「の・ようなもの のようなもの」
2015年(松竹)95分
監督:杉山泰一 製作代表:高橋敏弘/佐野真之/安田猛/矢内廣 製作総指揮:大角正 プロデューサー:三沢和子/池田史嗣/古郡真也
アソシエイトプロデューサー:竹内伸治 ラインプロデューサー: 橋本靖 原案:森田芳光 脚本:堀口正樹 撮影:沖村志宏 美術: 小澤秀高 衣装:宮本まさ江 音楽:大島ミチル 主題歌:尾藤イサオ『シー・ユー・アゲイン雰囲気』
出演:松山ケンイチ(出船亭志ん田)/北川景子(夕美)/伊藤克信(出船亭志ん魚)/尾藤イサオ(出船亭志ん米)/でんでん(出船亭志ん水)/野村宏伸(出船亭志ん麦)/鈴木亮平(蕎麦屋の出前)/ピエール瀧(渡辺孝太郎)/佐々木蔵之介(みやげ物屋の店主)/塚地武雅(銭湯の男)/宮川一朗太(弁当屋のオジちゃん)/鈴木京香(都せんべい女主人)/仲村トオル(居酒屋の主人)/笹野高史(床屋の主人)/内海桂子(秋枝婆さん)/三田佳子(斉藤女会長)
上映館:イオンシネマ新潟南SC3
採点:★★★★☆
森田芳光監督のデビュー作「の・ようなもの」(1981年)は新宿のシネマスクエアとうきゅうで単館ロードショー。入場料金は破格の995円(1000円払って5円玉が入った「お守り(のようなもの)」をもらうというユニークなシステム)でした。
森田芳光の名は1978年の第二回ぴあ自主製作映画展入賞作の「ライブイン茅ヶ崎」を観ていたので知っており、さっそく「の・ようなもの」を観に行き、確か翌日もう一回観たと思うのですが、とにかくみずみずしい魅力に満ちた作品でした。
今回、その続編が出来たというので観に行ったわけですが、ほろ苦い味わいの佳作だと思います。
「の・ようなもの」を観ていない人がこの作品をどう評価するのかはちょっと分からないですが、自分としては、あの愛すべき作品の世界をうまく引き継いだ作品だと思います。もし、森田監督が存命で続編を作ったら、こういう作品にはならないように思いますが、「の・ようなもの」が持っていた、いい意味で素人臭い雰囲気を忠実に再現しつつも、志ん魚(しんとと)という、一度人生を挫折した人間のつつましい生活ぶりを人間臭く描いています。
そこに志ん田(しんでん)と夕美という若い二人を絡ませることによって、映画全体が辛気臭くならずに済んでいるという点でも成功していると思います。
前作の出演者、尾藤イサオ、でんでん、があまり変わらない雰囲気なのに伊藤克信の変わりようはちょっとショックではありますが、その辺もストーリーに合っていて旨いと思います。
チョイ役で出ている人たちの豪華な顔ぶれを見るにつけ、森田芳光という人がいかに人々に愛されていたかがわかる映画でした。
http://no-younamono.jp/

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