KIRIN WORLD CHALLENGE キリンカップサッカー2005
日本代表×ペルー代表
◇22日13時25分◇新潟スタジアム ◇39856人 ◇曇り一時晴れ ◇ミシェル(主)、バルコ、スリスコ、柏原
日本0前半0ペルー
日本0後半1ペルー
−−−−−−−−−
日本0合計1ペルー
57% 支配率 43%
得点:[ペルー]89'バサージョ
[日本先発]GK川口能活、DF田中誠、宮本恒靖、坪井慶介、MF遠藤保仁、小笠原満男、三都主アレサンドロ、福西崇史(69'稲本潤一)、三浦淳宏、FW鈴木隆行(79 本山雅志)、玉田圭司、(53'大黒将志)
新潟スタジアムで日本代表が試合をするのは、2003年9月のセネガル戦以来。はっきりいって、この時は「どうでもいい試合」で日本のモチベーションも低く、1週間前から来日して本気モードのセネガルに気合負けの0−1だった。
あれから1年半、今回はW杯2次予選を目前に控えて非常に重要なトレーニングマッチとあって注目度も非常に高い試合。相手のペルーはFIFAランキング70位。日本の18位がバブリーなものだとしても格下と言えるチーム。しかも国内メンバーのみで言ってみれば1軍半の上、長時間の移動でコンディションも悪いだろう。言ってみれば格下に大勝して勢いをつけるという意味合いの込められたマッチメークのはずであった。
しかし、試合が始まるとそんな楽観的な予想は根本から覆された。しっかりと守備を固めて平均190cmという高さのある相手DFに日本の鈴木、玉田ではまったくといっていいほど崩すことが出来ない。逆にしばしば見せるペルーの鋭いカウンターにてこずる。
後半に入ってようやく玉田に代えて大黒投入。続いて稲本をボランチに入れることによってようやく攻撃がつながりはじめる。特に右に、中にとポジションを換えて動き回る大黒によって、さすがのペルーDFも崩されることが多くなる。だが最後のシュートはなかなか枠にいかない。結局枠に飛んだシュートは3本だけだった。
ロスタイムは5分。このまま0−0では終われないと前がかりになった日本に悪夢の瞬間が訪れる。カウンター攻撃からバサージョが抜け出しゴール前に迫る。飛び出したGK川口とDF坪井が交錯するところをあっさり流し込まれた。
そして最後のFKのチャンスもものにできずに試合終了。これでジーコジャパンは南米のチームに勝てないジンクスは温存されてしまったのだった。
この敗戦は、結果としては現在の日本代表の問題点を炙り出す格好の試合となった。がっちりと引いて守る、高さのあるDFをどう崩すのか。その戦略は日本にはなかった。
そしてジーコの選手起用の問題点も。なぜ今シーズンノーゴールの玉田を先発で使ったのか。試合の流れを変えたのは明らかにJリーグ得点トップの大黒である。調子の良し悪しにかかわらず同じ選手を使いつづけるという方法は、チーム作りの序盤にあっては、意味があることかもしれないが、いざこの期に及んでの対応については疑問視せざるを得ないのではないか。
いつもと違ってブルーに染まったビッグスワンを見ながら、いつも敵として対戦している大黒や小笠原の活躍を期待するというねじれた精神構造を不思議におもいつつ、スタジアムを後にした。

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