長良川鉄道は経営的に厳しい状態にあります。経営努力も大事ですが、社会全体で支援できないでしょうか。岐阜の路面電車がそうなのですが、一度廃止になると再生することは容易ではありません。
経営厳しい長良川鉄道(岐阜新聞)
美濃加茂市と郡上市を結ぶ第3セクター長良川鉄道(本社関市元重町)は、高速道路網の整備や少子化の進展などに伴い、乗客数は年々減少。昨年度は経常損失が過去最高の約2億円となるなど存続の危機にある。しかし、高校生や高齢者にとっては重要な交通機関であり、自動車に代わる代替輸送機関の役目もある。開業20年を迎え、岐路に立つ長良川鉄道にかかわる沿線各市の姿勢などを探った。
長良川鉄道は、沿線4市1町などによる赤字補てんや修繕費補助を合わせて約2億円の特別収益によって存続している。延長72・1キロの約3分の2に当たる46キロがある郡上市は約1億円を拠出し、大きな負担となっている。
同社の社長を務める硲孝司郡上市長は「厳しい経営状態にあるが、将来を軽々しくは言えない」としながらも「総合的な公共輸送の観点から、時間をかけてどういう整理の仕方がいいか、住民の理解を求めながら検討したい」と語る。
同市では、駅ホームと直結する同市美並町の市営子宝の湯温泉に関し、同鉄道を利用すれば入湯税の50円だけで入れるなど利用促進を図るが有効な手段には至っていない。長良川鉄道協力会の桜井実会長=同市美並町=は「何が何でも存続とは言わないが、何もせずに廃止ではなく、経営努力を」と期待する。
美濃加茂市では沿線が約5・6キロだが、関市方面への通学の足として存続を願う。美濃太田駅の年間利用者は延べ約13万人で、同鉄道全駅の中で最も多い。大半は、JRとの乗換駅として利用する乗客で、多治見市や高山市、岐阜市などへの中継点として位置付けられている。
同市では、行楽シーズンを中心に同鉄道のPRに努めているが「途中下車してもらえるような環境整備が大切。沿線に魅力的なスポットがあれば、それを目玉にPRできる」と話すなど、当面は、ほかの沿線自治体の打ち出す誘客策に頼らざるを得ないのが現状だ。
関市は、約11億円をかけて関駅周辺にバスターミナルなどを整備する「関駅周辺整備事業」を予定しており、鉄道の可能性を見直した市街地再生を進めている。23日には「長良川鉄道開業20周年記念祭」に合わせ、関駅利用客に自転車を貸し出す「レンタサイクル」を試験的に始める。自転車3台をホーム内に置き、無料で貸し出す。利用者が増えれば、ほかの駅でも実施していきたいという考えだ。
通学に生徒約350人が利用する美濃市は、観光や通勤に自転車を利用するサイクルシティー構想を描く。今年7月、自転車愛好者約35人が、同鉄道の1両を貸し切り、関駅から郡上八幡駅まで乗車した。同市はイベントのほか継続的な利用者の増加を図る試みを進めようとしている。
同鉄道の存廃に関する調査と討議も含めて、今後の在り方を定めるため各市町の一層の連携が期待される。
【写真】通学の高校生や高齢者らが利用する長良川鉄道=郡上市八幡町、郡上八幡駅
(北川知樹、山田雄大、松田尚康、森嶋哲也)
岐阜新聞Web版 > 躍動 中濃圏域 2006年11月18日(土) より

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