2008/7/1
「まだ一周リードしている その1」
フランスのエリート校であるグランゼコールの出身者をモリエール風に風刺しますとこうなります。「あるフランスのENA(国立行政院)卒の超エリートがアフリカを旅行した時のことです。ところが突然ライオンが襲いかかりこのエリートは大木の周りをくるくるとライオンに追いかけられて走りだしました。周りの人は「早く逃げないと食われちゃうよ」と大声で叫びましたが,そのエリート少しも慌てずこう答えたそうです。「な〜に,大丈夫さ!まだ一周リードしている♪」と。
これはエリート校卒業生がいかに莫迦であるかの例え話ですが入学できなかった落第生のひがみでもある訳です。私は小さなフランスの会社の日本支社(世界的には大きいのですが)に20年半いましたので一般の方よりは解っているつもりです。
HECとはHaute Ecole Commerciale(高等商業学校)ですが一説にはこのHEC 東大 ハーバードビジネススクール出身の三人を雇用すれば,確実に会社をつぶしてくれるそうです。
仏領ポリネシア時代もらった名刺。HECと出身校が印刷されている。これはお前は少々頭が高い。この名刺が目に入らぬか!ひかえろ〜!という含みです。あぁ,厭だ。
最近ではフランスの大手スーパー「カルフール」が日本進出しましたが,あっという間に閉店。フランス語は世界中でみな話していると勘違いしているアナログ人間がこのHEC出身者。
フランスの教育はこと大学教育に関しては,中央集権的であり,また行政機構なども,ナポレオン帝政時代の姿がそのまま残っている。
高等教育は複雑で,大学 大学校(グランゼコール)と近年増えている技術短期大学がある。
日産自動車のゴーンさんの出身校である国立鉱山大学校なども最近のしてきている。
文科・理科を含む高等師範学校(Ecole Normale Superieure)や国防省の管轄下にある理工科学校(Ecole Polytechnique)などがある。
HECは商業関係のトップを また高級テクノクラート養成機関として,国立行政院Ecole Nationale d’administration)がある。
通称ENAと呼ばれ40人くらいしか採らない。いきなり多数の企業に派遣され研修を受ける。40人のクラスで皆ガリ勉のため4年間いてもお互い名前も知らないこともあるという。
それも上位5人に入れば即 内閣官房入りとなり,すえは大臣の椅子が約束される。もし民間企業がENA(通称エナルク)を採用した場合,国に対し10年間上納金を納めなくてはならない。ENAの卒業生は圧倒的に政界で活躍するチャンスが多く,落第すれすれの卒業生も民間に入社すれば,いきなり副社長クラスでじっくり遊ばせてもらえる。HECクラスではユダヤ系もかなりいるが,ことENAでは全くいない。ある国では差別という言葉があるが,この国では区別するという言葉がある。しかしモサドのサルコジが大統領になってしまう現実はこの国が急速に病んでいる証拠でもある。
とくに商業関係に進む人はJeune Cadre(若手管理職候補)とよばれ,入社するとコペンハーゲンにある研修所で「植民地支配について徹底して訓練をうける」いわゆる「生かさず殺さず,君臨すれど統治せず」を身につけた人たちは,将来を保障されるが赤い血をもった人間は一人もいない冷酷非常な人間に生まれ変わることになる。
それ以外の人は,ボンベイ支社長にはなれてもニューヨークや東京支社長には絶対になれない仕組みになっている。 一般に日本における外資といわれる会社は若者の憧れとなっているが,そこに働く労務管理を担当する日本人は「外資ゴロ」とよばれ冷酷で身の保身しか考えない連中で占められている。そこには狼と羊の論理しかない。社員は本社の社員とは違い「要員」として考えられている。一言で言えば「殺す側の論理と殺される側の論理」で決して一致することはない。人間の草かり場でもある。
それがいやなら「木魚で般若心境」を毎日唸りながらの朝礼,巻物をひろげ,会社の遵奉するべき精神を全員で唱和し,NHKのラジオ体操のあと 社歌を歌うという,こういう日常を選択するしかないのが悲しい現実です。
エリート校に入る前に幼稚園とフランス式喧嘩のやり方について少々.....
仏領ポリネシアでもフランス本国と同じ教育システムが採り入れられている。授業料はほとんどが無料。ただし子供に万一の場合の事を考えて,保険は強制的に入れられる。これがけっこう高い。いわゆるオールリスク保険だ。
子供をヨロシクという表現はフランス語にはない。ヨロシクを強いて言えば Je vous confie mon enfant(子供をあなたに任せます)でしょうかね。責任をもって指導しているので授業参観などは無い。
小・中学校の先生より幼稚園の先生の給料のほうが高い。給食は教室をならべかえてのにわか食堂ではなく,ちゃんと食堂もある。
食べることが文化の国である。 幼稚園児といっても国の宝。毎日メニューが変りオードブルからデザートまでいちおう全部でる。パパ・ママの車で毎朝幼稚園まで送られ,門の外で子供を見送り,門の中には親でも入れない。終了時間になるとパパ・ママの車でしばらくラッシュが続く。
はじめて子供を幼稚園に入れる日のみパパ・ママは特別に門の中へ入ることが許される。しばらく教室の外で見ていてもよいことになっている。見知らぬ子ばかりで子供達は落ち着かない。状況をみて,先生はパパ・ママに園の外に出るよう指示する。
ひとりの子供が泣き出す。すると一人 また一人 初入園のクラスは大合唱となり,門の外で待つ,パパ・ママは心配げな顔で覗きこむ。意を決してかえるママ,いつまでも門の外で見ているパパ。これは日本でも同じだ。
やがて午後3時,お昼ねが終わって皆仲良く,手をつないで出てきた。パパ・ママにキスされて子供達は帰って行く。
フランス式喧嘩のやり方
若い頃 フランスによく行った。
レンタカーを借りバルビゾンをめざして走っていた。
大型トラックとあぶなく衝突しそうになった。
この糞ガキ どこ見てんだ バカヤロー コノヤローと
くると思ったが,さすがフランスのトラック野朗は
言うことが格好いい。
頭を使え 坊や!(マルシェ ラ テート ギャルソン)
こういわれると,バカヤローよりもはるかに気持ちいいし
ニヤッとしてしまうから不思議だ。
トラックの運ちゃんでも気性の激しいむきは
こう言うであろう。
テメーの手足に番号つけとけやがれ!(Tu peux numeroter tes abatis)
これは一般に言われている喧嘩の前のエチケットで,これからお前をたたきのめして手足が飛ぶかもしれないし,どこへ飛んでゆくかも知れないよ。
俺をなめると,とんでもないことになるよ。という意味だ。
フランスのあんちゃんは,どこにでもいる。モンマルトル界隈なんかは,世界中からくるおのぼりさんを,ひっかけるため,あんちゃんはかならず沢山いる。
こんなとき「テメーの手足に」云々はいきなり言っても意味がない。
まずあなたの話している相手がどんなにこわい
危険きわまりない人物であるかを,説明しなくては
ならない。 僕がよく使ったのは,つぎのような
パターンでまず逃げ出すことは間違いない。
(僕)ところであんちゃん 日本の柔道知っているか?
(あんちゃん) 柔道?もちろん知っているさ。
(僕)僕は柔道5段だ。
(あんちゃん) それは たまげた!
(僕) 日本の講道館の五段は,フランスの十段に匹敵する。
(あんちゃん)黒帯?(サンチュール・ノアール?)
(僕) 柔道の目的はあくまで防御だが,万一攻撃されると感じたときは,容赦はしな い。
(あんちゃん)−−−−−−−−−−
(僕)ところで君の手足に番号はついているか?
(あんちゃん) じゃ またな!
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