天使を見た。
駅で見かけた女の子 一瞬すれ違った。
ビッコをひいて、杖をついて歩いていた。ゆっくりゆっくりと。
その顔
表情。
なにがそんなにしあわせなの?
顔を見て驚いた。
彼女は全くその不自由な体から解放されていて、内にこもる陰がカケラもなかった。内に向かうベクトルが皆無だった。
通り抜けられそうなくらい、彼女にはなにもなかった。
足を引きずりながら、その目線は遠く外に向いており、意識のすべてが自分以外の外の世界に向かっていた。やさしく微笑みながら。
神様はこうやって訪れる。
あたしの神様は、こうやって会いにきてくれる。