この日のライブはすべて、前日6日の、あたしの自己治癒能力にかかっていた。。
ちょっと痛めた状態のノドが完治しないままツアー突入、
休む間もない移動と連日ライブのスケジュールに治るヒマなど全くなく、日が経つごとに声は出なくなっていた。
6日、バス移動の日、予定では早めに一人で帰って、思う存分出したい声を出して翌日に備えるつもりだったけど、朝起きたら全く声が出ない。恐れていた最悪の事態に。急遽、ホテルのチェックアウトも延長してもらい、眠れるだけ眠ることにする。
とにかくこの日は休むことにした。
出せば出すほどでなくなる状態になっているというのは、前日の名古屋ライブ中でわかっていたので、なるべく、誰とも話さないように、歩くのも、駅で新幹線出発までの時間も、ゆっくりゆっくりカラダが求めている悲鳴を聞くことにした。そう思ってみると、座った椅子から立てないほど、疲れているのがわかった。
家に帰ってからも、とにかく野菜と果物が食べたかったので、大量に買い込み、食べたくなくなるまで食べて、ぼーーっとし、カラダが治るのを待ち、一切声は出さなかった。
これはすごい賭けだった。これだけ鈍りきったカラダを、ライブ前日にさらに鈍りのどん底に突き落とすという、しかも、今日こんなことをしたからといって、翌日、使える状態に復活している確証なんて全くないのだ。
以前のあたしなら、焦りのためにここで全く眠れない一夜を過ごすハメになってしまったと思う。
でも、この日は焦りながらも眠ることができた。これがこのライブのすべてを決めたと思う。
翌朝、完全とまでは全くいかないが、わりと高音から一通りでるようになっていて、おそるおそるハミングから整えて、バラバラだったカラダをだましだまし、ボーカル用にしむけることができた。
ライブ自体は、
ほんとうにやってみて、これはあたしにほんとに必要なことだと実感するようなというか、あたしってほんとはああなんです、っていうか、
梅本さんも、思ってたのと全然違う!って、キュビズムだとか言って驚いてたけど、普段のあたしが持って来る印象の物とはちょっと違うんだと思う。もっともっともっと、ディープで、透明で、光の中を高速で抜けるような、キラキラキラの。
それにはまだまだまだまだ足りなくて、
この日やれることは努力して7割方できた、でも残る3割に悔いは残ってるし、今はまだありもので試してるところだけど、このバンド用の曲、スタイルが出来てくるだろうし、梅本さん言うキュビズムの、その各面のエッジをもっと立てたいんだけど、それにはまだまだ訓練しなくちゃいけないことがいっぱいあって、だけどそんなものどこ探したって何の教本にのってるようなことじゃないし
とまぁ、語りだしたらきりがないですが
ダイローとだったらできると思う。
やっと、入り口に立てたのかもしれないね 。