お腹の中の赤ちゃんへプレゼント。
そういうの、何だかいいですよね。
ある日、主人と買い物に行き、絵本が目に止まりました。
新見南吉の名作、『
手ぶくろを買いに』(挿絵:黒井健)の絵本です。
『手ぶくろを買いに』は、私は初めて読んだのは小学2年だか3年だかの国語の教科書でした。おそらく、同年代の人ならほぼそんな感じだと思います。当時からとてもかわいらしいお話だということで気に入ってました。夜の雪原、人間の街を目指して歩く母子のきつね。月明かりに照らされたその足跡に、「コバルト色の影がたまって」という表現があって、それがとても美しいと感じたのを覚えています。
しかも、その時みかけた本は、黒井健さんの美しい挿絵によるものでした。もともと黒井健さんの作風はとても好きでしたが、幻想的なまでに美しい、色鉛筆の温かいその挿絵をみて、絵とお話が理想的なまでにマッチしたその本を、まだ見ぬわが子への贈り物にすることに決めたのでした。
読めるようになるのは、順調にいっても小学校入学頃くらいかなあ、と思いながら。
私が唯一子育てに託していた夢があったとしたら、
「親子で一緒に絵本を読みたい」
というただ一点につきます。
私自身、幼い頃からとにかく本の形をしたものが大好きでした。
母が、幼い私と弟の枕元で、毎夜聞かせてくれた寝物語は、私にとって大切な思い出でした。私はどちらかといえば自分からあれこれ欲しいとねだる方ではありませんでしたが、本を買ってもらうのは好きで、しかも物心がついてからは折り目をつけることもなく、きれいに保存していました。切り抜き工作絵本、というタイプの本さえ、薄い紙に線をうつしとって、そっちの方を切り取って組み立ててました…(それはやりすぎ?)
その当時から、
「私の持っている本は、いつか私の子供が生まれたら、子供に譲るもの。」という気持ちがありました。
幼児期から学童期にかけて、私が買ってもらった本は、ほとんど当時のまま今も実家の押入にしまってあります。200冊近くあるかも…
そういうこともあって、胎児の耳が聞こえるようになっているらしい7ヶ月頃から、時折絵本の読み聞かせをしたりしてました。胎教といえば普通クラシックかなと思うのですが、そっちはまったく聞いてません。ホントに、単純にやりたかったからやったという感じです。
読み聞かせたのは、上述の『手ぶくろを買いに』のほか、主人が実際に子供の頃読んでいた(しかもそれで何度となく泣いた)という『フランダースの犬』の絵本、他は『星の王子さま』の一部(こぎつねのエピソードのあたり)を繰り返し読んでいました。
正直、私の方が落ち着きました…そんなもんですよね。
主人の方は、同窓会で鳴門に行った際、「
ガレの森美術館」のミュージアムショップで、小さなガラスの天使を買ってきました。クリスタルやトルコ石の小さな石を編み込んだビーズの指輪と一緒にです。
これも、息子が飲み込んだりなくしたりすると哀しいので、少し大きくなってからあげようね、ということにしています。
いつか、
「あなたが生まれる前に、将来のあなたのために買っておいたプレゼントだよ」と話して渡してあげたい。それを楽しみにしています。

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