Vita Nova、新生は、イタリアはフィレンツェ、1265年生まれのダンテ・アリギエーリにさかのぼる。1274年春、9歳のダンテは、祭の祝いの席でおなじく9歳の少女、ベアトリーチェと出会い、あたかも啓示のような熱情にうたれる。さらに9年のち橋のたもとでの再会を、青年は奇跡のように感じるだろう。あまりに巨大で、かけがえのない愛は危険ですらあり、外側に発出させることができない。そこで決定的なあやまちが起きてしまう。この愛を隠そうと、他の女性たちに恋をしているかのように振る舞い、それは結局、彼女を傷つけ、二人は離れてゆく。そして、ダンテが愛を取り戻す前に、ベアトリーチェは死ぬのだ。それはダンテにとり二度と取り返しのつかない最悪の罪であり、喪失であり、永遠に「輪は閉ざされ、出口はない」。
そうして、書かれたのが詩集『新生』(La Vita Nuova)である。
ひたすらにベアトリーチェを、もはやけっして取り返しのつかない愛を、歌い尽くす。