2017/9/30

VICTORIA 0205  トム・ヒューズ

今週もとっても面白かったVICTORIAシリーズ2エピ5でした。

ナポレオン以来戦争を続けていた英仏が、スペイン女王の結婚をめぐってまた怪しい雰囲気になっています。

スペインと同盟を結ぶ国はヨーロッパにおいて国力を増し、結べなかった国は取り残されるので、スペイン女王が英仏どちらかに近い夫を選ぶかで勢力の均衡が変わるからです。

フランスは時にナポレオンが退位し、ルイ・フィリップ王が君主、スペイン王女と自分の息子を結婚させて革命以来不安定なフランス王家よりもスペインの王家とのつながりで子孫の安定を図ろうという画策ですね。

一方、イギリス王家のヴィクトリア&アルバートは2人共ドイツのコルボーク公国の血を引いているため、2人の叔父のベルギー王レオポルドの息子をスペイン女王と結婚させたいこともある。だがそれよりもまず、フランスがスペインを手に入れるのをイギリス政府は許せないわけです。

ヴィクトリアは、年若く摂政の母親に決定権を握られるスペイン女王に「poor girl」と自らの過去に重ね同情しつつも、首相ロバート・ピールの懸念に対して「私が話してみましょう」とフランス行きを決行します。

さて面白いのがこれからで、ドーバーを船で渡りフランスへ旅立つご一行の浮かれた様子で、当時からフランスがイギリスにとって敵ながらも華やかな国としてみんなが楽しみにしているのが伺えます。アルバートと衣装係長バッカルー公爵夫人以外は。

ヴィクトリアが旅支度をしている時から「絶対持っていく!」と言っていたのがこちらの愛犬ダッシュの刺繍入りのバッグ。

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なんて愛らしい!イギリスも日本のオタク趣味に近いですね。

・・・しかしこのワンコバッグも、港に迎えに来たフランス王側近の婦人達の目には「あまり趣味のよろしくないもの」と映ったようで、「あのバッグ見ました?」「ありえませんわね」みたいなこと言われてましたwww

いつの世も、流行最先端というのはある程度パターンがあって、そこから外れるものは「オシャレでない」という烙印を押されてしまうようで。

そしてそして!そんな自分を見る目に気づいたヴィクトリアは、フランス人のおしゃれを取り入れて、お化粧をして晩餐会に現れましたが、フランス王やアルバートの兄エルンストが彼女に賞賛の言葉をかけたのと逆にアルバートは無言。

実直な性格なので素直に褒めるのが恥ずかしかったのか?と思ったら、なんと化粧そのものに拒絶反応を起こしていたアルバート!!

イギリス人の貴族ってお化粧はしてなかったの?と私もびっくり。髪型やドレスには気を使っても、どうもイギリス人たるもの、顔にペイントを施すのは人工的という考えだったようで・・・後のエリザベスなんて1050年代に真っ赤な口紅ですし一体いつから変わったのでしょう。

で、この怖いものでも見たようなアルバートの表情とセリフがおかしくておかしくて。

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ドイツ人のアルバートにとっては、イギリス人以上に「自然に反するもの」は耐えられないものだったのか、それとも彼の性格なのか。

そしてフランス滞在中はフランス文化が「洗練されているはずであるが笑えるよね」的に描かれていて、それを主張するイギリス人の頑固さ、イギリスの食事にこだわる様子が自虐ネタに。例えばトーストが食べたい公爵夫人はフランスパンをつまんで「妙なカタチだこと!」と言い捨てるし。

そしてそして!

フランス文化に辟易していたアルバートが、美しく手入れされた庭園でのピクニックを抜け出し、フランス王子と森に散歩に出かけた時のこと!池を見つけて服を脱いで飛び込むアルバートに誘われても、「冷たいし濡れるし文明的でない」と断るフランス王子に追いついた、イギリス勢の若者2人の明るい顔と言ったら!

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おもちゃを見つけた子供のような2人の顔!

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すっぽんぽんで池ではしゃぐ3人の男と言えば、「眺めのいい部屋」から「戦場へのラブレター」までイギリス映画の十八番なのでしょうか。3人に次いで水に飛び込んだのはアルバートの兄エルンスト。彼は父亡き後、公国の君主となったというのに。王家だろうが公家だろうが池を見ると入らないではいられない男たち。。。

を木陰でタバコを吸いながら尻目に見ていた王子の結婚のライバルは、アルバートやエルンストの従兄弟。

子息とスペイン女王の結婚を考え直すよう説得に来たヴィクトリアにフランス王が言ったのは、

「美男子のコルボーグの王子達がヨーロッパ中の女王をさらいコルボーグ帝国を築かせるわけにはいかん」

これは本音だろうと思いますが、ヴィクトリアはこれに対して

「私はさらわれたのではなく、愛しているから結婚したのです」

美男に惚れて結婚したこととさらわれたのは意味が違うのは、彼女が全ての決定権を持つからでしょうか。私には同じ意味に思えましたけど。

でも、自分の本当の父がレオポルドであると父の葬儀で聞いてきたアルバートが、ついに自分たちの結婚と子供達は正統でないかもしれない苦しみをヴィクトリアに打ち明けた時のヴィクトリアの言葉、

「あなたが自分を誰なのかわからなくても、私にはわかっています」

これには胸を打たれ、愛してないと言えないよなぁと涙が出ました。その時スクリーンでもアルバートの頬を涙がつたっていました。。。
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2017/9/28

カルチャーショック  イギリス

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ロンドンに住む仲良しのAちゃんが来ていました。
お仕事でロンドンにも行けない私は、ベン・ウィショー主演の舞台のパンフレットと脚本を買ってきてとお願いし、ありがたく入手できました。

Aちゃんは、私が2001年の夏にロンドンへ行ったすぐ後、2001年の冬からずっと住んでいます。

価値観が近いのでありがたい友人なんですが、

今回は、さっそく私が新しい勤務先で出会った「私が思う日本的な習慣で嫌なこと」から始まり、外国でびっくりしたカルチャーショック話で盛り上がりましたので、ちょっと書いておきます。

(私は外資系企業で働いてるのに、バリバリ旧日本的なんで愚痴ってます)

はっきり言って、くだらないことばかりかも!


*私が勤務先でキッチンの洗い物をしていた時(飲食業なのです)、トレーニングしてくれた先輩に「洗剤はふつうスポンジの方につけますよね?!」と注意された

そうなんですかね?洗いおけに溜めたお湯に溶かしたり、洗う食器の方につけないの?ケースバイケースじゃないの?「ふつう」のやり方ってあるの?イギリスなんて洗剤ゆすがないし!

*私がおっとりしているのか、上司にサボっているのではと疑われる

上司が「しましまさん、どこですか?」「しましまさん何してますか?」と同僚によくきくらしいんです。私はやるべきと思うことを黙々とやってるだけなんですが、古い日本の考えだと、「必死な形相で働くポーズ」が必要じゃないですか、はっきり言って見ている方もそんな人見たくないでしょ?と思う私なんですが、最近その上司にいつも急き立てられている感じがして気がつくと小走りしていて自己嫌悪。

同じ働くなら楽しく働きたいのに、真面目なポーズなんて学校の卒業式じゃないんだからやめたらいい日本の習慣だと思います。楽しく働いてもサボるのとは違います。

*冗談でも言ったら怒られそうな雰囲気

楽しくとは言っても、ニヤニヤしながら働くわけじゃないです。外国人の社員さんは、名前を知る仲でなくても、ちょっとした会話をしてくれる人が多いです。喋らないと真面目そうで気難しそうに見える人でも話すと可愛いんですよね。くだらない話は潤滑油。いい気分で働けるのに。

*ゆるいけど切る時はスッパリ

日本は厳しい職場環境だけどあまりクビになることはない・・・のに比べ、イギリスはゆるくて皆好き勝手にやってるけど、クビは容赦なく言い渡されるので、どっちがいいのかはちょっと謎。


 そして話はスポンジに戻りますが・・・

Aちゃんと私がカルチャーショックだったのに、「日本でいう食器洗いのスポンジでテーブルや調理台を拭くこと」があります。これ、普通です。イギリス人もイタリア人もアメリカ人もやります。

逆に薄いスポンジ?キッチンクロス?で食器を洗うこともしばしば。

職場では、「食器洗いスポンジとシンク洗いスポンジを分けないと社員さんに嫌がられますよね」と全く同じ形のスポンジを分けて使うよう(古くなった方がシンク)教わりましたが、はっきり言って少なくともイギリスでは分けてない人がほとんど。アメリカ人の知人も同じスポンジでシンクまで洗ってたし。外資で半分以上が外国人の社員さん相手に余計な気をつかっていると思うけど、日本人の社員さんで嫌がる人には怒られるかな?


(*キッチンじゃなくてお風呂だけど、そう言えば先日の留学生は、うちのお風呂のバスタブの中でシャワーを浴びていました。日本のお風呂って洗い場はバスタブの外じゃないですか、それは説明したんですけど、私の言い方が広かったため(You can use shower by bathtub, not inside bathtub.) 結局ずっと彼はバスタブ内でシャワーしてたのでお風呂の栓が詰まりました。ちゃんとお風呂を見せながら説明しないと、彼にとってはバスタブの外で洗うのは違和感がありすぎたのではないでしょうか。以前フランス人のホームステイの子に言った時も「変!」という反応でしたし。)


*私は優しいのではなくて多様性を知っているだけ

私の先輩たちも、上司の嫌なところを口々に話すんですが、そっちの方は私は気にならないことが多いので、それを言うと「しましまさん優しいね」と言われるんですね。でも私は夫と夫の家族を初めビックリ行動する人見すぎてるのか、嫌だと感じるポイントがみんなと違うようです。

Aちゃんも私も、最初はびっくりしても、そのうち慣れて自分も当然のようにやっていること多いよねーと盛り上がり(笑)




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2017/9/23

誰もいない国/No Man's Land  その他の映画・ドラマ・舞台

クリックすると元のサイズで表示しますパンフありました

No Man's Landというサー・イアン・マッケランとサー・パトリック・スチュワートが出ているこのお芝居は、つい最近やってたという印象を持っていたのに、

調べてみたら2016年12月15日の舞台がライブとして放送され、千秋楽は17日ということでした。

私の「つい最近」は9ヶ月も前だったのがショックですが、

この初演は2013年NYで、2016年にイギリスにはシェフィールド、ニューキャッスル、ブライトン、カーディフを経て故郷ロンドンに帰って来て、千秋楽の2日前に収録されたものだと知り、

本舞台の後のキャスト達のトークがなるほど達成感漂うなあと納得しました。(舞台は観客との共同作業で、場所によって違うものができるとの言及がありましたので)


さて、つい最近だと思った舞台の写真の印象は、二人のサーがスーツを着た紳士の役、というだけでももう面白そう!だったのですが、

初演1975年のコメディで、しかも老人2人がメインに、+青年2人も延々と過去をしゃべり続けるという不思議な、しかし面白い作品でした。



幕が開くとそこは円形ぽい整った青い部屋、第一印象はターディス(ドクター・フーの時空マシーン)。

スプーナー(サー・イアン)のスーツはポケットが膨らんで全体がシワシワ、足元はスニーカー、反核バッジをつけて反体制風でありながら、シャツは上までボタンを留めてタイをきっちり締めてるあたりは知識階級を思わせる。

ハースト(サー・スチュワート)の方は、家の主人でもあり、典型的なイギリスの保守的なジェントルマンと見える服装に、家のアルコールキャビネットとはこう使うのかというしつらえぶり。

この段階ではスプーナーの方がやたらとしゃべり、ハーストは聞き役を我慢してやってる感じですが、

話の内容から2人は初対面で外で知り合いハーストが自宅にお客を招いたことがわかります。しかも場所はハムステッド・ヒースで、70年代にはゲイのナンパエリアがあったことも語られます。

この時点では、2人はゲイなの?と思ったのですが、

モルトウィスキーとウォッカがどんどん2人の喉元を流れ、

やがて話し手と聞き手が逆転、しかも話の内容も昔の女性との交際暴露となり、この時点では2人その昔オックスフォードで同じコミュニティにも属し、クリケットをし、ハーストはスプーナーの妻と浮気をしていたことにまでなってる・・・ゲイではなかったのね。

しかも女性の話になると顔がニヤニヤと嬉しそうで、遠回しな表現かと思うと観客席がどよめく言葉まで使っていて

紳士とは巧みに服装と言葉遣いで偽装した男性ホルモンか、と思うほど。

話し言葉こそ二人とも流暢(高齢の俳優さんがセリフが覚えられなくなるって話はどこいった?!とびっくりするくらいセリフが多い!)ではあるものの、

やはりこれは酔っ払いの話・・・ではないか?と思い始める。

さらに混乱を極めるのは、ハースト宅の使用人の青年2人の登場で、2人とも素性は怪しそうな、70年代だからベルボトムのスラックスに茶色のレザージャケットに長髪なので、ぱっと見ハーストがハムステッドで拾って来たとしか思えないのです。

この2人も使用人のくせに偉そうだしよくしゃべるので4人の力関係が不明になり、またここでエイズ以前の70年代、ゲイコミュニティで家をシェアしてた話などを思い出してしまいました。

現実と嘘との区別もつかなく過去が語られても、ハーストが2度も「嘘だと思ったら写真がある。」と言いながらも、それを「人には見せない」と言ったのは、自分でも99%信じてる自分の作り話を、潜在意識の1%で写真には写ってないことを自分が語ってることを自覚しているのかなと思いました。

途中でスプーナーが朝ごはんとして、スタンドに乗せて運ばれた超薄切りのこんがりトーストとスクランブルエッグにコーヒーを食べるシーンがあり、

舞台ではよく見えないでしょうが、ライブではアップで映るので本物を本当に食べていることがわかり、無性に食べたくなりました!

そのことで、本編後のQ&Aで「1週間で8回も食べなくてはならなかったので、もう見たくもない」と言ったイアンWWW

あと、Q&Aでは、役者にとって観客の反応が大事と何度もなんども言っていたのが、ファンとしてはとても嬉しくなりました。

パフォーマンスする人というのは、やはり見られて初めて自分の業績を感じるのでしょうか。

演劇ファンなんて、ただ見る自分が楽しむだけで、実はこの日のNTLIVEだって「仕事が終わったあとの金曜日、ショッピングに行って気軽な楽しみも出来るのに」なんで疲れながらまで観に行くのか、と自分に問いかけてもみたのです。

でも見に行く人がいるから俳優がいる、という単純なことを俳優さんたちの口から聞くことができて、行ってよかったなあ〜と思いました。

パンフレットには脚本翻訳者による解説があるのがよかったけれど、欲を言うと「NYではUKカルチャーに関するセリフへの反応はない」とQ&Aでもキャスト&監督が言ってたので、日本人にもおそらくわからないであろう、ロンドンの観客に受けて外国人が置いてきぼりになるセリフの解説も欲しかったです。



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2017/9/19

VICTORIA 0204  トム・ヒューズ

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意外な展開にびっくり仰天のエピでした!

第2子アルバートの産後に気分が沈みがちなヴィクトリアですが、アルバートの父が亡くなり、アルバートが故郷に帰ってしまいます。

一緒に行きたかったヴィクトリアですが、「元気を取り戻すために子供達と一緒に残って」と夫に言われ送り出す女王。

この時、アルバートが馬車でドイツに行くのにあまりにもお付きの人が少なくて私も驚きました。1国の王配ならぞろぞろと馬車が続くのかと思いきや、立ったの1台。本当に質素な人だったのだなあ。

で、それでそれで、故郷コーブルグには、エルンスト1世の弟=ベルギー王レオポルド=アルバートの叔父と、アルバートの兄のエルンストも集まっています。

この二人はアルバートにとても近く、女遊びの好きな父エルンストの影が薄いのに比べ、ヴィクトリアとの結婚を推進していたのもレオポルドだったし、

二人のキャラクターが俳優さんたちの功績かとてもいい味を出してアルバートを盛り上げていて、

この3人のドイツの男たちが一緒にいるのを見るのが私は大好きだったんです。

そしたらなんと!

アルバートにとって父から離縁されて家を出てしまった母は、謎ながらも慕っていた若くて綺麗な母だったわけですが、なんとアルバートが生まれる前、女遊びが激しい父の影で寂しがっていた母を慰め親しくしていたのは、レオポルドその人だったと本人の口から父の葬儀で聞かされるとは!!!

それでは、父が悪いと思っていた両親の夫婦仲の悪さは、もしかして母の叔父との浮気が原因かも知れないし、

何よりも、アルバートの父親はレオポルドだったと?!?!

どうりでアルバートに「イギリスの皇太子の顔が早く見たい」などと、やけにプライバシーに口を挟むわけですよ!

アルバートにしてみれば、自分が不義の子であると宣告され、イギリス王室に非嫡子の子孫をもうけてしまったと罪悪感に押し潰れそうなショックです。

一方、一向に気が晴れずに公務もやっとのヴィクトリアは、アルバートの帰りを待ちわびて、

弱った者どおしのふたりはますますお互いを必要とする夫婦になって、

メランコリックなんだけれども、

(歴史を知る視聴者には)弱さが絆を深めるのね・・・と

ふたりのロマンスを祝福したくなるのでした。

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エリザベス2世のドラマ「ザ・クラウン」もそうですが、王室ドラマって、やはり尺があると華々しい部分だけでなく人間らしいロイヤルファミリーをも描けていいですね。ヴィクトリアは何シリーズ予定されているのかしら。
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2017/9/18


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2017/7/14レスター・スクエアでのワールドプレミア 写真は全4枚ともBBC NEWSより

留学生は台風のため1日東京ステイを延期して、今朝、東京駅までお見送りしてきました。そしてその足で「ダンケルク」へ。

緊張みなぎる映画で全身硬直して見たのと、1週間のホームステイの仕事が終わった開放感からか、今すごい倦怠感に襲われています!

しかしながら、やはり「ダンケルク」を見逃さなくてよかった!!いい体験ができた!と思える映画でした。(それなのに完売でパンフが買えなくて悲しい)

予告編を見て「おお、ブラナーさんのような大物が出ているのかっ」と思ったのと、娘の好きな1Dのハリーが出ているくらいの前知識以外はなるべく情報をシャットアウトしてきたのですが、

なんとケネス・ブラナーとハリーだけではなく、トム・ハーディーは出てるわ、市井の船長に存在感があると思ったらマーク・ライアンスは出てるわ、ブラナーの隣の将校さんが光り輝いている!!と思ってよく見たらジェイムズ・ダーシー!

これは見逃したら自分を一生責めたことでしょう。映画のネタバレは避けるにしても、キャストだけは知っておかねば、と深く心に刻みました。

それから、ダンケルクという土地は、なんと私はその響きからドイツにあるのかと思っていたのですけど、ドーバー海峡に面しているのですからフランスだったのですね。

そんな私でもメッサーシュミットがドイツでスピットファイヤーが英空軍とわかっただけで戦争シーンが混乱なくシンプルにわかるようにできているのにもうなりました。要するに英軍の視点で書かれているからなんですけどね。

スピットファイヤーを見なくても「ロールスロイス製のエンジン音でわかる」と言ったのがマーク・ライアンスの船長だったのもカッコよかったです。

そのマーク船長の船に乗ってきて事故で亡くなった若者の新聞記事のエピソードは、戦争という国対国の緊急事態にも、一個人の存在が民間の普通の若者の手によって尊重されたシンボリックなエピでした。

それと同じことが、チャーチルからその下の現場の将校たち、若い下士官、民間の人たちにまで徹底していて、国の命令よりも、祖国「home」のために命を救う意志が感じられました。

そういうことで、ラストには、愛国心に訴えるような高揚感がこみ上げるようにできてましたから、これはワールド・プレミアにハリー王子が出席したり、プレミア試写にダンケルクでの本物の退役軍人が招待される国をあげてのイベントになるわけです・・・

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俳優さんたちや演出や飛行機に見惚れながらも、

戦勝国イギリスのこの手のイベントにはなぜか複雑な気持ちになるのは、私が敗戦国の国民として、戦争(正しくは国に尽くした人なのでしょうが)を讃えてはいけないという価値観があるからでしょうか。

日本では戦争記念日は今のところ「あんな悲劇は二度と繰り返してはいけない」という厳粛なマイナスの空気に包まれますが、

イギリスでは、空軍の空のパレードでバッキンガム宮殿の上空で華々しい栄光を祝うお祭りとなります。しかも、退役軍人が写真のように車椅子で一般人に混じって参加しているのですが、ユニフォームに勲章をきちんとつけて、同じように年老いた奥さんに付き添われて晴れの舞台に現れている印象です。

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ラストに燃料の尽きたスピットファイアを無事に着陸させたトムハは文句なしにカッコよかったですが、

クリストファー・ノーラン監督が「ダンケルク」を撮るにあたって参考にした映画の中に戦争映画に混じって「炎のランナー」を見つけた時、なるほどなあとストンときました。最終的に国威に結びついても、個人の行いであった。

プレミアが戦争記念会みたいになったのは別として、戦争という名誉をかけた価値観に動かされる局面でも、個人個人が人命を救った作戦、戦いの映画だったので私はこの映画が好きでいられるんだなと。

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