なんて言ってる久高島24時間ないほどの滞在中、
多分一番やっちまったのはこのあたしだった。
午後2時半からと6時から
今日の渋さライブは2回。間に合うように午前中の船で出る。
普通は定時に1便しかでないようだが、なにせ巨大ベースアンプやらドラムセット×2、40人分の食材、そしてそのほかにうちらとは関係ないお客さんも乗るものだからとても間に合わず、ピストンしてくれることになる。
海、空、風、
ほんとに、それしかない世界を経て
15分くらいで島に着く。
日本とは思えない美しさだった。
直径3キロほどしかない海に浮かんだこの環境は、どこに隠れても波の音がかなり大きく聞こえる。
ここで生まれ育つ人は、一生海の音を聞いて過ごすんだ。
港から歩いて、まずは島の神様にごあいさつにいく。
人ではない、なにか普通の建物だ。
そのあと、今日のライブ会場兼宿になる唯一の公共施設みたいなところに行く。
屋上発見してペロとバナと駆け上がる。すでに渡部君がくつろいでいた。
360度、海。
あの環境、ほんとに、世界はここしかなかった。
本島からたかだか15分来ただけで、この環境の違いはすさまじかった。
これが海外だったら、逆にすんなり受け入れられただろう。全く分からないから。
日本であるってだけで、やっぱりどうしても共感できそうな気がしてしまい、ここでの生活を想像しかけては、ものすごく遠くにつかめず消えていった。
泳いできた、というさるへんに会った。
不破さんに始まる前までに戻ってくればいいという許可をもらい、水着を着てとりあえず、道のある方へ走った。一番近くに海が見える方向へ走った。
会場から2分くらいで海に着いた。
途中道にいたカメラ持ったおじさんが、ずーっと海までついて来た。
海辺に入ると男の人が二人、岩の上で日光浴してた。多分渋さのお客さん。
「えー!まだ寒いですよ!」とか騒いでたけど、
彼らを乗り越えて、まっすぐ海に。
全く寒くなかった。
お天気は最高だったし、昼の2時頃はもうすでにじりじりした感じがある。
遠浅だったけど岩浜だったので、なかなか思うように歩けず、でも泳ぎだしちゃったらもう大丈夫、
水中メガネなかったから海の中見てもぼやけてよく見えなかったけど、なんとか足の着く深さをキープして泳いでた。
なんかにぎやかになってきたなーと思ったら、
東京から来てるkeikoさんやあゆみさん、てっしーたちに発見されてた。
波際で騒いでるうちに高い波にやられて、ほとんどみんなずぶぬれ。
そのうち、約一名、素っ裸になって泳ぎだす。
2時20分くらいまで泳いじゃって、慌ててそのまま返る。
島の海とも一体になったところで、はじめのライブはものすごく入りやすかった。
おとといのあの沖縄に住む人の気持ち、実際ここに到達したうちら、そしてこの環境。
そんなことを全部、自分のカラダ素通しさせて、音にした。
みんなもそうだったと思う。
できた、と思った。
あたしはライブ中、なぜか涙がでてきたが、
夜一緒に飲んでた二人、藤掛さんとベ二も、昼のライブでは涙が出たと言っていた。
不破さんも泣いてた。
次のライブまでの1時間くらいの間に、
みんなで砂浜に行くことになる。
運転は知る人ぞ知る。。。走る前からさすがに不破さんは「運転手変えよう運転手変えよう」と呪文のように唱えていたが、いざ、走り出した車から悲鳴が消えることはなかった。彼女的にはバックミラーに映るすべてが渡部君の赤フンの股間で、あれでおとなしい運転しろっつーほうがムリよねー!と、そっちはそっちで盛り上がっていた。
久高名所の波の高い岩場にいく。
渡部氏、波しぶきをバックに自然に撮影に入る。
その後砂浜に行ったが、もう夕方で、寒かった。が、なぜか水中メガネまでバッチリのおのあきと、不破さんと泳いだ。
夜のライブ
お客さんは大半が子供だった。
正座したままずーっといる子や、ペロにからかわれて玄関まで逃げてく子や、舞踏や紅どんの映像に口をぽっかり開けて見てる子や、ほんとにみんな反応が超素直。
泳いだ不破さんは眠くなり、ヒコーキの途中から寝てしまい、そのまま2曲寝続けた。
他にも途中かなりいろいろなおもしろい状況を経て最後には村中大騒ぎの勢い。
8人くらいで見に来てくれてた中学生は、帰り際、「きをつけーっ!れいっ!」「ありがとーございましたーっ!」って帰って行った。
昼も夜も無事終了、
あたしは、この久高島に深く接している人たちがものすごく喜んでいたので、それで安心した。
きっと大丈夫だったのだろう。お客さんの中には、途中で帰っちゃう人ももちろんいたし、子供をつれて帰りにきた人もいた。ちょっと眉間にしわ寄ってる感じで見てるおじさんおばさんもいたけど、でも、この土地をとっても大切にしている人たちみんながこうしているのだから、今回のこのことは、きっと島の人に受け入れられたのだろう。
すごく安心した。
夜、打ち上げの席に、今の久高の最高神職者、ノロが来てくれていた。
不破さんが紹介してくれた。
ノロはあたしの顔を見るなり
「悪い神様がきらう(寄ってこない)典型的な方ですね。ツアー中は彼女と一緒にいれば大丈夫ですよ。」と、具合が悪くなった北さんの奥さんに向かって言った。そして、あたしに向かって、「彼女を守ってあげて下さいね。」と言った。え、守るって、どーすればいいんですか、と聞いたら、
「なにもしなくていいですよ、持ってるもので十分なので、ときどき話したり、触ってあげたりしてください。今はライブの後で、いろんなものがあって落ち着きませんから、もう少し静かになったらやってみて下さい。」
うちは龍神なんです、ばあちゃんがこんな人で、と話すと、
「正統派ですよね、イタコさんといっても、いろんな方がいらっしゃいますけれども。。」
と言っていた。顔見てわかるのかー!久々だなーこの感じ!
イタコではないんだが、ぜひもっと話がしたかった。
あたしのツアー中の役目をバッチリと教えていただいたところで、
あたしはお客さんの一人に教えられた場所が非常に気になっていた。
すんごい鬱蒼とした森の中で、すんごいエネルギーを感じる場所なんだそうだ。ここから歩いて10分くらいですよ、もう行きましたか?と言われ、名前を教えてくれたが、変な名前ですぐに忘れた。
宴会にも疲れ、玄関先のロビーで一人雑誌を見ていると
アレ?これは?
あのお客さんが勧めてくれたっぽい発音だなぁ。くぼーうたき。。ヘンな名前。
疲れたのでそのまま11時頃に寝てしまった。
明日、とんでもないことになるための体力温存。だった。