘惑が止まらなくて、週一で何かしら揚げてるっていう。いや、だっておいしいんだもん。

さて、秋と言えば、創作の秋なわけで、一昨年は「鬼の本領」、去年は「石の記憶」と、いずれも結構な長編を楽しく書いてきましたが…今年は、目下何も降りてきません。

なもんで、ここいらでしばらくおやすみしようと思います。

書きたいネタも、書きかけのネタも、あるっちゃあるんですが、今じゃないかなと(とりま一番書きたいのがクリスマスネタなんで💦)あとは、レイドとか、イサベルとか、アシェリーとか、気になる人もちょいちょいいますが。

休止前に比べて更新頻度も格段に上がり、アーカイブもかなりのものになったので、当面は読み返して過ごそうかと考えています。

あ、でも。メールなどはチェック出来ますので、何かありましたらお気軽にご連絡ください。

「誓い」の音声ファイルも、欲しい方は遠慮なくおっしゃってください。というのも、サンプルファイルが予想以上にダウンロードされていてビックリ。サンプルを聴いてみて、良いかも?と思われましたら、ぜひぜひ本編も聴いてみてくださいね。


しっかし、「指環」にしても「手紙」にしても、M/Fのタリウスは、シェールや教え子を叱ってるときとはもはや別人だなと思う今日この頃です。

なんだかんだ言って、やさしくて、面倒見の良いのがタリですが、普段は舐められてたまるかという気持ちが先行して、そういうやさしさを前面に出すことはありません。

でも、ユリアといるときは、自然体なんでしょうね。彼女は、これまでもこれからも、タリにとって良き理解者でいてくれると思います。

個人的には、タリに甘えるユリアより、平気で喧嘩を吹っ掛けるユリアのほうが好きなんだけれど。タリウスと対等に口が聞けるのは、彼女だけですから。
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2021/9/7  2:58

【指環】2  小説(再掲)

「怖がらせて申し訳なかった」

人目も憚らず泣きじゃくるユリアに、タリウスはひどく動揺した。ともあれ彼女を落ち着かせようとその場に膝を折り、そっと髪に触れた。

「違うんです」

「はい?」

「そうじゃなくて、わたし…」

ユリアが懸命に話そうとするものの、嗚咽に紛れてよく聞き取れない。

「大丈夫ですか?ともかく帰ろう」

「帰れません」

「どうして?」

「だって…」

ふいに、近隣の民家に明かりが灯るのが見えた。まずい。そう思った矢先、またひとつ明かりが増えた。

「やむを得ません」

タリウスはランタンを手繰り寄せ、腰に掛けた。

「え…?」

そして次の瞬間、ユリアの身体が宙に浮いた。

「えっ?!」

まさかの事態にユリアは驚愕した。

「騒がないでください。これではまるで、本当に誘拐している気分だ」

「誘拐って…」

タリウスはあわてふためくユリアを抱き抱え、暗がりをずんずん進んだ。

「そう思われたくなかったら、少し静かにしていてください」

ユリアは、この段になってようやく状況を理解したのか、急速に大人しくなった。そうして間近に聞こえた鼓動に、顔を赤らめた。


「何があったのか尋ねても?」

数分後、ユリアを居室へ戻したところで、タリウスは再び疑問を口にした。

「ごめんなさい。私、指輪をなくしてしまいました」

「指輪って、あの?」

思わず聞き返すと、ユリアは無言で肯定した。

「勘弁してくれ」

タリウスは唖然として、考えるより先に言葉が口をついて出た。まるで身体中の力が抜けていくようだった。

「ごめんなさい」

「ああ、いや、そういうことではなくて」

自分の言葉に責められたと感じたのだろう。ユリアはほろりと涙をこぼした。

「泣くようなことですか」

「だって」

ユリアは左手の薬指を恨めしそうに見やった。そこには、数日前にはめたばかりの小さな石が光っている筈だった。

「元々あの指輪は魔除けのつもりで贈りました。あなたの代わりに指輪が厄災を引き受けてくれたのだとしたら、それはそれで構わない」

石には、古来より持ち主を災いから守る力があると信じられている。それ故、石が割れたり、なくなったりすることは、殊更悪い兆候ではないとされていた。

「でも…」

涙に濡れた瞳が忙しなく瞬く。

「それでも諦めきれないと言うなら、明日一緒に捜します。その上で、見付からなければ、また代わりのものを差し上げます。心配しなくとも、そのくらいの甲斐性はありますよ」

「いいえ、それではあまりに申し訳ないです。それに、そういう問題では…」

「確かに、そういう問題ではない」

そこでタリウスは意図的に声音を変えた。

「はい?」

ユリアが身構える。それが何を示すのか、彼女は本能的にわかっている。

「指輪を失くしたのは、不可抗力でしょう。もとより責めるつもりはありません。ですが、仮病まで使って、こんな時間に無防備に指輪を探し歩くなど、正気の沙汰とは思えません」

ユリアはしゅんとなり、それから、ごめんなさいと言ってこちらを見上げてきた。

「時々あなたが子供に見えて仕方がない」

「だって」

自分でもそう思ったのか、言い掛けてユリアは目を伏せた。タリウスには、その姿が言いようのないほど愛おしかった。

「さて、悪いことをした娘は、どうなるんですか」

「それは…罰を…いただきます」

「あなたにはどんな罰が相応しいと?」

「そんな、タリウス。意地悪言わないで」

「いいえ。これは躾です。ユリア、来なさい」

真っ向からユリアを見詰め、あえて厳しく命じた。彼女は小さく返事を返し、ほんの少し躊躇った後で、自らスカートをたくし上げ、下着に手を掛けた。

彼女の躾を請け負うようになって随分経つが、これまで一度たりとてそんなことを命じたおぼえはない。それだけに、彼女が本心から悔いているのがわかった。

「良い心掛けです」

察するに、彼女が悔いているのは指輪を失くしたことだ。そう思ったら、このまま何もせず解放してやりたくなった。だが、それでは彼女の気が済まないだろう。

ユリアを膝に横たえ、程なくして最初の一打を見舞った。白いお尻にくっきりと指の跡が浮かび、同時にビクンと身体がはね上がる。想像していたより遥かに痛い筈だ。

「しっかり反省しなさい」

その後も、少しも力を緩めることなく、左右のお尻に平等に平手を落とした。その間、ユリアは身体を固くして、ひたすら痛みを享受した。その姿は、まるで痛みを噛み締めているようにも思えた。

「少しは懲りましたか」

どうにもいたたまれなくなり、タリウスはお仕置きする手を止めた。

「ごめんなさい、タリウス。わたし、どうしたら良いかわからなくて…」

「そういうときは聞いてください。ほら、ユリア。おいで」

ユリアを膝から下ろし、そっと抱き寄せると、彼女のほうから強く胸にしがみついてきた。そのまま黙って抱き締めていると、ぽつりとユリアが呟いた。

「本当は、お顔を見たときからずっとこうしたかったです」

「それならそうと言ってください」

全く素直じゃないなと、タリウスは苦笑した。

「また買ってあげるから」

「イヤよ。気に入っていたんだもの」

「わかった。捜すから、いい加減、泣き止みなさい」

「だって、お尻が…」

「指輪が不要なら、いっそ鞭でも贈りましょうか」

「け、結構です!」

ユリアはぎょっとして声を上げ、それから頬を上気させた。


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2021/9/5  3:07

【指環】  小説(再掲)

「そんなところで何をしている」

兵舎からの帰り道、角を曲がれば宿屋というところで、タリウスの視界に見知った影が飛び込んできた。

「とうさん?!」

シェールは驚いて、勢い良く立ち上がった。そんな息子のすぐ近くには、もうひとつ、地面にしゃがみこむ影があった。

「お疲れさまです。今日は随分と早いお帰りですね」

「そんなこともないと思いますが…」

退っ引きならない事情があれば話は別だが、繁忙期ではない普段の日は、夕食前には帰宅するのが常である。

「それより、こんなところで二人して何を?」

「べ、別に何も」

シェールが慌てた様子で答える。その見るからに不自然な様に、タリウスは何かあったと直感する。

「ええ、お散歩をしていただけです。そろそろ帰るところでした」

「え?でもまだ…」

「良いのよ。さあ、もう帰りましょう」

何事かを言い掛けるシェールを制し、ユリアはそそくさと宿へと向かった。シェールもまたそれに続いた。

二人して何か良からぬことをしていたに違いない。そう思い気にはなったが、ユリアがいる限りそうそう滅多なことにはならない筈だ。ふいに思い直し、タリウスはひとまず見なかったふりをした。


その夜、ユリアは気分が優れないと言って夕食に降りてこなかった。そんな彼女のことを心配しつつ、タリウスはそれとなく息子の様子を観察した。だが、特にこれといっていつもと変わったところはない。

「シェール。もし何か困ったことがあったら、いつでも力になる。遠慮しないで言いなさい」

「わかった。でもとりあえず、僕は大丈夫」

シェールは一瞬きょとんとしてこちらを見たが、すぐに口角を上げた。

「そうか。なら良い」

恐らく、息子の言葉に嘘はない。タリウスは安堵のため息を吐いた。

「おやすみなさい」

「ああ、おやすみ」

そのとき、窓の外に一瞬灯りが揺れるのが見えた。何となく気になって下を覗くと、灯りはみるみるうちに遠ざかっていった。

タリウスはハッとして、部屋を後にした。

「ユリア」

思い立って隣室の扉を叩くが応答がない。

「失礼」

しびれを切らせ、中に押し入ると部屋はもぬけの殻だった。やはり思った通りだ。タリウスは階下へと向かい、それから閂の外れた扉を開けた。


宿から少し行ったところで、ぼんやりとした灯りが浮かび上がっていた。先程、妻子と行き逢った場所である。

灯りのすぐそばでうごめく影に、タリウスは無造作に手を伸ばした。

「きゃあぁぁあ!!」

ユリアが絶叫する。いつぞやの待ち伏せ事件の反省から、いざというときのために声を上げる特訓をしたとミゼット=ミルズから伝え聞いたが、それが早速功を成したようである。

「落ち着いてください。私です」

「タリウス?!どうして」

「それはこちらが聞きたい。一体何がどうしたんですか」

ユリアは答えない。それどころか、しゃがみこんだままその場を動こうとしなかった。

「シェールが何かご迷惑を?」

「違います。シェールくんは関係ありません」

「だが…」

「ごめんなさい!」

「ユリア?」

「本当に、本当に、ごめんなさい」

闇の中、彼女は声を震わせて泣いていた。

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