2018/6/5

A Very English Scandal E3  ベン・ウィショー

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完結しました。

期待以上の何かを残して。

全3話を見終わって、なぜこのドラマが作られたのかがわかるようになっていました。

ジャーナリストJohn Prestonによる本で、50年以上も前のジェレミー・ソープとノーマン・スコットの出会いから判決(おそらくソープの死、ノーマンの現在なども)までの一部始終は現代の視点でまとめられていましたが、

新聞やテレビによる報道で一大スキャンダルとなったこの事件を、振り返る形でまたイギリスのメディアが世に出すマトリューシュカのような形で、製作者は単なるスキャンダルから歴史として残したかったのではないでしょうか。

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この上のセリフ、「こんなことBBCで言っちゃうの信じられない」・・・何やら自虐ネタのようでもありますけど、セクハラの取り調べのように、どのような関係だったかを尋問、そしてその答え。この時、男性の同性愛は犯罪ではなくなってはいましたが、ベッドルームでの出来事がお茶の間に放送されてしまったのですね。

これがスキャンダルにならないわけないでしょうけど、

大騒ぎされたそこじゃなくて、判決から40年経ち「差別は良くない」運動が盛り上がる現代に、判決と同様に、エリートのやることは大目にみる法廷の人や一般人が、ノーマンのようなほぼ無職で地位もお金もない優男の存在も公平に認めなかった事実にちゃんとスポットを当てたことに大感激です。階級差別、セクシュアリティ差別とダブルです。

Old Baileyこと英国中央刑事裁判所で証言した時のノーマン・スコットのセリフにそれが凝縮されていました。

*駄文和訳すいませんすいません

「These men, they went to Eton and Harrow and Oxford.
I went to a secondary modern in Bexleyheath.
They're going to destroy me.
この人たち、イートンとかハーロウとかオックスフォード出てるんだ。
Bexleyheath(ロンドン郊外)の公立高卒の
僕を叩き潰してくるよ。」


「I don't care about the money, but I do care how men like me are shoved into corners and masturbated in the dark and then thrown out the door like we're dirt, like we're nothing, like we don't exist! And all the history books get written with men like me missing.

金の問題ではないんです、問題は、僕のような男たちがどのように隅に押し迫られ、暗がりでマスターベイトされ、そしてドアから放り出されるかなんです、まるでゴミのように、物のように、僕たちが存在してないかのように!そして歴史の本のどこにも僕のような人間のことは書かれていません。

So, yes, I will talk, I will be heard and I will be seen, Your Honour.
You can pay me or not pay me, I don't care, but the one thing you will not do is shut me up!

そうです、だから、僕は話しますし、聞いて、見ていただきます、裁判官。
お支払いいただいてもいただかなくても、それはどうでもいいことです、ただ、僕の口を塞ぐことだけはしないでください。」

*ノーマンが行ったa secondary modernという中高一貫(11~15歳の子供の教育という意味で)学校は、40~70年代のイギリスで11歳で受けるテスト成績が普通〜下の子のための、いわゆる労働者階級の子が行く学校。対して同じ公立学校でも成績上位の子はgrammar schoolという大学進学を目的としたミドルクラスの子が多く入った学校があった。成績で分けたはずがほぼ階級別になってしまったのでその後学校制度は改革されます。



このドラマでは、こんなドロドロバトルになったにもかかわらず、ジェレミーもノーマンも愛すべき人間に描かれていたのもすごい。演じたヒュー・グラントとベン・ウィショーの魅力と演技力のおかげだし脚本がそうできている。

特にジェレミーは始終傲慢なキャラにもかかわらず、こっそりと第3者(バッセルや弁護士)に「ノーマンを愛したのか?」「なぜノーマンだったんだ?」と質問されて、遠くを見て考えたり答えたりする。そして最後には「彼がベストだったんだ」と言葉にしたところ・・・・・脚本ラッセルくん・・・・彼に感謝します感謝します!

そして裁判で勝ったジェレミーが、その後政界を退き闘病後に妻とほぼ同時に(この奥さんも、見かけはおばちゃんだったけど、大好きでした!ジェレミー再婚に恵まれたね)この世を去り、

病弱で財産もない本物のノーマンが、初心貫徹で現在も動物に囲まれて健康に暮らしている姿をテレビに現した時、本当の勝者は君だったんだね・・・と見ている人の心に直接うったえてました。

もういい加減NHSは彼にナショナル・インシュアランス・カードを発行してあげてくださいよ






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