村上春樹と太宰治が読みたくなる時って、なんか妙なエアポケットにはまったときなんだよねー。
太宰治は、高校生の頃どうしても彼の全集がほしくて、バイトで貯めた3万円を握りしめ、小樽の紀伊国屋書店までメロスのごとく疾走をしたものです。全部で12,3冊あったので、とても一人では運びきれず、友人二人をひきつれて。、今思えば、やっぱ変な子供だな。普通、女子高校生が3万円払って太宰治全集(それもハードカバー)を買わんやろ。でも、わたしはいまだかつて「人間失格」を上回るキャッチコピーをみたことがないのです。
ちなみに、これにはオチがあって。
買った全集はすべて当用漢字!!要は文字が読めないわけです。おいおい、大枚3万円を払った本が読めない!!とはどういうことじゃ、と己に怒り心頭。仕方なく漢字辞書を片手に「当用&常用漢字の一覧」を作り、それと本を照らし合わせながら「斜陽」「パンドラの匣」「津軽」などを読んだわけです。太宰治は女の扱いが妙にうまくて、小説の中のワンフレーズ「泣いている女には柿を食わせるといい」―が今でも頭から離れないわけで。甘いものを食べさせると女は黙る、ということを彼は本能で知っていたのか、はてまた計算だったのか。。。
次に村上春樹だけど、「ノルウェーの森」がブレイクしているときは見向きもせず、彼の作品を読むようになったのは、ずいぶん大人になってから。20歳は過ぎてたな。それもふと立ち止まった古本屋で比較的きれいなハードカバー上下巻買った(なぜだか、その本屋には、見捨てられた仔猫のように「ノルウェーの森」がたくさんあったのです)何が悲しかったのかはよく覚えていないけど、読みながら号泣したもんです。
そこから春樹(とあえて言おう)の世界にはまり、「風の歌を聴け」「1973年のピンボール」「ダンス・ダンス・ダンス」「ハードボイルドとワンダーランド」など、片っぱしから読み漁った。
村上春樹は形容詞と副詞使いの天才だな、と思う。つまりそれは英語の道に通づるのだけど。ちなみに、昨日から「羊をめぐる冒険」を再読中。