今日開かれた
友人 Kちゃんのコンサートは、大成功を収めました

病院のホールは、満員でした。入院患者さん、そして
Kちゃんの友人、看護士さんたちが、彼女の歌声を聴きに集まってきていました。
ボランティアの皆さんがコンサートを支えていました。
わたしは最前列で
Kちゃんを待っていました。ちょうどドアが開き、ドクター、看護士さんに支えられた
Kちゃんの姿が見えました。
彼女は私に気付いて、小さくガッツポーズをしました。わたしも思わず一緒にこぶしを握りました。コンサートが成功するようにとの願いをこめて。
そして、コンサートは幕を開けたのです。
麻痺した右側の顔を手で押さえての熱唱。
右手にはわたしが作ったパワーストーンのブレスレットをつけてくれていました。
今朝までコンサートの開催は危ぶまれていたそうです。
そんなことは感じさせない美しい歌声。話す声を出すのさえ困難だったことを感じさせない力強い歌声に胸がいっぱいになって、涙が零れました。
魂の歌。崇高で希望に満ちた歌声。会場のあちこちからすすり泣きが聞こえました。
「星に願いを」「踊り明かそう」そして
日本の夏の愛唱歌
Kちゃんの選曲は、年配の患者さんたちも口ずさめる歌でした。
途中で、
Kちゃんからの挨拶が。わたしが覚えてる限りを書きますね。
「病気のことを知ったとき、目の前が真っ暗になるといいますが、わたしは頭の中が真っ白になりました。そして、何回かの手術から治療に入り、今も入院しています。
本当は、このコンサートは、病と闘っている皆さんの力になれたらという気持ちから企画しました。ところが、最近自分自身の体調が思わしくなく、ボランティアのつもりが逆に、皆さんのボランティアのお力を借りて、開催できることになりました。
わたしはひとりっこで、自分のことは自分自身ですべてしてしまう性格で、そうやって生きてきました。けれど、病気になって初めて気付いたことがあります。
それは、人はひとりでは生きてはいけないということ。
いろんな人と出会い、支え合いながら生きているのだということ知ったのです。
今日のコンサートも多くの方のお力をお借りして開催することができたことを、心から感謝します。そして、わたしの歌が、少しでも皆さんのパワーとなることができたなら、幸せです」
涙をこらえながら、しっかりと前を見据えながら話す
Kちゃん。凛として、本当に美しく輝いていました。きっと会場にいた方々もそう感じられたのではないでしょうか。
ピアニストのOさん、チェリストのAさんが、
Kちゃんのために、駆けつけ、美しい調べを奏でてくれました。
二人の競演「白鳥の湖」に酔いしれました

二人が演奏中は
Kちゃんは外に出て椅子にすわり、先生や看護士さんに見守られていました。
わたしの席からはその様子が見えるので、どうか最後まで歌いきれるようにと祈り続けました。そして・・・
無事コンサートは終了。彼女は歌いきったのです。
沢山の花束とプレゼントが贈られました。
われんばかりの拍手に送られて、
Kちゃんは颯爽と会場を後にしました。
途中声がかすれたり、苦しそうに机で体を支えながら、それでも歌いきった彼女の姿を忘れる事はないでしょう。
今日のために抗○剤治療をとめていたそうです。
また、闘いが始まります。でも、今日のコンサートを成し遂げた
Kちゃんは負けない。
そう信じています。そして、これからも出来る限り、彼女を支えてきたいと想っています。
長文にお付き合いくださりありがとうございました。感謝します。
彼女の歌声、少しですが、是非お聴きください。

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