レイ・レイ
今回初めて会うフィリップの彼女。
中国人で、建築専攻の留学生。
この日中ゴタゴタ問題のさなか、こんなに近くに中国人と個人的に接する機会があるなんて、ラッキーだった。
シャイな彼女は、フィリップに紹介され、中国人なんだって言われかけて「言わなくていいから!」みたいな反応してた。
政治家がやってることか偉い事か何か知らないけれど、
全くあたしとレイは初めて会ったというのに、すでにボーダーが引かれているっていう感じは、ほんとうにほんとうに、悲しい。
なんで見ず知らずの人同士が、最初から嫌いあってなきゃいけないのか。
最初はフィリップが通訳する感じで進んでいった。
レイはドイツ語はできるが、英語が全くダメなのだ。
食事を準備してくれながら、フィリップにばかり話しかける。
あたしはゆっくり呼吸しながら、上海に弟が仕事で行っていたことなどを話し出す。
すると、「上海のどこ?」と、ドイツ語なまりの英語で話しかけてきた。
かけるべきは時間か。
同じテーブルをかこんで同じ物を食べていると、それぞれが自身でありはじめる安心感とゆとりがでてくる。
彼女は日本の建築に非常に興味を持っていて、いい現代建築家をたくさん知っていた。あたしが全然おいつかないくらい。数日後には、日本に1週間行ってくると言っていた。
目をキラキラさせて、次々と日本の本を持ってくる。ほんとに日本びいきだ。
「これはなに?これはなに?」と、おめんや、古いおもちゃや道具、祭りなんかの写真集をだしてくる。
かなりマニアックなヘンなものがいっぱいあって、あきちゃんがあの低い声で「アーイドンノー。」というのに、いちいちうけていた。
あーー、こうなんだなー
と思った。
中国の人って、本当に子供みたいに、素直なんだ。
純真で、
だから、ちょっとでも何か反にふれるものがあると、子供みたいに、あんなに極端になっちゃったりするんだ。
中国暴動の、ノリがわかった。
でもこれは、あたしが幸運にも個人的に、レイという中国人に接する機会に恵まれたからわかったナゾ解きであって、起こった事をただ垂れ流す今の報道の仕方では、双方全く伝わらないと思う。
中国人も日本人も双方知ってる人
本当に誤解が多いと思うんだけど、ほんとにこれは、個人的な付き合いにまでいかないと、理解しかねる領域だと思う。
日本人もわからないし、中国人も、わからない。
両方の気持ちをわかって、丁寧に、じっくり。
お願いしますネ。
レイがあたし達に気をつかって作ってくれたお米の夕飯は、ほんっとうにおいしかった。