落ちてゆく
今日が始まった。
母さんからTEL、
父さんからもTEL。
母さんには2日前くらい、すごい怒り口調で話してしまって
かわいそうなことをした。後悔している。
サビが浮き彫りになってくる。
錆び付いていたことにも、今、気がつく。
ギリギリとサビどうしがこすれて削られながら回っていく歯車。
あたしのノーミソはこんなにもまだ目がみえる。
にごった眼がねをかけていることに気づかない。
大かたの幸せのもたらすこの世の解釈。
しかし、それを取り外せるチャンスはすべての人にあるのだろう。
生と死を直感する瞬間。
そこに見えた
一瞬の色、
一瞬の鋭さ、
一瞬の強さ
その鮮やかさに、手足は朝からしびれっぱなし。
泣いてすがりたい何かに。
泣きはらしたカラダに残るものは
これから出会うであろう巨大な獣に気配を感じ取られぬよう
すすり泣く心臓の鼓動を押さえ(静め)
忍び足で
自分ではあらぬ方向へ
全神経をとぎすまして導かれていくことだ。