ダラダラ中につきカメ更新 感想など、ちょろっとでも書き込んでいただけましたら泣いて喜びます🎵

2021/2/23  17:30

まったり  そらごと

別に私が実家に帰りたいわけではなく、たまには誰も泣かない、誰も傷つかない話が書きたかったのです。

スパサイト(  ̄- ̄)

と言うのも、年明け過ぎからどうにも体調がすぐれないことが多くて、自分自身、平和的な気持ちになれたらなぁと。

私にしては珍しく食欲もおち気味でした。あ、でも、今日のお昼はごはん二膳いけたのでもう大丈夫だと思われます。


以下、ネタバレ。



ネタバレを読む
8

2021/2/21  22:16

捜し物  そらごと

過去拍手SSが結構な量になってきたので、サイトに掲載しようと思っているのですが、どうにも1つ見付からなくて

いつも新しいのを載せるタイミングで、代わりに下げるヤツをローカルにコピペしておくのですが…ないんです。

タリパパが棚の上にパドルを出しっぱなしにしてて、シェールが怖がるっていうそんだけの話。ですが、一応これ以降、パドルはシェールの引き出しにしまうってことになっています。

タリパパ的に、パドルはお仕置きする人ではなく、お仕置きされる人のものという認識らしい。それでもシェールが勝手に捨てたり、隠したりしないのは、そんなことをしても無意味だし、むしろエライことになるとちゃんとわかっているからです。

でも、もしもしこれがケインだった日には、うっかりを装って折ろうとして、変に曲がっちゃって、焦ってめっちゃ頑張って直したりするのかな、なんて妄想したりしていますw

まあ、タリウスはシェールに対して、絶っっ対ケイン使わないけど。何故って、ケインの痛みと恐怖に慣れさせたくないから(←オニ)。

私の中で、ケインはファイナルウェポンなので、この世界でもフツーの学校ではまず使わない、みたいな設定です。あっても飾りというか、それこそ抑止力にするみたいな。

もしかしたら、トォーズとかストラップとかのが痛いのかもしれないけど、私自身あんまり経験がないのと、ビジュアル的に萌えないので、この先も出てこないと思います。

しっかし、どこに行っちゃったんだろ。PCには元の原稿あるかな…。どうせなら全部一気にやりたいので、目下作業が出来ません。


ついしん
ジョージア先生(またの名をアグネスのパンツ)にたくさんの拍手とメッセージをありがとうございました!お陰様で終始楽しく執筆出来ました!

次回は、タリウスの実家話とか、結婚話とか、ミゼットの昔の上官の話とか、いろいろ書きたいネタはあるし、ちまちま書きもするのですが、まだちょっと充電されず。満充になるまでもうちょいお待ちください。
11

2021/2/14  23:26

ジョージア先生の長い長い夜3.5(オマケ)  小説

クリフ=ドーンは思い詰めた面持ちで教官室の前に立っていた。

一体全体どうしてこんなことになってしまったのだろう。彼はここへ来て、これまでのことに想いを馳せていた。

つい数ヵ月前、自分は幸福の絶頂にいた。国内最難関と言われる中央士官学校に合格したのだ。それもその筈である。

だが、幸せなときはそう長くは続かなかった。彼は入校してすぐに、上には上がいることを知り、そしてまた、努力ではどうにもならないことがあると思い知らされた。

それからは、とにかく失敗だけはしないよう、ひたすら目立たぬよう、細心の注意を払って生きてきた。それが何故。

「開いている」

震える手でノックをすると、扉越しに無機質な声が返された。クリフは意を決してドアノブに手を掛けた。

「先生にお話したいことが、あります」

緊張に声が上ずった。教官は椅子に座ったまま、静かにこちらを見上げてきた。まるで自分がここに来ることを知っていたかのようだった。

「お前の知っていることを包み隠さず話せ。但し、今度は本当のことだけを言え」

教官と目が合ったが最後、逸らすことが出来なかった。

「昨日の夜、たまたま見てしまいました。その人は、風呂場から出てくるところでした」

「その人?」

「本科生…です。名前は…」

自分には血縁はもとより、親しくしている上級生もいない。通常なら知り得ない筈だが、クリフはその名を知っていた。

「アーサー=ウィルキンス」

「そう、です」

知らぬ人間などここにはいない。それは彼が常に首位の成績をおさめているからでも、類稀な運動神経をもっているからでもない。目をつけられたら終わりだからだ。

「ウィルキンスは風呂場で何を?」

「はっきりとはわかりません。ですが、ラサークたちが使っている時間だったので、驚いて二度見しました。そうしたら、呼び止められて、黙っているよう言われて」

そこでクリフが大きく息をした。

「端からそのつもりだったので、そう伝えましたが、信じられないと言われ………ました」

クリフが何事かを呟くが、声が震えてよく聞き取れない。

「何だ。何をされた?」

「く、くびを…」

強く握りしめた手がじわりと汗ばむ。

「首?」

教官が立ち上がり、机越しにクリフの襟元に手を伸ばした。首元には圧迫されたと思しき指の跡がうっすらと浮かんでいた。

「何故黙っていた」

「誰かに話したら、ここにいられなくすると言われて…」

「それで?」

「昨日はそれで終わりました。でも、今日になって、また風呂場に来るよう言われて、着替えを盗ってくるよう言われました。もちろん、最初は断りました。でも、断りきれなくて風呂場に入りました」

教官が吐息した。自分に失望したのだと思った。

「そうしたら奥から物音がして、見付かると思い、咄嗟にオーデンの制服を全部持って風呂場から飛び出しました。そのまま三階まで走って届けました。物凄く迷惑そうな顔をされましたが…」

その場に居合わせた別の本科生が、アーサー自身の洗濯物だと勘違いし、クリフはそれを良いことに無理矢理置いてきたのだ。

「お前が脅されていたということはわかった。報復を恐れたことも。だが、それでもどこかで引き返せた筈だ。それをしなかったのは何故だ」

クリフは答えない。代わりに教官からすっと目線をはずした。

「クリフ=ドーン!」

教官の厳しい声にクリフは再び視線を戻した。

「い、言うことを聞けば守ってやると、言われました。自分の他にも子飼いがいるようでしたし、それで…」

「本当に守ってもらえていたら、お前は今ここにはいない筈だ」

教官の言う通りだった。それ故、すぐには言葉が出てこない。

「オーデンの制服のことで怒らせたと思いました。それに、このままでは自分が犯人にされる、そう思いました。とにかく退校になるのだけはどうしても嫌で、ここに来ました」

「状況は理解した。だが、あの二人はどうだ。オーデンに何か落ち度があったか。それとも、お前はあいつらに恨みでもあるのか」

「あ、あの二人には何の恨みもありません。もちろん、落ち度だって…」

「何の落ち度もないのに、いわれのない辱しめを受けた挙げ句、オーデンにいたっては熱にうなされている。たとえお前の意思ではなかったにしろ、それがお前のしたことだ」

クリフが大きく目を見開く。

「申し訳ありません。オーデンにも、本当に悪いことをしたと思います」

「謝って済む問題か」

「違うと、思います」

教官は小さく溜め息を漏らし、それから執務机に掛かっていた藤鞭を手に取った。

「机に手を付け」

クリフは促されるまま、罰を受ける姿勢になった。初めにこの部屋の前に立ったときから覚悟はしていた。

「いっ!!」

だが、予想を遥かに上回る痛みに、すぐさま声が漏れた。まるで身体が切り裂かれるようだった。

ピシッという僅かな音に似合わず、鋭く強烈な痛みに、回を追うごとに身体が逃げた。きちんと起立しなければならないと頭ではわかっているが、ひとつ打たれる度に、思考がバラバラになった。

「動くな!」

教官は容赦ない叱責に合わせ、激しく身体を打擲(ちょうちゃく)する。いつの間にかクリフの目から涙が溢れだし、幾筋も頬を流れていった。

「お前の言っていることがすべて出鱈目の可能性だってある」

意地の悪い台詞に心臓がドクンと音を立てた。

「恐らくあいつはすべてを否定するだろう。どうやって証明するつもりだ」

「それは…多分出来ません」

「出来ない?」

「でも、それでも良いです。自分が盗ったことに変わりはないですし、退校にさえならなければ、自分のせいでもう良いです」

「呆れたな」

教官は鞭を下ろし、クリフを解放した。

「教官を恐れるのも良いが、ときには頼れ。少なくともあいつよりかは守ってやれる筈だ」

「先生…」

「しばらくそこで反省していろ」

教官は苦笑いをひとつし、それから顎をしゃくった。





やっと終わった!!何気にオマケが一番時間掛かったり。
思った以上に達成感があるので、しばらく休憩します

読後の感想とかリクエストとか、何かございましたら、ここでもweb拍手でもメールでも。

メールは字数制限があるようなので、長文のときは、お手数ですが何度かに分割してお送りください。

14

2021/2/13  0:50

ジョージア先生の長い長い夜5  小説


翌朝、ゼインは一連の騒ぎについて部下から報告を受けていた。

「一週間の謹慎?」

タリウスがクリフ=ドーンの処分について言及したときのことだ。ゼインは唖然として、部下の言葉をそのまま返した。

「その一週間も、出来れば訓練には出させたいと考えています」

「如何に脅されていたとは言え、窃盗の実行犯だ。それではいくらなんでも甘過ぎる」

冗談じゃないと即座に却下するが、部下もまた引かなかった。

「確かに先生のおっしゃる通りだとは思いますが、元を正せば、ウィルキンスの愚行に気付けなかった私の落ち度です。昨夜私からきつく指導し、本人も深く反省しています。どうか…」

「ジョージア」

平身低頭する部下を前に、ゼインはため息を吐いた。

「全く君は人が良いと言うか何と言うか。そんなことでは、いつぞや君にやった鬼を、返上してもらうことになるよ」

ほんの一瞬、部下の瞳孔が開くのをゼインは見逃さなかった。

「今、惜しそうな顔をしたね。いくら口ではいらないいらないと言っても、一度手に入れたものを取り上げられるのは、やはり不快に感じるか」

「いえ、そう言うわけでは。そもそも私は、オニに向いていないのかもしれません」

「私は向いていると?」

「そうですね、少なくとも私よりかは」

同じ質問を部下の教え子、例えばキール=ダルトンあたりにすれば、恐らくは同じことを答えるだろう。ゼインは堪えきれずにクスリと笑った。

「まあ良い。こちらの予科生については君に任せる。問題は、姦しい娘たちをどうやって黙らせるかだ」

「それならば、私が…」

「いいか、ジョージア。この世の中に、婦女子のおしゃべりほど恐ろしいものはない」

ゼインはそう言って、身震いした。


数日後、主任教官の執務室に黄色い歓声が上がった。

「まさかこんなに早くまたお会いできるなんて、感激です!」

「そう?」

ミゼット=ミルズである。今日は非番らしく、略式の常装に、長い黒髪は下ろしたままだ。

「本当はこちらからお伺いしたいと思っていたんです。でも、ジョージア先生が…」

「ジョージア教官がどうかした?」

「いえ、お会い出来たので、もう結構です。それより、今日はどうされたんですか」

「お見舞いよ」

「お見舞い、ですか?」

アグネスとイサベルが互いに顔を見合わせた。

「とんでもないことに巻き込まれたのでしょう。イサベル、風邪はもう良いの?」

「はい。ノーウッド先生から万病に効く薬をいただいたので、もうすっかり」

「何よそれ。怪しすぎる。本当に大丈夫なの?」

「だ、大丈夫ではないのですか?!」

「え?ま、まあ病は気からと言うし、元気になったのなら何よりよ」

不安げに顔色を変える少女を前に、ミゼットが慌てて執り成した。

「そんなことより、二人に受け取ってもらいたいものがあるのよ。気に入ってもらえると良いけれど」

言いながら、ミゼットが手のひらほどのサイズの包みを二つ、テーブルに乗せた。二人は、頭にはてなマークを浮かべながら包みを開いた。

「え?」

「あ!」

それから、またしても顔を見合わせた。どちらも頬を上気させている。

「どこの馬の骨ともわからない男に触られたパンツなんて、気持ち悪くて使えないでしょう。そうかと言って、おいそれと買いには出られないでしょうし。言っておくけど、最高級品よ」

「ありがとうございます!」
「ありがとうございます!」

満面の笑みで包みを覗き込む後輩たちに、ミゼットもまた上機嫌である。

「良いのよ、私も昔同じようなことをされたことがあるから、気持ちはわかるもの。でも、もう済んだ話。いろいろあったけれど、私は今でもここが好きだし、卒校したことを誇りに思ってる」

二人はミゼットが話すのをコクコクと頷きながら聞いていた。

「だから、妙な噂が立つのは本意ではないの。嫌な思いをさせた上でこんなことを言うのは心苦しいのだけど、今回のことは墓場まで持っていってくれない?」

「それはもちろん、かまいません」

「私もそれで大丈夫です」

いくらこちらに落ち度がないとは言え、自分たちにとっても不名誉な話である。その上犯人は捕まり、相応の処分を受けたと聞けば、あえて吹聴するような話ではない。

「良かった!下着が足らなかったらいくらでも買ってあげるから、遠慮しないで言って頂戴」

ミゼットはとびきりの笑顔を少女たちに向け、席を立った。


「そんな顔をするな」

「私は別に…」

一方、こちらは執務室前の廊下である。

「名誉のためだ。致し方ない。だいたいいくらでも買ってやるのは妻ではなく、私だ」

ぼやきが止まらない上官と、いつもに増して仏頂面の部下が扉の前で聞き耳を立てていた。

「あ、そうそう。ノーウッド先生には気を付けなさい」

そろそろ引き上げようというところで、俄に気になる台詞が耳に入った。

「どさくさに紛れて、平気な顔してお尻を触ってきたりするから」

「えぇ?!」

「ホントですか!!」

たちまち少女たちの目が点になる。

「やさしそうに見えて一番厄介だから、絶対に気を許しちゃだめよ。あの人はね、中央士官の闇よ」

良いわね、そう念押ししてミゼットは扉に手を掛けた。外にいた男ふたりが慌てて廊下に身を潜める。

「あの老害が…」

沸々と静かに沸騰する上官から、タリウスはそっと離れた。これ以上の厄介事はもう御免である。


12

2021/2/9  23:57

ジョージア先生の長い長い夜4  小説

「起床!!これより点検を行う。全員、今いる場所を一歩も動くな」

深夜零時きっかり、教官の号令で少年たちはベッドから飛び起きた。言うまでもなく、全員が寝間着姿に素足である。

彼、アーサー=ウィルキンスは颯爽と身体を起こし、誰よりも早くベッド脇に起立した。どの引き出しを開けられようと何ら問題ない。彼は余裕の表情で、カツカツと近付いてくる長靴の音を聞いていた。

「毛布を退かせ」

「え?」

ランタンの灯りをもろに見返し、目が眩んだ。

「早くしろ」

教官が苛立った声を発してもなお、アーサーはその場を動くことが出来ない。業を煮やした教官が、勢い良く毛布を剥ぐのを呆然と見ているだけだった。

「これは何だ」

ベッドの足側のほうから布の塊のようなものが床へ落ちる。

「き、着替えです。洗濯に出すのを失念してしまいました」

「そんなものは予科生にでもやらせれば良かっただろう」

アーサーは、教官が意地悪く囁くのを背筋が凍るおもいで聞いていた。

「随分と汚れているな。ウィルキンス、お前自身も」

教官は薄汚れた寝間着に明かりを近付け、続いて少年自身を照らした。彼の足は泥に汚れ、床にも黒い足跡がいくつも付いていた。

「首筋に火傷があることと何か関係が?」

「っ!」

アーサーが咄嗟に首もとに手をやる。だが、すぐにハッとしてその手を離した。

「自分は何も…」

「ドーンが吐いた」

反射的に否定しかけるも、続く言葉に声を失う。身体がさっと冷たくなるのがわかった。アーサーは両目をつぶり、それから吐息した。

「観念して教官室に来い」

ふんと小さく笑い、彼は裸足のまま教官に従った。

そうして一歩部屋から出ると、少年は教官を追い抜き、そのまま全速力で廊下を直進した。

「待て!!」

タリウスが叫ぶ。彼の目には、廊下の行き止まりに嵌め込まれた大きな窓ガラスが映っていた。

「やめろ!ウィルキンス!!」

このまま突っ込まれたら間に合わない。心臓が音を立てた。

「うわあぁあ!」

そのとき、アーサーが何かに躓き、勢い良く床に転倒した。瞬時に起き上がり先へ進もうとするも、何者かに行く手を阻まれる。無我夢中で体当たりを繰り返すが相手は一向に怯まなかった。

「老いぼれと思うて侮ったか」

「ノーウッド先生?!」

タリウスが声を上げる。老教官には、本科生の点検の間、教官室で留守を預かってもらう手筈になっていた。

「確かにだいぶガタはきているかもしれん。それでも、お前のような奴には倒されんよ」

「いっ!!」

老教官はアーサーの腕を掴み、後ろ手に捻り上げた。少年はもはや完全に戦意を喪失していた。

「ジョージア教官」

「は!」

「この馬鹿者を下に連れていけ」

唖然とする若き教官に、老教官は乱暴に馬鹿者を引き渡した。

「何を見ておる。点検は終いだ。全員直ちにベッドに入れ!就寝!!」

老教官が吠え、それまでことの成り行きを見守っていた少年たちが、蜘蛛の子を散らすよう一斉に毛布に潜り込んだ。

「ぬかったな」

すれ違い様、老教官の囁き声が耳元に届く。他でもない。かつての師を侮ったのは彼自身だ。

「申し訳ございません」

「ま、儂が止めんでもそいつには飛び降りる勇気なんぞなかったと思うが、一応な」

そう言って、老教官は些か強めにかつての教え子の尻をはたいた。


教官室には先客がいた。元は壁に向かって起立していたのだろう。無遠慮に開かれた扉に、クリフ=ドーンは顔だけを向けた。

ひどく泣き腫らした瞳が見たのは、諸悪の根元とも言える先輩の情けない姿だった。先輩は裸足に寝間着姿で、なおかつ教官によって自由を奪われていた。

「今回の一件は、明日の朝、統括とミルズ先生に報告する。お前にはそれ相応の処分が下されるだろう」

「退校になるんじゃ…」

「そんなことは俺の一存では決められない」

話が違うとばかりにクリフが反論し掛けるが、教官がばっさりと切り捨てる。呆然とするクリフをそのままに、教官は更に続けた。

「それよりもだ。貴様よくも予科生に手を出してくれたな。ドーンだけではない。大方、軽々しく父上の名前を口にして、あることないこと言って脅してきたのだろう」

アーサーは答えない。

「お前のように性根の腐りきった奴には、たっぷり償いをしてもらうぞ」

「や、やめ…何を?!」

教官は執務机の椅子を引き、どっかりと腰を下ろした。そして、暴れるアーサーを膝の上に横たえ、おもむろに寝間着の裾をまくった。

「父上に言いたければ言えば良い。下級生を苛めたお仕置きに、ジョージア先生に死ぬほど尻を叩かれたと、言えるものなら言ってみろ」

「いっ…!」

いつの間にか下着まで下ろされ、剥き出しになった尻に容赦ない平手が弾けた。

教官は、その後もバチンバチンと続けざまに平手を落とした。彼はこの仕置きに関して、余計な手心を加えるつもりはなかった。

本科生への正式な罰は、明朝以降、主任教官が自らの手で下すことになる。それを見越して自分は鞭の使用を控えた。配慮は充分過ぎるほどした。

「うぅ!うあぁっ!!」

続けて同じところを狙い撃ちにすると、アーサーが耐え切れずに、身をよじって暴れた。もはやプライドをかなぐり捨ててでもこの痛みから逃れたいのだろう。

「暴れるな!見苦しい。自分が何をしたのか、よく考えろ」

タリウスは少年を叱りつけ、なおもきつく尻を叩いた。

アーサーを個別に指導するのはこれが初めてだった。彼の成績は常に首位で、ことにその身体的な能力の高さにおいては、目を見張るものがあった。

故に、つい先程、三階の窓から壁伝いに、制服を捨てに下りたと聞いても、彼ならば可能だとあっさり納得できたほどだ。

また、素行は決して良いとは言えないまでも、表向きに問題を起こすことはまれだった。

タリウスとしても、優等生の仮面の下に隠された狡猾な裏の顔に、気付きつつあったが、なかなか尻尾を出さないため、今日まで叱るチャンスがなかった。

「暴れるなと言っただろう!」

アーサーは、懲りずに膝から下りようとなおも足掻いていた。タリウスは、このやや大柄の少年をもう一度しっかり抱え直すと、暴れる足を自分の足で挟み、その動きを封じた。

「ドーン!」

「は、はい?!」

クリフは突然名を呼ばれ、飛び上がらんばかりに姿勢を正した。

「よく見ていろ。これがいじめっこの末路だ」

「ハイ…」

つい数時間前まで恐怖の対象でしかなかった先輩が、今は子供のように尻を叩かれている。自分が真に恐れるべきは、教官をおいて他にない。クリフは今更ながらそう思い知るのだった。


とりあえず大筋はおしまい。あとは、エピローグとオマケをいくつか書く予定です。クリフについてもそっちで回収します。

相変わらず詰めが甘いのがジョージアせんせ。
14



teacup.ブログ “AutoPage”
AutoPage最新お知らせ